雑草に学ぶ「ルデラル」な生き方

著者 :
  • 亜紀書房
4.00
  • (6)
  • (5)
  • (2)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 61
感想 : 10
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750512334

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • PDF
    雑草哲学

  • ruderalとは、荒地を生きる植物を指す

    植物ちは3つの生き方がある
    1C競争型 コンペティティブ
    2Sストレス耐性型 ストレストレラント
    3R撹乱耐性型
    人)ジョン・フィリップ・グライム 英 生態学者

    法則
    戦わずして勝つ
    逆境を味方につける〜誰もが選ばない道を行く
    予測不能な環境にチャンスがある
    複雑な環境には多くの勝者が生まれる〜シンプルなルールだと強いものが勝つが、複雑だとチャンスがある
    オンリーワンはナンバーワンである〜ニッチは生物学用語

    戦略
    大きな相手とは小ささで勝負する
    チャンスをとらえてスピードで勝負する
    多様なタネでチャンスを広げる
    小さな成功を繰り返す
    自ら変化しても目的は失わない
    踏まれても立ち上がらない
    見えないところで力を蓄えて骨太になる

    ルデラルな生き方と日本人

  • 本書の中では、生き残れる強みのタイプとして3つのタイプを挙げている。

    一つは競争型、2つ目はストレス耐性型、3つ目は環境変化(ルデラル)型だ。

    競争型は、動物で言えばライオンのようなタイプで、直接的な競争に強いタイプ。
    植物でいえば、誰よりも高く伸びる木などがそれにあたる。

    ストレス耐性型は、サボテンのようなタイプ。
    ほかのものが耐えられないストレス環境に耐えることで勝つタイプだ。

    3つ目の環境変化型は、特に目を見張るような強みはないが、戦わずして勝つ戦略をとる。

    具体的には、刈り入れ後の田んぼなどにいち早く芽を出し、ほかの植物が来る前に根を張る雑草がこれにあたり、本書ではこの生き方が推奨される。

    雑草は、意外と強くはなく、先にチャンスを掴むことに特化した戦略をとるという。

    例えば、早く芽が出る種と遅く芽が出る種の二種類を同じ種子の中にいれておき、タイミングが合う方で芽を出したり、地上が厳しい環境のときは地下に根を伸ばしたりする。

    このようなしなやかさが変化の激しい現在社会を生き抜くうえで重要だ、と著者は言うが、確かにと思った。

  • 抜群に面白い植物学書であり!ビジネス書であり、哲学書でした。
    これね、色んな人に読んでもらいたい。
    雑草についての知識を得ることで、これからの生き方が変わって行くと思うし、変わった。
    悶々としていた日々と別れ、新たな一歩に進めりる気がしてきた。
    この本に出会えたことに感謝。

  •  葉と茎に柔らかさと固さを兼ね備え、踏まれてもしなやかにダメージをかわすオオバコ、のんびり屋とせっかち屋の種二つを持つオオモミ…。 
     弱者の雑草がしたたかに強く生きる様を雑草生態学専門の農学博士がユーモラスに語る。キーワードはルデラル。競争社会で歯を食いしばり頑張るだけが雑草魂ではない。今の時代こそあえて小さく、そして多様に…逆境をも味方につけるその戦略は、人間の新たな暮らし方を示唆してくれる。

  • 「競争型」でもなく「ストレス耐性型」でもない「ルデラル型」。多くの雑草がそうであるらしい。彼らの生き残る戦略はしなやかでしたたかでヒントがいっぱい。読みやすいけれど気付きの多い良書でした。

  • 「ルデラル」とは、荒れ地を生きる植物のこと。道端などでよく目にする雑草がその典型だ。予測不能の変化を好み、逆境を味方につけ、あるときは耐え忍び、あるときは速攻で仕掛ける。厳しい自然界で生きるための「弱者の戦略」を紹介する。

    I ルデラルの法則
    II ルデラルの戦略
    III ルデラルな生き方と日本人

  • 『ルデラル』という言葉を知っていますか。自然界は弱肉強食。植物の世界では、日々枝や葉が光を奪い合い、見えない土の中では根が栄養分を奪い合っています。
    そんな自然界でも、小さく弱い弱者である雑草が生き残っているのは何故か。それが『ルデラル』という言葉に隠されています。逆境、チャンス、私たちの生活に起きる様々な出来事に立ち向かうための助けとなる言葉です。

  • ■書名

    書名:雑草に学ぶ「ルデラル」な生き方
    著者:稲垣 栄洋

    ■概要

    本当は弱い雑草が、なぜ強く見えるのか?雑草に学ぶ、変化と逆境
    を味方につける方法。 ◎雑草に学ぶ「法則」の数々をイラスト付
    きで分かりやすく解説
    (From amazon)

    ■感想

    目的を見失わない事が大事なんだな~と改めて感じた。
    結局、何を目指すか?がブレないことで、自分がこだわる場所が
    見えてきます。

    「大切なのは立ち上がる事ではなく。種を残す事。」

    これが全てだと思います。

    目的を見失わないことが前提で、この本は書かれていると思います。

    この軸があって、初めて、ここに書かれている事が生きてくるよう
    に思いました。

    また、問題は、ここに書いてあることがどうやったら出来るか?と
    いう部分だと思います。

    戦場を見つける能力、忍耐と責めを見極める能力など。
    こういう能力が必要と書かれている本は多いともうけど、どうすれば
    こういう能力を身に着けられるのか?という部分を記載している本
    はあまりない気がします。

    ■気になった点

    ・オンリーワンはナンバーワンである。

    ・「強さ」の定義は、戦場で変わる。

    ・時期がくるまで準備は怠らず、チャンスと見れば一気呵成に行動を
     開始する。

    ・小さい目標を確実に積み重ねる事が大事。

  • ■雑草戦略

    A.1 つのニッチ(ある生物種が生息する範囲の環境)には1 つの種しか棲めない。すなわち、どんな生物であれ、ナンバーワンにならないと生き残れない。よって自然界では、自分がナンバーワンになれるニッチを何が何でも探す必要がある。

    B.多くの雑草の種子が、不測の事態に備えて、発芽のタイミングにバラツキを持たせている。そうすることで、生き残るチャンスを広げている。

    C.雑草は踏まれたら立ち上がらない。地面に伏せている。雑草にとり最も大切なのは、花を咲かせてタネを残すことだ。それゆえ、踏まれた時に立ち上がるといった無駄な努力はしない。

全10件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

稲垣 栄洋(いながき・ひでひろ):1968年静岡市生まれ。岡山大学大学院農学研究科修了。農学博士。専攻は雑草生態学。農林水産省、静岡県農林技術研究所等を経て、静岡大学大学院教授。農業研究に携わる傍ら、雑草や昆虫など身近な生き物に関する記述や講演を行っている。著書に、『身近な雑草の愉快な生きかた』『身近な野菜のなるほど観察録』『身近な虫たちの華麗な生きかた』『身近な野の草 日本のこころ』(ちくま文庫)、『植物はなぜ動かないのか』『雑草はなぜそこに生えているのか』『イネという不思議な植物』『はずれ者が進化をつくる』『ナマケモノは、なぜ怠けるのか』(ちくまプリマー新書)、『たたかう植物』(ちくま新書)など多数。

「2023年 『身近な植物の賢い生きかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

稲垣栄洋の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×