形成的アセスメントと学力 人格形成のための対話型学習をめざして

制作 : OECD教育研究革新センター  有本 昌弘  小田 勝己  小田 玲子  多々納 誠子 
  • 明石書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750327402

作品紹介・あらすじ

教師と生徒の対話を重視した相互的な学習評価が求められている。学習ニーズや学力進歩に応じて評価(アセス)することによって生きる力を育むコンピテンシーの形成をめざす。形成的アセスメントの概念を包括的に紹介し、中等教育における各国の優れた実績を紹介する。

感想・レビュー・書評

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    最後の「監訳者あとがき」(p.272)が一番参考になる。
    (※監訳者:有本昌弘先生)

    「日本の教育界で浸透するには10年以上かかるだろうと思われるもの」として、この本のタイトル「アセスメント」が挙げられている。

    出版されてから6年。おそらくまだ浸透していない。

    訳者の解釈は以下の通り。

    「語源はラテン語の ”sit beside”(一緒に側に座る)" であり、(中略)値踏みや熟考後の意見形成といった重たい意味での評価(evaluation)ではなく、『周到な観察』なのである。」

    「評定とか能力の査定と訳されたり、時には、進学適正、潜在能力評価という訳もある。そして中央では近年『把握』という用語がよく用いられている。(中略)本書では、見方や判断を重視し、より積極的な『予想』という意味を持たせることにした。」

    さらに、「周到な観察」の際に用いられる「クライテリア」についても解説されている。

    この言葉は「どういうクライテリアが児童生徒の能力を把握(アセス)するのに用いられているのか?」という形で使われ、ルーブリック(尺度表)として示される。

    生徒との対話によって共有され、生徒自身によって学習経過を観察する際にも用いられるため、規範的ニュアンスをもつ「規準」とはやや異なる。

    「アセスメント」と「クライテリア」の考え方は、「このように学ばれるべき」と一律に捉えるよりも、典型的な数パターンのシミュレートを行うことによって、学び手が自分で気づいて調節できるようにするための支援を整え、それぞれの違いに対応しようとしている。

    「差が激しくて困る」というフラストレーションを感じている場合、「このようであるべき」と一律に捉えている可能性が高いことを肝に銘じておきたい。

  • 形成的アセスメント=生徒の学習ニーズを確認し、それに合わせて適切な授業を進めるための、生徒の理解と学力進歩に関する頻繁かつ対話型のアセスメント。本書はOECDのCERI(OECD教育研究革新センター)による報告書で、方法論から政策枠組み、利点と障壁、政策指針まで幅広く分析がなされています。

    事例研究としてオーストラリア(クイーンズランド州)、カナダ、デンマーク、イングランド、フィンランド、イタリア、ニュージーランド、スコットランドが登場します。

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著者プロフィール

経済協力開発機構(OECD)
 経済協力開発機構(OECD:Organisation for Economic Co-operation and Development)は、民主主義を原則とする30ヶ国の先進諸国が集まる唯一の国際機関であり、グローバル化の時代にあって経済、社会、環境の諸問題に取り組んでいる。OECDはまた、コーポレート・ガバナンスや情報経済、高齢化等の新しい課題に先頭になって取り組み、各国政府の新たな状況への対応を支援している。OECDは各国政府がこれまでの政策を相互に比較し、共通の課題に対する解決策を模索し、優れた実績を明らかにし国内及び国際政策の調和を実現する場を提供している。
 OECD加盟国は、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、チェコ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、アイルランド、イタリア、日本、韓国、ルクセンブルク、メキシコ、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スロバキア、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、英国、米国である。欧州委員会もOECDの活動に参加している。
 OECDが収集した統計や、経済、環境、社会の諸問題に関する研究成果は、加盟各国の合意に基づく条約、指標、原則と同様にOECD出版物として広く公開されている。

「2007年 『デマンドに応える学校』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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