現代イラクを知るための60章 (エリア・スタディーズ115) (エリア・スタディーズ 115)
- 明石書店 (2013年3月19日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784750337777
作品紹介・あらすじ
権威主義が潰えた一方、国際社会からの孤立、うち続いた戦闘やテロによって、イラクは“ポテンシャル”開花の機会を失っていた。大河が育んだ文明、多様な民族が織りなす歴史と文化、生産力の高い灌漑農業、石油が支える経済、高度な教育。この国のもつ可能性と希望ある未来を多面的に描き出す。
感想・レビュー・書評
-
【「人工国家」だから国内の社会集団が固定的に対立しているという認識は,イラク政治をミスリーディングしている。実際は,より複雑で流動的なのである】(文中より引用)
度重なる戦争の影響もあり,争いや紛争との関連で語られることの多いイラク。その歴史や地理,さらには文化までをも概観しつつ,同国の包括的な理解を促す一冊です。著者は,それぞれ中東地域を専門とされている酒井啓子,吉岡明子,山尾大。
幅広い分野に及ぶ情報が,それぞれコンパクトにまとめられているため,イラクに関して興味がある人が最初に手に取る1冊としてもオススメの作品。それぞれの専門性を発揮しながら,読み手の視線をしっかりと書き手が意識しているため,途中で投げ出したくならないという点も評価のポイントです。
このシリーズは本当に勉強になります☆5つ詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この本のシリーズ全般に言えるのだが、テーマ国の概要を広く、そこそこ深く一冊で学べる便利な本。専門家が執筆しており、背景知識がない人向けではないような印象。旅行前に読んでおこう、と気軽には言えない本な気がする。
アカデミア、民間企業、市民といった立場が様々な人が長年イラクに関わっている。その事実には胸を動かされた。