学力政策の比較社会学【国内編】―全国学力テストは都道府県に何をもたらしたか―

  • 明石書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750335537

作品紹介・あらすじ

2007年、全国学力テストが四十数年ぶりに再開された。それはどう実行され、各自治体にいかなる効果・インパクトを与えているのか、全国および9つの府県への継続的な現地調査の結果から検証。日本の教育の今を「公正」「卓越性」の二つのキーワードで読み解く。

感想・レビュー・書評

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  • ①地域とのつながりが学力に結びつくは面白い
    ②でも、それなら離島中山間はみんな賢いのでは?
    ③多分別の何かがある

  • 2012年刊行。2007年から実施されている全国学力テストは、各県の教育政策にいかなるインパクトをもたらしたのか、それは学力好成績・中位・低位の府県で異なるのか、さらに、かかる差異をもたらした要因について検討したもの。低位の大阪府と中位の兵庫県の異同が興味深い。近隣県で何れも公平を旨(同和・在日外国人問題に力を)としてきたのに、どうしてこの差異が生じたのかについて比較できる。ただ、小中好成績の秋田県の大学進学率が振るわない点を見ると、中学の私立流れを考慮できるか、その程度如何、の分析は不足かも。
    また、細かい点だが、持ち家率の高低を、地元との繋がりの差異の要素と解釈するのは、やや奇異に感じる。もっとも、本書の価値は決して低くなく、今後の指針にもなる良書。社会的資本の充実が経済的劣位・低学力層の底上げに意味がある点も有益情報だ。なお、学力テスト悉皆実施自体の批判はある。確かに費用対効果の点で疑問なしとしないものの、成績が悪いと予想していなかった沖縄が全国レベルでは悪いと認識できる等、自県の教育政策に上手く反映できれば十分価値を持つと思う。自己検証にはデータが必要なのだから。
    個別対象県は、大阪府・高知県・沖縄県・兵庫県・神奈川県・宮崎県・福井県・秋田県・香川県

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著者プロフィール

大阪大学大学院人間科学研究科教授。専門は教育社会学、学校臨床学。日本学術会議会員。主な著書は『マインド・ザ・ギャップ』(大阪大学出版会、2016)、『日本の外国人学校』(明石書店、2015)、『学校にできること』(角川選書、2010)など。

「2022年 『外国人の子ども白書【第2版】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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