精神障害者の家族からの話という物自体あまりないように思いますが、子供からの話というのはもっと稀かもと思い目について手に取り。
自分もその立場だったのでどんな家族のどんな話が語られているのか気になりました。
9人の方の子供の立場の話が語られていますが、精神科治療につながらなかった親に育てられた子供代表として語られた方はみな40〜50代であるのに対し精神科治療につながった親に育てられた子供代表はほぼ20代後半の方々であること、前者は3人なのに対し後者は6人というのが、ちょっとバランスが悪い感じがしました。話を集める上で話してくれる人を探すのも簡単ではないことだと思うので仕方のない部分なのかもしれませんが、前者の立場の人の話ももう少し知りたかったと思いました。
どちらの立場、年齢の方も皆さん大変な思いをされて人生を歩まれた方ばかりでした。
どの人も、親のことは友達をはじめよその人に話してはいけないと思い、誰にも相談できないと辛さを抱え込んで子供時代を凌いでこられていました。
治療に繋がらなかった親に育てられた50代の方が、地域包括センターで出会った職員に自分の思いを組んでもらい色々対応してもらえたことを「一生忘れられません」と感謝していることに涙が出ました。それだけずっと誰にも助けを求められず助けてもらえない状況だったのだということなのだと思いました。
自分も似たようなことがありました。親身になって対応してくれた人のことは何年経っても、関わりがなくなってもずっと感謝しています。本当に一生忘れられないと想います。
話の中で、宗教気つながった親の話も出てきました。
病気、特に精神的なものは宗教との親和性が高いと思います。
何かに縋りたい心理にちょうどはまってしまうんでしょう。自分の親もそうでした。宗教が絡むと治療が思うように進まなかったり、方向性が違う方へ行ってしまったりしがちであまりよろしくないことだと自分は思っていますが、はまっていく人の気持ちはわからなくはないです。
第2章として子供への支援の仕方の考察があり、母子保健、児童相談所、精神科医療、保育園、学校、生活保護という場所や立場からできることを考えています。
医療における子どもへの対応という項目で、医療者は家族の現状を知ることができる立場にある(だから)本人への支援とともに家族支援を行うことが大切とあります。
確かにそのとおりだと思いますが、自分の親の頃はまだ今程精神科医療も進んでいなかったこともあるのか、そんな態度の医師はいなかったと思います。
何人かの精神科医を見てきましたが家族支援、なんていうものをしてくれた医師は一人もいなかったと思います。(相談しても態度が悪いと怒られたことならあります。もう何十年も経ってますがその医者恨んでます 笑)
やるべきであると提言することと実際に実行するということには相当の乖離があります。
必要だと思うことを本当に全ての医療者が、支援者がそのようにしてくれるだろうか?と9人の方の話と照らし合わせてみても疑問に感じました。(9人の方の中にも医療者にきちんと対応してもらえてないと思われる人がいました)
奥付を確認すると本書の発刊は8年前。今は現状が当時より改善されて孤独や辛さを抱えている子どもが減っていることを願います。