レイシズムの変貌

  • 明石書店
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本棚登録 : 39
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750326665

作品紹介・あらすじ

現代社会においてレイシズムは消滅するどころかグローバル化とともに変貌し遍在している。80年代以降政治哲学を中心に活性化した議論を明確に整理した、フランス社会学界の泰斗によるレイシズム分析入門。高まる人種偏見・民族差別をどう捉えたらよいか。

感想・レビュー・書評

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  • 科学的レイシズムの勢いはナチズムと共に頂点に達した。ナチスは医学、生物学、科学、遺伝学だけでなく、人類学、精神医学、歴史学、考古学、法学、人口学といったあらゆる地を動員して、人種思想の科学的根拠を確立しようとした。その目的は、(まずユダヤ人が想起されるが、ユダヤ人だけではない)人間を人種別に定義し、分類、判別、格付けすると同時に、アーリア人種の優越を主張し、歴史、文化、自然面での正当性を獲得することにあった。ナチスによる非人道的行為が確認されると、科学的レイシズムは消滅とはいわないまでも、正当性を失った。

  • 欧州を中心としたレイシズムのことがひと通り学べる入門書。
    日本でも、極右組織などが現れ、レイシズムの問題が現れるようになってきている。レイシズムとは何なのか、歴史から学んで行かなければならない時だと思う。

    • pivochanさん
      欧州を中心としたレイシズムのことがひと通り学べる入門書。
      日本でも、極右組織などが現れ、レイシズムの問題が現れるようになってきている。レイシ...
      欧州を中心としたレイシズムのことがひと通り学べる入門書。
      日本でも、極右組織などが現れ、レイシズムの問題が現れるようになってきている。レイシズムとは何なのか、歴史から学んで行かなければならない時だと思う。
      2012/08/03
  • レイシズムの分析理論を簡単にまとめた後レイシズムの現在を論ずる。
    著者はフランス人なのでフランスやヨーロッパのレイシズムが主題だが、もちろんアメリカ合衆国におけるレイシズムも取り扱っている。
    レイシズムの社会科学的な背景を垣間見れてよかった。

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著者プロフィール

 1946年、パリ生まれ。社会運動論のアラン・トゥレーヌのもと、1988年『テロリズムの社会学』で国家博士号取得。現在、国際社会学会(ISA)会長、パリ社会科学高等研究院教授、社会学的介入分析センター(CADIS)所長、Cahiers internationaux de sociologie(国際社会学誌)編集長。専門は、社会運動論、多文化主義、文化的差異、レイシズム、暴力、テロリズムなど、幅広い分野に及ぶ。
 日本語訳に『暴力』(田川光照訳、新評論、2007年)、近年の著書に、La tentation antisemite. Haine des juifs dans la France d' aujourd' hui (Robert Laffont, 2005), Les sciences sociales en mutation (Editions Sciences Humaines, 2007)などがある。

「2007年 『レイシズムの変貌』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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