女子の遺伝子

  • 亜紀書房
3.70
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本棚登録 : 420
感想 : 52
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750513072

作品紹介・あらすじ

私たち、もっと、楽しく、心も体も、しんから楽しく生きたいんです。
「子どもは1歳までに、母親が子どもにどう接したかで、その子の人格形成の核の部分が決まる」、これはよしもとばななさんの父である吉本隆明氏の持論だった。赤ちゃんは母親の無意識から大きな影響を受けるので、母親が安定していないと、この世に生まれてきたことの安心感を得られないのだという。現在の20代、30代の女性たちは、鬱病、生理不順などの心身の不調や、漠然とした見捨てられ不安を訴え、どこか内向きで、自信なさげである。急激な近代化を生き抜いた70代、80代の女性たちに育てられた40代、50
代のお母さんたちは、とっても真摯に、世の中の役に立つ立派な娘を育てようとした。それは間違いではないけれど、それは女子として、幸せなことなの? 
母子保健の研究者である三砂ちづるさんと、世界的作家であるよしもとばななさんが、自らの妊娠、出産、おっぱい、両親との関係、子育てなどなど、自らが現代に生きる女たちのロールモデルとなるべく、すべての女性に向けて語り合った。

感想・レビュー・書評

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  • ばななさんのエッセイが好きだ。
    そんなつながりでこの本を手にとった。

    三砂さんとの対談で進んでいくこの本は
    ばななさんのエッセイとはなにかが違った。

    出産経験の有無で受ける印象がずいぶん違うものになると思う。
    わたしには経験がないので
    現実過ぎる話がきっと吸収できなかったのだろう。
    読みながら「そうなのね」「そうなの?」が
    頭のなかで繰り返されていた。

    タイトルからまさか出産云々の話だとは思わず
    けれど興味深い話もあり、結局読了した。

    「赤ちゃん」て、すばらしい。
    生命力のかたまりだもの。
    存在だけで見知らぬ人たちまで癒す。
    (わたしはすれちがう赤ちゃんたちに癒されている(コワイ?))

    そして三砂さんという女性もまた生命力に溢れている。
    そういうものを少しばかりは身につけたいと思う。

  • エッセイ系はあまり読まないんだけど、女子の遺伝子、というタイトルがいいなと思い手に取ってしまった。対談だけど。女性の生き方が多様化する一方で結局そのシワ寄せみたいなものを女性(とこども)たちが一番感じている今、何が良いのか何が悪いのかってよく分からないけど、やっぱり無理があるんじゃないかという気がしてくる。というか、全面的に「なるほど、そうかもなあ」と思いながら読んだ。生涯男よりも働いて生きていきたいと思っても、結局体は女なので、仕事にもよるかもしれないけど、向いていないわけで。反対に子育てなんかは、イクメンとかいうワードを作ってみても、男がやるとそれは、おむつ替えるとかミルクあげるとかいうタスクをこなしていくみたいな、仕事に近いものになるんだと思う。まあ、お互いできないことはなくて、それぞれの良さを活かしてやれることはやれるんだけど、時代とか流行りとか教養とか置いといて、個々を動物として考えるとどうあるのが自然なのか、なんでそれができないのか…。まあどうであれ、自然な形で生きていけないという環境や状況があるのは別に個々のせいではないし、共働きじゃないと結局満足に食っていけない、かといって親も働いてるからこどもは保育園に預けるしかない、でも保育園に空きがない、って考えるとまあ全て破綻せざるを得ないし、そうやって保育園のこととか望まれない仕事復帰のストレスを抱える女性が、生理不順になってしまうとか身体に無理が生じるのはそれこそいっそ自然なことというか。独身の女性だって女性が働ける、働かなくちゃいけないみたいな時代だから男と同じようにありえないほど残業して休日返上してプライベートな出逢いもデートする時間もなくて、ってなったらそりゃあ心も身体も健康ではいられないよねっていう。男はある程度そういうことにも耐えられる身体なんだもんな、女性が同じように生きられるわけはないんだよな、って改めて思った。男女平等がどうのという前に、まず男女差についてしっかり認識していないと、そのうち女性は繁殖という機能を捨ててしまうんじゃないだろうか…。

  • いつのまにか自分の中にあった、「女も男同様、働く」という考えが、出産やら子育てやらの経験で変わっていった。それをばななさんが、「もって生まれた性別を壊してまで仕事するのは嫌だ」というような言い方で、さらっと代弁してくれた。人間だって動物なんだと改めて気付かせてくれるような本。

  • 生理の話とか調整できるものならしたい!

  • 【本学OPACへのリンク☟】
    https://opac123.tsuda.ac.jp/opac/volume/404130

  • 2013。参考にしつつちゃんと眉唾だと思うことも大事かも。

  • 男女平等の考え方が広がっているけど、本に書かれていた通り、女性はかなり無理をしていると思う。
    3歳までの過ごし方が大事なのは、分かるような気がするけど、どんな風に接してもらっていたか、記憶に残らないよな。不思議。
    古き良きもの、新しき良きもの、何を大事にしたらいいのか、分からなくなる。
    子どもに言おうか言わないか迷う時は、言わない方が正解。親に言われたからと悩ませるより、困っても、自分で解決した、周りの人からの協力を得て解決したという経験の方が本人のためになる。
    愛情をもって、見守ること。自分で考えさせることを大切にしたい。

  • よしもとばななと、母子保健の研究者三砂さんの対談。

    出産の話とか。
    健康な妊婦さんはお腹が柔らかいらしい。
    出産のときは健康でいようと思った。

    途中で飽きちゃって読むのやめちゃった!

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    導入で印象に残ったばななさんの言葉↓

    そういう毎日の中にある感覚を今人間はどうしてもなかったことにしないと毎日生きていけない。そのなかったことが詰まっている箱みたいなところを、ちょっとずつ、ちょっとずつ空けていく。そうすると、みんながちょっとずつ楽になっていくというような作業をしていると思ってます。

  • 図書館本、読了。
    ばななさんが本当に信頼できることを再確認。
    三砂さんの本も読んでみよう。

  • 女子の遺伝子

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著者プロフィール

1958年山口県生まれ。兵庫県西宮市で育つ。京都薬科大学卒業。ロンドン大学PhD(疫学)。作家、疫学者。津田塾大学多文化・国際協力学科教授。専門は疫学、母子保健。著書に、『オニババ化する女たち』(光文社新書)、『死にゆく人のかたわらで』(幻冬舎)、『女が女になること』(藤原書店)、『自分と他人の許し方、あるいは愛し方』(ミシマ社)、『女に産土はいらない』(春秋社)、『セルタンとリトラル』(弦書房)、『ケアリング・ストーリー』(ミツイパブリッシング)など、きものについては『きものは、からだにとてもいい』(講談社+α文庫)がある。編著に『赤ちゃんにおむつはいらない』(勁草書房)、共著に『気はやさしくて力持ち』(内田樹、晶文社)、『ヒトはどこからきたのか』(伊谷原一、亜紀書房)、訳書にフレイレ『被抑圧者の教育学』(亜紀書房)などがある。

「2024年 『六〇代は、きものに誘われて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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