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Amazon.co.jp ・本 (376ページ) / ISBN・EAN: 9784750351230
作品紹介・あらすじ
悪意の有無に関係なく存在する偏見、バイアス。それがいかにして脳に刻まれ、他者に伝染し、ステレオタイプを形作っているかを知ることなしに人種差別を乗り越えることなどできない。米国の学校・企業・警察署の改革に努める心理学者が解く無意識の現実とは。
感想・レビュー・書評
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Eテレで放送された「人種差別をなくす実験授業」(2019・英)を見てすぐのタイミングで読んだので、「あなたの肌が何色でも関係ない!」というカラーブラインドネスが差別を見つかりにくくし、かえってなくさないことなど、より深く考えられた。
非常にわかりやすく、歴史の解説や理論的な部分と著者と様々な人との実際の話のバランスも良かった。
警察でのバイアス指導、刑務所での受刑者への授業、白人至上主義・反ユダヤ主義のデモ隊と反デモ隊の衝突で死亡者の出た大学の訪問。
その中に、自らが体験して来た差別(著者は黒人女性)も語られる。
語られる話は胸の痛むものばかり。
私は人種差別をしない、と思っていたらそれはもう間違いで、社会的に既にバイアスは形成されていて、黒人自身でさえ、黒人を犯罪と結びつけるバイアスを無意識に持っている。
私にはバイアスがある、という自覚から始めないと何もできないのだろう。
読んで良かった、再読したい。
現在の日本の状況と重ねての高史明さんの解説もとても良かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
バイアスも社会レベルになると、とてつもなく大きな問題を引き起こすと実感。
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とにかく情報量が多い。ずっと衝撃の連続でした。
ゆっくり時間をかけて一章一章読んでいきたい本です。しっかり理解したい内容でした。
日本での外国人差別、在日韓国人差別と関連づけて考えられる内容です。 -
「わきまえておられる」森発言で日本でも一気に知名度の上がった「無意識のバイアス」。あそこまで稚拙な例は滅多にみられるものではないが、日本では主にジェンダーバイアスについて意識させられることが多いと思う。本書は人種問題を中心に研究してきた著者による「バイアス」全般の本であり、当然話題の中心は人種バイアスである。
報道を通してアメリカの人種バイアスに対する予備知識はある程度持っているつもりだったが、初めて知り衝撃を受けた内容も多かった。特に強く印象に残っているものが三つある。
まず一つ目は、「バイアスの伝達」におけるメディアの影響を調べた実験。黒人の登場人物がパワフルでポジティブな役を演じているような人気テレビ番組(=黒人がステレオタイプな悪役ではない)においてでも、白人の俳優が画面上で、他の白人の俳優に対してよりも黒人の俳優に対しての方が否定的な反応をする傾向があるということがわかっている。それを実際に11本の人気番組で調べた結果、黒人に対してより否定的な身体的表現を含む場面を視聴することで「バイアスの伝染」が起こっている証拠が得られたというのである。その番組の中には私がよく観ている「グレイズ・アナトミー」が含まれていた。このシリーズは人種バランスにかなり気を配った配役の印象があり、舞台となっているシアトルという街のイメージアップにもつながっているのだろうかと常々思っていたので、意識下ではそんなことが?と非常に驚いた。リチャードとか理想の上司っぽく描かれているし、ジャクソンに至ってはめっちゃ王子様っぽい扱いなのに。ショック。
二つ目は、人種を分断する住宅事情について。黒人の多い地域、というような言い方はドラマでもよくされていたので、1960年代まで人種差別的な住宅政策が合法だった名残が少し残っている程度なのかと思っていた。しかし現代でも、例えばある売家の前の住民が黒人か白人かで見積価格が大きく変動するようなバイアスが存在する。それはその特定の住民がどうこうではなく、黒人が住んでいたような地域なら治安が悪く、公共サービスが少なく、いわゆる「荒れた」地域である蓋然性が高いという考え方があるからである。そのようなバイアスが存在する限り、人種を超えての不動産の流動性はなかなか高まらず、結局いつまでも人種は分かたれて住むことになる。人の動きの激しい都会では垣根は崩れやすいだろうが、田舎では50年ではまだまだ時間が足りないだろう。まだ先が長い話なのだと感じた。
三つ目は、バイアスはいつも同じように働くわけではないという話。精神的な負荷がかかる状況では強く作用することがあり、逆に、意思決定が適正に監督されていればバイアスも抑制されうるなど、コントロールするための知恵も研究されているのである。高ストレスが最も悲劇的に表出するのが、職務質問中の警官による黒人射殺事件であろう。日常的に身の危険を感じている警察官が、目の前の従順な職質対象者が「黒人男性」だというだけで暴力的な巨漢であるように感じられ、自らの人種的バイアスの暴走を許してしまい発砲する。しかしこのような高リスクの現場でも、警察官がボディカメラをつけたり行動方針を変えたりという様々な対策を講じることで、意思決定にバイアスを入り込みにくくすることが可能なのである。
アメリカではトランプ政権がやっと終わったが、白人至上主義勢力は衰えを見せていない。バイアスが高ストレスで活性化するという話を知ると、オバマ大統領に象徴される多様性の社会の到来により、アメリカ白人社会が「白人はアメリカではマイノリティになってしまうのではないか」という脅迫的ストレスに苦しむことで反動的バイアスが働いているようにも思える。
しかしもちろんバイアスは何者をも正当化しない。自分の中にあるバイアスはなんなのかを知り、それにとらわれず思考するためにはどうすればいいかを知ることでしか、本当の自由な意思決定はできないのである。すごく難しいことではあるが、仕組みを知っているかどうかだけでも到達の可能性は広がる。責任の持てる人間になりたいなら、是非一読を。 -
想像以上にやっかいな「黒人に対するネガティブな人種バイアス」の解消(「橘玲の日々刻々」(ZAI ONLINE)2022.2.24) https://diamond.jp/articles/-/297196
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ブグログで翻訳前が見つけれなかった。
原文で読んだので日本語訳は解らない。
無意識のバイアスについてもっと知りたいっておもってた時に読んだ本。全人類におすすめする。 -
人種差別撤廃を希求する人たちの戦いは,公民権運動でも実を結ばず,21世紀になっても終わらない。
多様な人種を抱えるアメリカ,幼いうちから人種差別を悪とする教育を行っているはずなのに,なぜ未だにBLM運動が起こるのか。
人間が持つ「バイアス」がいかに公正な判断に影響を及ぼしているか,多数の研究結果をもとに論理的に説明しています。
本書を読み進める中で,自分の意識下・無意識下に存在するバイアスが掘り起こされてきます。 -
SDGs|目標10 人や国の不平等をなくそう|
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/756932 -
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堅苦しい専門書ではなく、潜在的なバイアスについての入門書、もっと言えば社会心理学者エッセイというくらい読みやすい。
自身が差別を受けた経験だけでなく、その逆の視線に立った体験も、驚くほど率直に書かれており、それはこうした分野の第一人者となった今でも活性化する、手強い闘いでもある。
特に中盤以降で綴らけるエピソードが感動的で、数十年後に判事に謝罪した数学教師、赤ペンだらけのレポートが返ってきた時の受刑者の嬉しそうな反応など、各章の構成も見事。
自動的に反復され、想起され、日常化した関連付けにいかに無自覚かわかる。
「成長する力は、実用的な真実を求め、思考を巡らせ探求しようとする意欲から生まれる」 - 繰り返し息子とのエピソードが綴られるのも、本書がこれから人種的認知の標的に晒される我が子に送る羅針盤の意味合いもあるのだろう。
時に、存在もしない脅威に立ち向かえとせかすテクノロジーに囲まれ、限界を超えた感情の嵐に巻き込まれ、極端なことしか見えなくなっているコロナ禍の中、「科学の価値は、一歩引いて見ることで、より大きな力の働きを調べることができる」ことだと気づかせてくれるのは、バイアスを押し返すきっかけを与えてくれる。 -
岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00610203
悪意の有無に関係なく存在する偏見、バイアス。それがいかにして脳に刻まれ、他者に伝染し、ステレオタイプを形作っているかを知ることなしに人種差別を乗り越えることなどできない。米国の学校・企業・警察署の改革に努める心理学者が解く無意識の現実とは。(出版社HPより) -
タイトルは 無意識のバイアス サブタイトルは 人は何故人種差別をするのか であるが 内容は むしろ逆で 人種差別について 個人的な体験を縦軸に バイアスを横軸に アメリカの今が 論考されている.翻訳はとてもよい.
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東2法経図・6F開架:361.4A/E13m//K
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全ての社会には、バイアスの対象となる不利な集団が存在する。その不利な立場が、それらの集団に対する想像上の欠陥を原因とする場合、我々の既存のバイアスは正当化されているように感じられる。こうしたバイアスは、それらを助長する格差を理解しそれに挑むまで、繰り返し生み出される。だからこそ、この格差を終わらせるための第一歩は、格差は避けられないという思い込みを捨てることなのだ。
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