学力政策の比較社会学【国際編】―PISAは各国に何をもたらしたか―

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750335728

作品紹介・あらすじ

参加国に悲喜こもごもの反応をもたらしてきたPISA。PISA2000以降、世界ではどのような学力政策が実行されてきたのか。「公正」「卓越性」をキーワードに、海外8カ国での現地調査を分析、学力政策を比較検討する。日本の学力政策を検証する「国内編」の姉妹編。

感想・レビュー・書評

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  • 2012年刊。大阪大学大学院人間科学研究科のメンバーを主とする調査報告。副題どおりの内容である。対象国は英・スコットランド・仏・独・米・豪・フィンランド・ブラジル。良くも悪くも淡々と解説が進む、ただし、どの国も、濃淡はあるものの、卓越性と公正(特に低学力層・貧困層への手厚い配慮)がともに追求されている点は注目されるべきか。現行日本の学力向上対策の方向性、特に橋下氏のそれは世界的趨勢に逆行することを物語るようだ。なお、あの米国が相当前から落ちこぼれ防止・救済策を採っていたことは些かの驚き(不奏効らしいが)。
    国内編もあるそうなので読んでみたい。なお、志水教授は、本書以外に「学力を育てる」「『力のある学校』の探究」が良書と思う。

  • 各国の学校制度を比較する講義を受けて感じたのは、PISAというものが良くも悪くもかなり影響を与えていたということだった。そこでPISAがもたらした影響を横断的に扱う本書を読むことにした。
    社会学のアプローチの仕方「公平性」と「卓越性」を軸に、どのように各国の教育政策が変化したのかをとりあげ、最後にその変化に共通する大きな流れを考察する。単に教育の問題だけでなく、経済や福祉の問題も絡まっている深刻な問題だと改めて感じさせられる。
    単なる比較教育学のテキストではなく、タイトル通り、比較社会学なのだ。

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著者プロフィール

大阪大学大学院人間科学研究科教授。専門は教育社会学、学校臨床学。日本学術会議会員。主な著書は『マインド・ザ・ギャップ』(大阪大学出版会、2016)、『日本の外国人学校』(明石書店、2015)、『学校にできること』(角川選書、2010)など。

「2022年 『外国人の子ども白書【第2版】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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