英国一家、日本を食べる (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ)

制作 : 寺西 のぶ子 
  • 亜紀書房
3.71
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本棚登録 : 2096
レビュー : 277
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750513041

作品紹介・あらすじ

●内容紹介
デパ地下の夕張メロン、思い出
横丁の焼きそば、相撲部屋のち
ゃんこ、道頓堀のお好み焼き、
札幌ラーメン、博多ラーメン、京
都の鯖鮨、那覇の紅芋アイス、
鯨の刺身、生タラバ……。日本
の食の現場を「食いしん坊」と
「ジャーナリスト」の眼で探し、
見つめ、食べまくったイギリス
人による異色の食紀行!

●食べ歩きスポット
東京・両国「吉葉」、銀座「壬生」、新宿「樽一」「忍者屋敷」、日本橋「タパス モラキュラーバー」、「ビストロSMAP」収録スタジオ、代々木・服部栄
養専門学校/新横浜「ラーメン博物館」/札幌「ラーメン横丁」/京都・西洞院「麩嘉」、東山「菊乃井」「いづう」、南禅寺「奥丹」、伏見「玉乃光酒
造」、貴船「ひろ文」/大阪・道頓堀「ぷれじでんと千房」「だるま」、九条「大阪味噌醸造」、北新地「カハラ」、池田「インスタントラーメン発明記念
館」、阿倍野・辻料理師専門学校/福岡・博多「一蘭」「ふくちゃんラーメン」……他、多数収録

感想・レビュー・書評

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  • どうせ、外国人の日本食食べ歩きなんでしょ、と期待せずに手に取ると、冒頭で日本について書くときの制約リストとして、

    ・日本のトイレのテクノロジーの複雑さについて面白おかしく話さない
    ・ゴスロリのティーンエイジャーにこっそり近づいて写真を撮らない
    ・夜の都会を言い表すときに『ブレードランナー』を連想しない。

    なんてのがあり、いきなり笑う。
    過剰なほどの(つまらない)ギャグにまみれ、英国人のシニカルな見方ってこうだろうなあ、と思う日本への視線、そしてあまりにも詳しい日本食への記述…これは、イザヤ・ベンダサン的な外国人の名前を騙った日本人ではないのだろうか??とずっと疑っていた。が、スコットランドをディスる記述で、あー、こんなこと書けるのって英国人だろう、と納得。

    外国人から見た日本料理っていうのは非常に面白い。外国のクックパッドみたいなサイトで、イタリア人やポーランド人の作るお好み焼きやちらし寿司のレシピを見て面白がっていた。その「外国人目線の日本食」の集大成みたいな本。天ぷら、懐石から、大阪の串カツ、思い出横丁の焼きそば、味噌ラーメンから流しソーメンと多岐にわたる。
    大阪のお好み焼きに感動し、京都の流しそうめんには幻滅し、北海道ではカニをもっと食べればよかったと後悔する。京都でゲイのホストにつきまとわれ、相撲部屋の冷蔵庫をこっそりのぞきケーキもチョコレートもないのにがっかりし、東京の天ぷらや(たぶん「みかわ」)ではスコットランドの「マーズバーフライ」を説明して怪訝な顔をされる。

    「食感のバリエーションとコントラストは、今回の日本食べ歩き旅行で得た最大の発見だった。」(P 194)との感想にあらためて納得。
    そういえば、外国のレシピサイトで、コーヒーゼリーが日本発祥だと知った。そこでは「日本人は味のないゼリーに甘い蜜をかけるんだぜ!」との驚きが書かれていたが、これって、葛切りの発想。
    つまり、「食感」と「味」を分けて味わう食べ方。さらに蕎麦になると「香り」が加わる。
    この「食感」「味」「香り」を別々に味わうというのを先鋭的にやったのが、ファロンの「エル・ブジ」なんだろう。

    テリー・ギリアムで映画化希望。主演はもちろんマイケルペリン。テリー・ギリアムのアニメーションを混ぜながら。

  • 話題であった一冊、店頭にて。
    イギリス人家族による日本の食・再発見の旅、でしょうか。

    北は北海道から沖縄まで、文字通り日本縦断な感じで。
    東京、京都、大阪、食べたことの無いモノのてんこ盛り。

    語り口はちょいと辛口というかシニカルで、
    合う合わないあると思いますが、、個人的にはスルッと。

    日本人だからこそ発見できない世界を、
    教えてくれるのかも、、なんて考えると、面白く。

    一元さんお断りの世界から、いわゆるB級グルメまで、
    日本食の世界も、なかなかに奥深いのですよ、なんて。

    日本人が忘れている日本を教えてくれる、そんな一冊です。

    • だいさん
      >日本人が忘れている日本を教えてくれる、

      こんなの、あたりまえジャン!っていうのありますよね。
      見方を変えて再発見したいものです。
      >日本人が忘れている日本を教えてくれる、

      こんなの、あたりまえジャン!っていうのありますよね。
      見方を変えて再発見したいものです。
      2014/08/23
    • ohsuiさん
      外から見てあらためて、ってありますよね~
      外から見てあらためて、ってありますよね~
      2014/09/04
  • 8月の成田空港に英国人一家が降り立った。
    食べ物ライターのマイケル・ブース、妻のリスン、息子のアスガーとエミルは6歳と4歳。ここからブース一家の日本の料理経験の旅が始まった!

    ご本人の文章が上手いのか、翻訳者さんの日本語の選び方が上手いのか、かなり読みやすかったです。
    日本の事は全く知らない、ということで来日前には
    ・日本人の身長をネタにして笑いません。
    ・トイレについて面白おかしく言いません。
    ・正しくない英語の表記をバカにしません。
    とか書いていますが、日本人はそれらは言われ慣れてるから、別に笑ってもいいですよ(笑)

    かなり名の効くライターさんなのでしょうか、来日してからアポ取って、一流店や料理人に会い、テレビ番組ビストロスマップの収録を見学し、相撲部屋で力士とちゃんこ鍋突いたり…と、普通の人では出来ない食事ツアーをしつつ、
    家族連れのため息子たちと一緒に日本独自のドックカフェとやらに行ってみたり…と、
    公私の目線が面白いです。

    最近は日本でも海外の観光客を見かけましたが、果たして日本人以外の人に日本の料理が美味しいの??と思っておりました。甘辛い醤油だれ、味噌汁と暖かいご飯に焼き魚という基本的和食、1つの鍋を複数で突くという食べ方、そういうものが日本人以外でも美味しい楽しいと思うのか??
    …とりあえず軟骨焼き鳥、流しそうめんという食べ方、魚の目を突いて食べる、などは子供たちには大受けしたようです。なんか安堵した(笑)

    食べ物や習慣の説がなかなか面白く、
    流しそうめんは「山の上から流れる川に素麺という細いヌードルを流す、客は川に船を浮かべてそれをつまみ上げる…、…と思って実際に行ってみたら離れたところから樋に流すだけだった」とか、
    お好み焼きは「パンケーキにキャベツやシーフードなどを入れたもの」など。
    日本人読者はを知って読むので「海外の人たちはこう思っているのか」ということで楽しめるのですが、
    海外の読者は「この食べ物はなんて奇妙なんだ??」と思いながら読むのだろうか。

  • フードジャーナリストのマイケルが家族を連れて、日本を食べ歩く。
    東京、北海道、京都、大阪、博多、沖縄。
    日本人でも把握してない、日本食の歴史や意味。
    イギリス人のマイケルを通して知る事が沢山ありました。

    食べる事に限らず、外国人から見た日本という国の表現も面白かった。

  •  読了。フードジャーナリストの著者が妻と2人の子供を連れて、北は北海道南は沖縄まで日本の色々な伝統的料理、モダンな料理等を食べ比べ、その背景にある精神まで徒然に思いを巡らせる食紀行。所々のエスプリが利いたジョークがいかにも英国人らしいw
     鯨や麸等、著者にとって初めて食べるものも多く、外国人的にはその味や食感がどういうものか表層的に、というか具体的な舌のフィーリングをもって書かれているのがとても面白い。内容詰め込みすぎて、やや本人の日本や日本料理に対する持論が少なくレポばっかになっていたのは少し残念だった。
     概ね満足で面白いエッセイではあったが、一点物凄く残念なことが。オリジナルの英語版目次を読んで分かったが、著者はいわゆるグルタミン酸調味料の日本食の近代化に関する功罪について、自分の前職の会社に乗り込んでインタビューしたらしいが、その章は日本語化された際に削除されていたという………
     この内容は物凄く興味があるので、読む為だけに英語版を買うまである。せっかく好奇心を満たすような面白い本なんだから、無駄な手は加えずなるべく原著の楽しさをそのまま日本人にも伝わるようにするのが編集の仕事だろうに。必要以上の日本人の主観が入るのは本書の特性上ナンセンスだろう。

  • 「和食」というテーマで日本について書かれている本を探していて読みました。
    外国人の視点から描かれているエッセイとして、とても読みやすく仕上がっていると感じます。

    伝統的な懐石料理からお好み焼きやラーメンのようなジャンク(?)フードまで、また酒や醤油、味噌などの調味料についても蔵元に話を聞いたり、服部幸應氏や辻芳樹氏といった日本料理界の重鎮と話をしたりするなど、筆者の人脈の広さと取材力には驚かされます。
    外国人ならではの視点を通して、「日本」という国やそこで食べられている料理(≒「和食」)、またその料理をはぐくんできた価値観や文化などを改めて感じることができました。

    また外国人から見た日本文化についてのエッセイとしてだけではなく、旅行記としても十分に楽しむことができます。筆者が特に印象を強く持った店(レストランや料亭、ラーメンミュージアムのような食のテーマパークを含む)は実名で紹介されていますし、東京・京都・大阪・札幌・沖縄と日本の様々な地域を訪れており、情報も多岐にわたっています。
    一方で、「和食とは」という視点で知識を(系統立てて)得よう、という目的にはそぐわないかもしれません。

  • この本は、フランス人トラベルジャーナリストであるマイケル・ブースが家族とともに日本を訪問し、日本の食文化を体験したときの旅行記です。

    食べる対象は、ちゃんこ、てんぷら、クジラ、みそラーメン、カニ、昆布、麸、流しそうめん、棒鮨、日本酒、豆腐、おでん、お好み焼き、串かつ、うどん、とんこつラーメン、黒糖、さつまいも、ゴーヤなど日本全国を食べ歩き、なかなかにうまそうなのである。

    著者は、「ミシュランの星を獲得したレストランをことごとく回ったせいか、ウエストの回りにミシュラン社のタイヤをはめたみたいな体型になってしまった。(P15)」と言っているが、自分もお腹周りがミシュランタイヤみたいになってもいいから、こんなにうまそうなものを食べてみたいものだと思った。

  • ガイジン一家がスシとかタコヤキ食べてワーオ!というぬるい本だろうと思って読み始めたら、書き出しの1行が、
    「ふん、そんなにデブってるんじゃ、自分のあそこだって、もう何年も拝んでねえだろ!」
    あ、違うかもしれない。ちゃんと読もう。

    日本に対するリスペクトは感じられるが、それは相手が日本だからではなく、世界に対して著者が持っているごく健康的で穏当な視座なのだろう。ゴマはすらない。そもそも日本ならなんでも好きとか、なんでも嫌いとか、そういうステレオタイプな視点は本書にはない。自称日本大好きガイジンが日本人向けに書いた、「鏡よ鏡、世界で一番美しいのはだーれ?」的なオナニー本じゃないから、その点はご安心を。
    それもそのはず、本書の原題は「Sushi and Beyond: What the Japanese Know About Cooking」。つまり英語圏の読者むけに書かれた本で、日本に阿る理由はもともとないのだ(だからゴマすらない、という意味ではない)。

    ガード下の焼きそば、相撲部屋のちゃんこ、天ぷら、クジラ、流しそうめん、豆腐に鯖寿司、ゴーヤチャンプル、ラーメンとカニ、ビストロSMAPに味噌にタコヤキ、会席料理に辻調理師専門学校。3ヶ月にわたって著者が食べ歩いた「日本料理」はなかなかの圧巻だ。気に入ったものも、イマイチだったものもあるらしいが、著者は「美味い」「まずい」で片付けることはない。また料理をもってへんてこりんな日本哲学みたいなものを編み出すこともない。ただニュートラルに、好奇心に瞳を輝かせ、よだれ垂らして席に着く。そういえば、日本人はせっかちだとか、右にならえだとか、几帳面だといった、きいたふうな文明批評が出てこない日本の本というのは初めてかもしれない。
    たぶんこの人は、フランスに行っても、中国に行っても、その姿勢は変わらないのだろう。人や食べ物を、国籍やカテゴリではなく、その人、そのものとして相対するそのスタイル。
    薬味の効いた語り口も快調。著者と一緒に3ヶ月の日本を堪能した子供たちの一番のお気に入りはテンプラでもスキヤキでもなく、来日中に何度もリピートした「ドックカフェ」だそうだ。わはは。

    その彼が「体が震えた」「身体中の毛という毛が逆立った」と書く「究極の料理店」。食べてみたいなあ。

  • アニメ化された作品を先に見て「原作はどういう感じだろう?」と気になっていたのと、欧米人の日本食レポの資料として手に取った。

    タイトルのとおり、英国人のファミリーが来日して日本で食事をし、お父さんである著者がそれをつづった本。日本に滞在する外国人で、お金に不自由しない人が食べられるものをひと通り召し上がっている。天ぷらや豆腐よりもラーメンやお好み焼き、串カツを取り上げた章ほうが何となく「うひゃあ、美味い!」と筆が弾んでいる印象を受けるので、基本的に、味が濃いもののほうが(日本ネイティヴを含めて)全世界的にわかりやすいんだろうなと感じる。

    こういう食レポでは日本の食材をほめちぎることが求められている面もあるだろうと思われるのでそこは割引き、文面の端々に顔を出す「イギリス人っぽさ」を拾っい読みしていくと面白かった。料理の印象だけではなく、材料や製法、そのお料理・食材をめぐる問題も記しているところが、帯にあるように英国高級紙で評価を高く得たところでもあるのだと思う。世界的な論議の的となって久しいクジラだとか、男性とのフォーマルな食事のあとに女性のいるお店に行くことであるとか、そういったギャップをどう感じているかというところに興味が行った。私にはそうそうない機会だけれども、英語圏の人を食事にアテンドするときのテキストにもなりそう。個人的には、色のついたそうめんが流れてくると流しそうめんは終了するというルールを知れてよかった。

    それにしても、アニメ版は手際よくこのエピソードをまとめているなと感心した次第でございます。

  • 日本にン十年住んでても食べられない物を短期間でよくここまで!
    一見さんお断りの高級料亭に外国人ジャーナリストだからってするっと入れちゃうのはちょっとうらやましい。
    もっと庶民的な食べ物も含めてバランスよく日本の食を紹介してくれていると思います。
    そして坊やたちが焼鳥気に入ってくれて何よりです。

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著者プロフィール

英国サセックス生まれ。トラベルジャーナリスト、フードジャーナリスト。2010年「ギルド・オブ・フードライター賞」受賞。パリの有名料理学校ル・コルドン・ブルーで一年間修業し、ミシュラン三つ星レストラン、ジョエル・ロブションのラテリエでの経験を綴った"Sacre Cordon Bleu"はBBCとTime Outで週間ベストセラーになった。

「2018年 『英国一家、日本をおかわり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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