難民・強制移動研究入門 難民でも移民でもない、危機移民があふれる世界の中で

  • 明石書店
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  • 本 ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750357416

作品紹介・あらすじ

避難場所を求めて国境を越える何百万もの人々の中で、誰に庇護の優先度を与え、それはどんな根拠によるべきか。倫理上の義務と知の探究を軸に、従来の援助動向と国際的な研究成果を辿り、混沌とする世界に対峙するための道標を示した、初の包括的な案内書。

感想・レビュー・書評

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  • 研究の重要性と社会的文脈
    難民問題は、紛争、経済的困難、環境変化など、複雑な要因によって引き起こされる。これにより、難民および強制移動民の研究は、国際的な人道支援、政策立案、及び社会的統合の重要な基盤となっている。特に、国際法や人権の観点からの分析が求められている。

    研究の発展
    1. 学際的アプローチの必要性
    - 難民研究は、政治学、人類学、社会学、経済学など、多様な学問分野との連携が不可欠である。これにより、難民の経験を多角的に理解することが可能となる。

    2. データの収集と分析
    - 効果的な政策を立案するためには、定量的・定性的なデータの収集が必要である。特に、移動の動機や移動後の生活状況に関するデータが重要である。

    今後の研究課題
    1. 気候変動と難民
    - 気候変動が難民の動きに与える影響を考慮する必要がある。特に、環境難民の増加や、災害による強制移動に関する研究が求められている。

    2. 政策と実践のギャップ
    - 難民支援に関する政策が実際の現場でどのように機能しているかを評価することが重要である。政策が現実のニーズに応えられていない場合、研究者はそのギャップを明らかにする責任がある。

    未来に向けた提言
    1. 教育と啓発
    - 難民問題に対する社会の理解を深めるための教育プログラムや啓発活動が必要である。これにより、受け入れ国の市民社会が難民に対してよりオープンであることが期待される。

    2. 国際協力の強化
    - 難民問題は国境を越える課題であるため、国際的な協力が不可欠である。国際機関やNGOが連携して、持続可能な解決策を模索することが求められる。

    結論
    難民および強制移動研究は、今後さらに重要性を増すであろう。複雑な社会的、経済的、政治的文脈の中で、難民の権利と支援の向上に向けた研究が求められる。研究者は、学問的な探求とともに、人道的な視点を忘れずに取り組むことが必要である。

  • 東2法経図・6F開架:369.3A/Ko38n//K

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著者プロフィール

大東文化大学名誉教授。専攻、難民・強制移動研究。1973年東京外国語大学インドシナ科卒業、1977年同大学院修士課程修了。その後、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)タイ駐在プログラム・オフィサー、英オックスフォード大学難民研究所客員研究員、スイス・ジュネーヴ大学国際関係高等研究所客員研究員、大東文化大学国際関係学部教授などを経て、同大学名誉教授。主要著書に『「難民」とは誰か――本質的理解のための34の論点』(明石書店)、『彷徨するグローバル難民政策――「人道主義」の政治と倫理』(日本評論社)、『変貌する「難民」と崩壊する国際人道制度――21世紀における難民・強制移動研究の分析枠組み』(ナカニシヤ出版)、『国際強制移動の政治社会学』(勁草書房)ほか。編著に『「難民」をどう捉えるか――難民・強制移動研究の理論と方法』(慶應義塾大学出版会)、共編著にUrban Refugees: Challenges in Protection, Services and Policy (Routledge)ほか、がある。

「2024年 『難民・強制移動研究入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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