- Amazon.co.jp ・本 (364ページ)
- / ISBN・EAN: 9784750335889
作品紹介・あらすじ
米、鉄、人材、電力……。これまで東北は、東京の欲望を叶える工場であり続けてきた。それは実際、東北に何をもたらしたのか。また3・11により、そうしたシステムの限界が露呈したとするなら、「辺境」たる東北はどこに展望を見出すべきか。徹底的に考える。
感想・レビュー・書評
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震災を機に東京の辺境・植民地であった東北を語るという論文集。
東北出身者の立場としての思いを割り引いても考えさせられる。沖縄も同じ。 -
論文集。知っている東北の確認と全く知らない東北があった。読んでよかった。執筆者達の現実的で冷静な報告。モノカルチャーではなく多様性。自立。
優しく多少情緒的な赤坂氏と、身もふたもなくきっぱりしている小熊氏のやりとりが絶妙。 -
東日本大震災に関する論考。特に、この震災であらわになった東北ー東京という関係性が持つ意味を説く。
単に田舎と都会というだけではなく、搾取する側とされる側という関係。関西方面に住んでいたのでは、なかなかこの関係は実感としてわからない。この歪みがもたらす不幸がどれほどのものだったのか、特に原発問題の根深さは一朝一夕には解決できないものだということが語られる。
研究論文なので、内容は難しく、さらりと一読しただけで理解できるはずもないが、それでも、仁平典宏氏の4章「<災間>の思考」は大変面白かった。この「溜め」=「あらゆることの余裕」の大事さについて語る論考で述べられていることは、今後の社会の行き方として大変重要じゃないかと思う。そして、文章がなんだかとても良かった。他の著書も読んでみたいと思わせる。
また、茅野恒秀氏の7章「多様な生業戦略のひとつとしての再生可能エネルギーの可能性」もよかった。あれこれ行き詰まっているように見える日本のなかで、これだけ元気な自治体があるということを知って、希望が見える想いがした。 -
新着図書コーナー展示は、2週間です。
通常の配架場所は、3階開架 請求記号:302.12//A32 -
東北学の赤坂憲雄が戻ってきた。論文集自体は読み切れなかったが、巻末の小熊英二との対談で総括されている。 震災からの復興について、原状復帰のような甘い夢物語を許さない厳しい現状分析と歴史認識が提示されている。
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辺境論としてみると、新しい感じはしない。