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- Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
- / ISBN・EAN: 9784750330211
作品紹介・あらすじ
派遣切り・奨学金返済問題・ハウジングプアの現場からの真摯なレポートや、貧困研究・教育学・若者論など荒削りだが刺激的な論考が議論の交差を生み出す。ホームレスを経験した若者自身によるライフストーリーは圧巻。貧困の現場から希望を見出そうとする書。
感想・レビュー・書評
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貧困に落ちる若者も、貧困に落ちまいと必死に「努力」をする若者も、同じ問題に包み込まれている。
「新しい貧困と古い貧困の両方が折り重なった排除があるということ、そしてそれは彼ら(※注:学校や労働から脱落し逸脱や暴力に走る若者)だけによって生み出されている現実なのではなく、自らは貧困に落ちまいとする懸命な努力も、そうした現実をつくり出す片棒を担いでいるということ…」(270)
この結語に自分をかえりみずにはいられない。
希望や努力が未来を切り開いてくれること、今の苦境が終わる時期が見通せていること、それらすら、一部の人間にしか信じることはできない。「希望格差社会」の根はどこまで深いのだろう。
諸収論文の中では特に、仁平典宏さんのものが必読だろう。思考の粘り強さと筆致に素直に感動をおぼえた。
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