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Amazon.co.jp ・本 (408ページ) / ISBN・EAN: 9784750358598
作品紹介・あらすじ
産む・産まない・産めないを、国家や医療、他者が管理しようとするこの世界で、「わたしたち」は自身の経験を語る。日本における中絶の歴史を振り返り、当事者の声と、支援者や研究者、取材者などの立場で様々な中絶を見聞きした人たちの声を収録。
感想・レビュー・書評
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中絶は女性の権利だと思いながらも日本でいかに権利が侵害されているのか、体験談からまざまざと見せつけられた。トランス女性の中絶という全く知らない世界の話もあった。女性と生理がある人、という表現には違和感があるのは否めないが、いろんな人がいるからこその表現に納得する部分もあった。
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信州大学附属図書館の所蔵はこちら→ https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BD09808105
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1941年、国民優生法が施行。人口1億人を目指す。女性は21、男性は25までに5人以上の子どもを生むことが奨励。
1942年、妊産婦手帳(今の母子手帳)がスタート。母子の死亡率を下げるために、妊娠したら役所に届け出、が決まりに。手帳があれば配給が優遇される仕組みに。
敗戦後、「質の悪い」人口を増やさないために、中絶を許可し、不妊手術を強制する優生保護法ができる。
1948優生保護法→1996母体保護法
優生保護法で中絶合法化
知的な人が中絶をし、そうでない人の子どもが増える逆淘汰の懸念
↓
強制的な不妊手術へ
中絶で人口を減らし、産児調節が「家族計画」と名前を変え、避妊方法が普及。「少なく生んで賢く育てる」「子どもは2人まで」という掛け声のもと、夫婦+子ども2人が「標準家庭」とされた。
70年代から、「水子の祟り」と中絶の罪悪感を煽る宗教ビジネスが増える。
ろう者の息子。
息子は子どもの頃、一生懸命に、身振り手振りで伝えようとしてくれたが、大人になってからは、しなくなって寂しい。でも、誰にも話してこなかった中絶の経験を話したほうがいいと背中を押してくれたのは、その息子。
中絶する権利を尊重しない現状の制度によって「罪」が生み出される。死体遺棄罪の保護法益は「死者に対する社会の敬虔感情」。死者は大切に扱われ、弔いを受けるべきであり、国民の一般的な宗教的感情や敬虔感情を害していないかが問われ、遺体を他者が見つけることが困難な状況をつくり、「隠匿した」とみなされれば有罪となる。 死体遺棄罪に問われた女性に検察官が「もっといろんなことを考える必要がある」と諭す状況。
1990年にイギリスで予期せぬ妊娠をした知人に「心配しなくて大丈夫。誰にでも起きること」と話す教員。コミカルな天井絵のある、スタッフが笑顔の病院の待合室。「日本でなくて良かった」とはっきりと持つ感覚。 -
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イシハ
産む・産まないを自己決定する権利があるとしても
国家や医療、他者が管理しようとするこの世界。この本の中で「わたしたち」は自身の経験を語る。日本における中絶の歴史、当事者の声、支援者や研究者、取材者などの立場で様々な中絶を見聞きした人たちの声を収録している。
沖田×華さんの「透明なゆりかご」もおすすめ -
静岡市女性会館図書コーナーの書誌詳細はこちら↓
https://lib-finder.net/aicel21/book_detail_auth?authcode=4KJQjByuDjRAK67vQQLHPw%3D%3D -
選書番号:507
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【本学OPACへのリンク☟】
https://opac123.tsuda.ac.jp/opac/volume/725437
本棚登録 :
感想 :

https://wan.or.jp/article/show/11703
<書評>『わたしたちの中絶 38の異なる経験』石原燃(ねん)、大橋由香子 編著:東京...
<書評>『わたしたちの中絶 38の異なる経験』石原燃(ねん)、大橋由香子 編著:東京新聞デジタル 2025年3月16日 有料会員限定記事
https://www.tokyo-np.co.jp/article/391933?rct=book