3000万語の格差 : 赤ちゃんの脳をつくる、親と保育者の話しかけ

制作 : 掛札 逸美  高山 静子 
  • 明石書店
4.08
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本棚登録 : 70
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750346663

作品紹介・あらすじ

算数や国語の学力、粘り強さ、自己制御力、思いやり……、生まれた瞬間から最初の数年間に、親や保育者が子どもとどれだけ「話したか」ですべてが決まる。日本の子育て、保育が抱える課題とその解決策を、科学的な裏づけと著者自身の具体的な実践から示した書。

感想・レビュー・書評

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  • 文章が長い。頑張って訳してくれたのはわかるけど、読むのがしんどい。

    内容的には「語りかけ育児」に書かれている内容とかぶることが多くて、わざわざ読む必要がなかったと感じる。

    「語りかけ育児」の方が一般向け、特に育児中の人にわかりやすく書かれているので伝わりやすいと思う。

  •  子どもの将来の学びの到達点を決める必須の要因は、初期の言葉環境でした。どれだけの量の言葉を、どのように親が子どもに話したか、です。親がたくさん話した家庭の子どもはそうではない家庭の子どもに比べ、学歴の高さや経済的な地位とは無関係によくできる。とても単純な結果でした。(p.38)

     関係があったのは言葉の量だけではありません。命令や禁止の言葉が、言語を習得する子どもの能力を抑えていることがわかったのです。「発達の足を大きく引っ張っていたのは、(子どもとのやりとりが)親の『ダメ』『ストップ』『それ、やめなさい』で始まった時だった。」(p.39)

     もしあなたがC、A、Tのそれぞれの音も、つなげた時の音も聞いたことがなかったら?こうした記号はあなたにとってどんな意味を持つでしょう?誰もが「cat」という単語を知っている国に住み、あなたも手話で動物の「cat」を表現できる、でも、目に入ったC-A-Tは意味をなしません。これが読むことを学ぶ時、耳の聞こえない子どもが取り組まなければならない大変な道のりです。手話言語の知識は助けになりません。手話言語は意味を示す動きからできていて、書き言葉の英語とは違うからです。(p.64)

     言葉の基本は、人間を他の人間と結びつけることです。赤ちゃんの脳は、この進化の産物です。赤ちゃんの脳は言葉を受け身で学ぶわけではなく、社会的な応答と相互のやりとりがある環境でのみ学んでいきます。毛する人と赤ちゃんの間で相互にするやりとりが、言葉を学ぶことと、学ぶこと全体の鍵です。(p.70)

     自分はもともと「頭が良い」と思っている人たちが何かでうまくいかないと、自分の頭が悪い、誰かが自分をワナにかけた、あるいは、そもそもこれは自分にとって大事なことではない、と諦めます。一方、グリッドを持つ人たちが何かでうまくいかないと、初めてしてみたことだから、またなんども試してみようと、より真剣に取り組んでみるまでは諦めません。努力しさえすれば、たいていのことはできると信じているからです。(p.97)

    3つのT
    Tune In, Talk more, Take turns(p.128)

     言葉を伸ばす時には、子どもがすでに知っている言葉を使い、それを積み木のようにして、いっそう精巧な文章にしていきます。動詞を加えたり、形容詞を加えたりする方法です。

     たとえば、「このアイス、おいしい」は、「このいちごアイスはとてもおいしいね。だけど、すごく冷たい!」になります。(p.142)

     子どもの知的な可能性に対してプラスの影響を与えることなど自分には何もできない、そう保護者が信じていたら、知的発達にとって必要な助けを子どもが受けられる可能性は低くなるでしょう。ここが一番の問題です。(p.193)

     日本には、言語環境の貧困問題を、解決に導く機関や人的資源もあります。日本には、母子・父子手帳、新生児訪問、4ヶ月検診という素晴らしい母子保健システムがあります。また、全国約7000箇所に、未就園の親子を支援する子育て支援センターが設置されています。また約2万8000箇所の保育園・こども園を0〜3歳の子どもと親の多くが利用しています。(p.254)

  • 2018.07.03 HONZより 子どもと話した量により、3歳時点での語彙数に決定的な差が生じる。
    2018.07.17 予約

  • めも: cocklear implant activitations @YouTube

    ---

    大人から0〜3歳児の話しかけ(3つ+1つの「T」)は、9歳頃の学力、その後の進路等々に影響するので、その時期の親子双方に働きかける支援をしていこう、という感じの話。
    両親揃ってれば順調に育つとは限らない、ストレスの強い環境下では発達が阻害される、というのはたぶん他でも出てる話だとは思うけど、これも重要な視点だと思う。
    途中からメモ魔よろしく引用メモをつけまくってしまった。日々の生活でも意識していきたい。

  • 赤ちゃんの「脳をつくる」プログラム、3000万語イニシアティブの事が分かる本。
    大人になった時の「頭の良さ」は、赤ちゃんの時の言語環境、つまり3歳までにどのように話しかけられたかによって、その成長度合いが決まってしまう、ということらしい。そのことが、科学的知見に基づいて解説されている。また、適切な保護者の「話しかけ」方なども紹介されている。

    手に取った方には、解説と訳者あとがきから、まずは読まれることをお勧めしたい。日本の現状を踏まえた本書の背景を知ることができる。
    私が気になった、英語文化と日本語文化の違いについても、きっちり解説されていた。
    それにしても、言葉を操るのに比較的Tune-Inが必要と思われる日本語を育てる環境が、国をあげて「貧弱」な方向に向かっている現状は、悲しい限りだ。おとなにきちんと話してもらえる子どもが一人でも増えることを、心から望む。

  • 0歳から3歳までの言語環境ってすごく大切なんだな、保育所ちゃんと選ばなければ…勉強になりました。

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著者プロフィール

シカゴ大学医学大学院・小児外科教授。同大学小児人工内耳移植プログラム・ディレクター。3000万語イニシアティブ Thirty Million Words Initiative(http://tmwcenter.uchicago.edu/)の創設者兼ディレクター。このイニシアティブに先立っては、自身が関わった患者が社会経済的に恵まれない環境にあったとしても、聞き、話す能力を十分に発揮できるようにと創設した Project ASPIRE(http://project-aspire.org/)のディレクターでもある。

「2018年 『3000万語の格差』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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