アフガン、たった一人の生還 (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ)

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  • Amazon.co.jp ・本 (446ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750509143

作品紹介・あらすじ

一人、また一人と仲間がやられていく
銃声は相変わらず聞こえていて、しかもだんだん近づいてくる。彼らは明らかにこちらに向かっている。おれはただ自分に言い聞かせていた──
動くな、息をするな、音を立てるな。
そのときだったと思う。
本当に完全に一人ぼっちなのだということを初めて身に沁みて感じたのは。
そして、タリバンはおれを追っている。彼らはもはやシールの小隊を追跡しているのではない。
おれだけをハンティングしているのだ。
(本文より)

感想・レビュー・書評

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  • 映画「ローン・サバイバー」の原作本。
    ただし、映画化されているのはかなりの抜粋部分。

    民間人を殺すと罪になる?その民間人がテロリストの手先だとしても?山上で出合った山羊飼いを見逃したことで、仲間3人と救助隊員のすべてが死んだ。究極の状況で何が正しく、何が間違っていたのか?米海軍特殊部隊の唯一の生き残りが記す戦場の真実と、国内リベラル派への痛烈な批判。


    テロリストが数多くいる地域でも、テロリストに味方しない人もいる。
    まず、それをきちんと理解しなければいけない。

  •  ネイビーシールズの戦記ものはいくつか読んだが、この著者のシールズ選抜訓練の状況が今までで一番よく分かった。
     シールズ隊員になるには肉体的な強さはもちろんのこと肉体的、精神的な極限状態のなかで、いかに心が折れることなく最善の行動が取れる人間でなければならないということである。
     そのような肉体的疲労、極度の睡眠不足等、人間がギリギリ死なない程度の極限状態を計算して作り上げる訓練をしている米海軍の凄まじさは感嘆すべきものがあった。
     映画「ローン・サバイバー」の原作でもある本書は映画で描かれなかった著者が善良なアフガン人に匿われた後のことが詳細に描かれており、当時のアフガンのタリバンの位置の複雑さなどが理解できた。
     一級の戦記ものとして一気読みできる。

  • アメリカ海軍のシールと呼ばれる特殊部隊のアフガニスタンでの活躍を描く。マスコミを気にしたため通りがかりの羊飼いを見逃したことからタリバンに通報され主人公を除く小隊の3人が戦死し助けに向かったヘリも撃ち落とされる。シールの過酷な訓練やタリバンとの壮絶な戦闘が迫真。ブラックホークダウンのアフガン版という感じ。

  • 映画『ローンサバイバー』原作。著者本人の体験談をYouTubeで観ることでき、著者の体験を書籍と本人の肉声とで聴くことがができる貴重な作品。己が信念を貫き、著者を助けた村の人々を思う。信念がいかに人を強くするのかと。チーズバーガーを見るたびにも思い出す。

    (※20191107投稿分)

  • タリバンと米軍の戦争がよく分かる。
    この本を読み、両国の争いはこの先も続くだろうと思った

  • うーん、これぞノンフィクション!という本だった。
    これは本当におすすめ!!
    気になるのは、グーラーブのその後。
    無事かなあ。

  • 戦争体験記として読み応えがあるのは言うまでもないけど、そこここにアメリカという国の政治的な思惑が見え隠れしているような気がしました。
    虚実皮膜。

  • 「タリバン幹部のひとりを排除せよ」。2005年6月27日、アメリカ軍は
    特殊部隊ネイビー・シールズ(本書では「シール」表記)4人を、まず
    偵察隊としてアフガニスタン・クナル州の山間部へ送り込んだ。

    偵察任務中に出会った3人の羊飼い。シールズの4人は迷う。この3人の
    羊飼いは一般の民間人なのか。それともタリバンに通じる者たちなのか。

    作戦本部に判断を仰ごうとするが通信状態が悪く通じない。現場で判断
    するしかない。4人が下したのは「解放」だった。それが彼らの命取りに
    なる。

    ネイビー・シールズ史上、最悪の出来事となった失敗した作戦の唯一の
    生き残りが、作家の手を借りて過酷な作戦の現場を綴ったのが本書だ。

    冒頭、作戦中に命を落とした仲間の家族を訪ねて彼らの最期を伝える
    マーカスの心情を考えると辛くなった。だが、そこからしばらくは一人前
    のシールズになる為の訓練と、過酷な訓練を潜り抜けて来た仲間たち
    との絆の強さの話が延々と続く。

    これが飽きる。「げ…何、この訓練。怖い、死んじゃう」と思いながら
    読んだのだが、「これでもかっ!」ってほどに続くのだ。190ページ
    近くも。もう、お腹いっぱい。

    そして本題。たった4人のシールズが、大量の火器を使用したタリバン
    に追い詰められてき、ひとり、またひとりと犠牲になって行く部分は
    「もう、やめてあげてっ!」と悲鳴を上げたくなるほどだ。

    そんな地獄とも言える一方的な攻撃から、唯一生き延びたマーカスは
    パシュトゥン族に匿われた後、アメリカ軍によって救出される。

    貴重な証言なのだろうと思う。しかし、読んでいる間ずっとそこはかと
    ない嫌悪感があった。それは全編に漂うマーカスの国のやることに
    疑問を持たず従い、国に命を捧げるのが当たり前という愛国心の
    せいかもしれない。

    兵士の仕事は戦場へ赴くこと。そこで一人でも多くの敵を倒すこと。
    分かっている。だが、何故、自分たちはここで戦わなくてはいけない
    のか…との疑問は微塵も抱かないのだよな。

    でも、これがアメリカ的な考えなのかもしれない。常に敵を必要とし、
    「強いアメリカ」を世界に見せつけたい国だもの。

    これでは憎しみの連鎖が止まるはずがない。アメリカだけが正しい
    なんてないんだよな。アメリカだっていろいろ間違ったとをしている
    のだもの。

    シールズになる為の訓練とその実戦については参考になったけど、
    私には少々気持ちの悪い部分が多かった。

  • もう、追い詰められて一人ひとり仲間が死んでいくところでボロボロ泣いた。自分だったら耐えられない(まぁこいういうところに行けるほどの力もないけれど)

    彼をかくまった村はどうなったのか。
    彼に最後までついて?きた銃はどうなったのか。

    しかしこういう生還者の言葉により、アフガンという国をなす、部族の特徴をきちんと把握することはとても大事なことだと思う。
    何をどうしたら。「また戦争かい?」という言葉が突き刺さる。

  • ヤンキー気質に溢れたアメリカ人が好きそうな話だ。

    それにしても前半の訓練風景は長過ぎる。

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