小農経済が変える食と農 労働と生命の再生産 (グローバル時代の食と農 5)

  • 明石書店 (2024年10月24日発売)
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本 ・本 (180ページ) / ISBN・EAN: 9784750358352

作品紹介・あらすじ

ロシアの小農を対象に独特の体系を作り上げたチャヤノフの理論に基づき、小農の特性と多様性と柔軟性を重視するその論理を、技ないし芸術性に注目して現代の視座から再評価する。小農的農業が現代の行き詰った食と農のあり方を乗り越える鍵であることを示す。

感想・レビュー・書評

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  • 東2法経図・6F開架:611.7A/P73s//K

  • 小農経済が変える食と農――労働と生命の再生産 (グローバル時代の食と農)

    文書の内容まとめ
    この文書は、小農業の重要性とその再評価に関する理論を中心にしており、チャヤノフの理論を現代の文脈でどのように活用できるかを探求しています。以下に、文書の主なポイントをまとめます。

    1. 小農業の意義
    小農業は、地域社会において経済的に重要な役割を果たす。
    自給自足的な農業は、持続可能な農業の実現に寄与する。
    小農的な生産方法は、地域の文化や技術を反映し、特有の知識と技能を生み出す。

    2. チャヤノフの理論
    チャヤノフの理論は、19世紀ロシアの小農に基づいており、農業の多様性と柔軟性を重視。
    彼の理論は、農業における「自己資源基盤」の概念を強調し、内部資源の利用を促進する。
    チャヤノフは、農民が経済的な圧力にどのように対応するかを分析し、主観的評価の重要性を指摘。

    3. 再小農化の動向
    再小農化は、農業の集中化に対抗する動きとして注目されている。
    西ヨーロッパでは、農民が内部資源の利用を見直し、外部資源への依存を減らす傾向が見られる。
    この動きは、持続可能な農業を目指す上での重要な手段とされる。

    4. 社会的関係と農業
    農業生産は、社会的関係と密接に結びついている。
    農業に対する搾取の問題は、経済的な不平等を生む要因となっている。
    農民は、意識的に自らの利益を守るために社会的な闘争を行うことが求められる。

    5. 知識と技術の重要性
    小農業は、地域特有の知識や技術を基に発展する。
    農民の経験的知識は、科学的知識と同様に重要な資源である。
    知識の共有やネットワークの構築が、農業の改善と発展に寄与する。

    6. 現代農業の課題
    新自由主義的なグローバリゼーションが進む中で、農業とその社会関係は大きな変化を迫られている。
    農民は、国際的な連帯を強化し、非政府組織や国際機関と連携を深めている。
    農業の未来を考える上で、地域の特性や農民の声を重視する必要がある。
    このように、文書は小農業の再評価とその社会的・経済的な意義について深く掘り下げており、現代の農業が直面する課題を明らかにしています。

    小農の連帯と階級形成
    小農は地域的なつながりを持つものの、国民としての結束が欠如しているため、階級としての利害を主張できない。彼らは自らを代表することができず、他者に依存する状態にある。
    小農が意志を共有し、共同の政治プロジェクトを持つことで、彼らは一つの階級を形成する可能性がある。これは、新しい国境を越える農民運動においても重要な役割を果たす。
    チャヤノフの研究とその影響
    チャヤノフの理論は、19世紀末から20世紀初頭のロシアの小農社会に基づいており、彼の研究は多くの後続研究に影響を与えている。
    彼のアプローチは、特に小農の特性や多様性を重視しており、現代の農業問題にも適用可能とされている。
    チャヤノフの理論は、主観的評価に依存していると批判されることもあるが、彼の見解は小農経営の重要な洞察を提供している。
    現代農業の課題と小農の役割
    現在の農業は、資本主義の影響を受け、企業型農業が主流となる中で小農的農業が持つ抵抗の力が強調されている。
    小農は、資本主義の解体を促進する可能性を秘めており、持続可能な農業の選択肢としての価値が再評価されている。
    地域の資源を活用した自給自足の農業が重要視され、地域経済の活性化にも寄与する。
    農業における効用と生産性
    生産性は、土地、労働、水などの資源を使用してどれだけ生産できるかを示す重要な指標である。
    効用は、生産過程から得られる総価値を意味し、農業における労働の質も重要視されている。
    小農的農業は、効用と生産過程のバランスを重視し、持続可能な方法で農業を営むことが求められている。
    結論
    この文章は、小農の社会的役割とその変革に向けた動き、チャヤノフの理論的枠組みを通じて、現代農業が直面する課題と可能性を探る重要な研究を提供しています。農業が持続可能であるためには、小農の視点や実践が不可欠であり、これらの要素を理解することが今後の農業政策や実践において重要です。

    【脱・下請けへの決断】 経営危機に直面した著者は、大手への卸売りに依存する従来の下請け体質では未来がないと判断し、BtoB(企業間取引)からBtoC(消費者直接取引)への大胆なビジネスモデル転換を決意。組織や経営方針の抜本的な改革に踏み切りました。

    【ブランド価値の創造】 下請け業務では見過ごされがちだった自社製品の真の価値を再認識し、リブランディングを実施。自社ブランド「CLASSE」を立ち上げ、海外デザイナーとの協業プロセスといった「ストーリー」を付加価値とすることで、品質に見合ったブランドイメージを構築し、顧客やバイヤーの心を掴みました。

    【世界市場への挑戦】 日本の高品質なものづくりは海外市場で通用するという信念を持ち、ミラノサローネなどの国際見本市の視察や各国の市場調査を積極的に行いました。特に北欧で学んだ「家具を長く大切に使う」文化に触発され、海外デザイナーとの協業を通じて国際競争力のある製品を開発し、世界26カ国との取引を実現するに至りました。

    【伝統技術と革新の両立】 日本の家具製造業が持つ「仕上げの技法、塗りのきめ細やかさ」といった伝統的な強みを活かしつつも、古い慣習や過去の成功体験に固執せず、時代の変化に柔軟に対応。CADやNC工作機械といったデジタル技術や最新設備への投資も積極的に行い、「伝統に縛られない」革新的なものづくりを追求しました。

    【組織風土の改革】 経営への参画初期に、仕事の役割分担の明確化、工場内の整理整頓、報告・伝達ルールの整備、従業員が納得できる給与体系への見直しなど、組織運営の基礎を固めました。また、策定した企業理念を朝礼での唱和などを通じて社内に浸透させ、従業員の意識改革を図りました。

    【開かれた工場と人材育成】 「常時見学可」とした工場見学制度は、外部の視線を取り入れることで従業員の整理整頓や品質・安全に対する意識を高める効果を生み、モチベーション向上にも繋がりました。ブランド力の向上は国内外からの優秀な人材獲得にも寄与。後継者育成ではコミュニケーションを重視したOJT方式を採用しています。

    【地域・社会との共生】 個々の企業は小規模でも、地域の地場産業が組合などを通じて連携すれば大きな力となり得ると考え、地域連携を重視。地元自治体とも良好な関係を築いています。さらに、子供向け家具ブランドの展開、地元産木材の活用、ラオスでの職業訓練支援など、多角的な社会貢献活動にも積極的に取り組んでいます。

    【失敗を糧に前進】 新しい販路の開拓や海外展開などの挑戦においては、百貨店での商談失敗、海外取引での詐欺被害、輸出先国との規格の違いといった数々の失敗や困難を経験しました。しかし、これらの経験から現場主義の重要性や挑戦し続けることの意義を学び、それを乗り越えることで企業として、また経営者として成長してきました。

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著者プロフィール

1950年生まれ。オランダ・ワーヘニンゲン大学(WUR)名誉教授。中国北京にある中国農科大学(CAU)人文開発研究学院(COHD)の非常勤教授を兼任。ファンデルプルフは長年にわたって調査および小農運動との連携にたずさわってきた。このため、ヨーロッパ、ラテンアメリカ、アフリカ、アジアの諸大陸にわたる広範な地域の農について非常に造詣が深い。著者は今もなお、小農的農業の再認識と強化にむけた地球規模の闘いに関与し続けている。チャヤノフ派の思想を拡げる作業は、この闘いの一部として位置づけられる。

「2024年 『小農経済が変える食と農』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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