ウツ妻さん

著者 :
  • 亜紀書房
3.62
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本棚登録 : 71
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750513249

作品紹介・あらすじ

奇跡のように手に入った印税で手に入れようとしていた夢のマイホーム。「一生に一度のことだから、失敗はできないの」とばかり鼻息のあらかった妻トトコがある日、ウツ病に!
泣いてばかりいるトトコを世話し、家事と仕事を引き受け、孤軍奮闘。患者の家族ってたいへんだ! ぬいぐるみを買ったり、生き物を飼ったり、ヨガを試したり、思いつくことはなんでもしてみた。そして、トトコをなぐさめたのは、他でもない。レインボーマンにはじまる特撮ヒーローだった!!
毎日、過激に「弱音」と「不安」を量産するトトコ。「さびしい」と泣いていても、特撮ドラマには大興奮。

感想・レビュー・書評

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  • たった一度きりの人生だもの。

    そりゃ充実させたいし、幸せにだってなりたい。
    願わくば、そうありたい。

    …が、
    どうやら問題はその、
    「シアワセ」にあったらしいのだ。

    著者が以前書いた本がバカ売れし(私も購入者のひとり。^^;)
    ガッポリはいった印税で
    やれ、新築の家だ、
    土地探しだ~♪

    やんややんやと浮かれているシアワセの絶頂期に、
    謎の病「うつ病」を発症してしまった妻。

    何故?
    理想的な人生駆け上がりつつある最中に?

    うつ、
    って憂鬱のうつの事ではなかったのか。

    思いも寄らぬ病の発症に
    心療クリニックを転々とし、様々な人の助言や本に助けを請いながら
    著者が気付いた
    病の元凶とは・・・

    理想の幸せとは何か?
    もしもそれが、

    仕事があって、
    家があって、
    美しく理解ある配偶者がいて、
    可愛い子供がいて、
    家族が健康で、
    お金があって、
    不安が何もない暮らし。

    なのだとしたら、
    この病を発症する可能性は大いにあり、という警告(?)本。

    人生なんてままならぬもの。
    その幸せのビジョンを描いたのは、
    本当に自分だったのか?
    ただカタログの写真に憧れを抱いていただけでは無いのか?
    ・・・を、じっくり考え直してみたい、と思った。

    • takanatsuさん
      MOTOさん、こんにちは。
      この本とても気になります。
      「ただカタログの写真に憧れを抱いていただけでは無いのか?」という部分にドキリとし...
      MOTOさん、こんにちは。
      この本とても気になります。
      「ただカタログの写真に憧れを抱いていただけでは無いのか?」という部分にドキリとしました。
      「不安が何もない暮らし。」に憧れてはいますが、じゃあどうなれば不安がなくなるのかというところまでちゃんと考えてませんでした。
      著者の病の元凶…とても気になります。
      2014/01/07
    • MOTOさん
      takanatsuさん、こんにちわ♪

      コメントありがとうございます。
      実は私も改めて「幸せ」の形ってどんなだったかな?
      と、考えて...
      takanatsuさん、こんにちわ♪

      コメントありがとうございます。
      実は私も改めて「幸せ」の形ってどんなだったかな?
      と、考えてみたのですが…
      おそらく誰もが「こうあればいいな。」という光景にたどり着いてしまいました。
      そして、恐ろしいのは、
      この光景にならなければ、私は可愛そうな人になってしまうんじゃないか?
      と、いう不安が心の底にある事にも気がつきました。

      いかに、自分の本音を無視して他人の評価ばかりを気にしていたか?と、いう事です。
      (まさしく、ちっちゃいおばさん…ですね^^;)

      …が。
      本を通して自分を客観的に見てみるのも
      なかなかオモシロイものですよ♪

      ぜひ機会があれば、ご一読下さいね(^^♪







      2014/01/07
  • うつ病になった奥様と一緒に生きている苦労あり笑いありの看病・闘病記なんだろうなぁと想像しつつ読み進める。
    そして第2章。突然のレインボーマンのくだり。
    熱く語られるレインボーマンの筋書きやキャラクターにテーマソング。
    熱く語るポイントがそこ?面白いからいいんだけど。好きだけど。
    3章では脱線ぎみが戻って最後まで面白く読めた。
    個人的にはこういう看病記の方がリアルに感じられる。

  • これは、すごい本だと思う。
    精神医療のプロから見て、このああ言えばこう言う的な患者さんについての記述や、それに向き合う家族の思いなど、笑ながらも舌を巻くことばかりだ。そして、治療に対して私たちに希望も与えてくれる。「寛解」することしかない病気とどう付き合うか。これほど医者の技量が問われることはない。しかし本当に必要なこの技量ほど、現在の精神科医療を取り巻く環境からなおざりにされているものもない。
    うつ病になった家族がいる人だけでなく、精神医療に携わる人にもお勧め。

  • 2013/12/11-12/15
    鬱症状を抱える家族の入門書
    「どう理解し、毎日をどう過ごすか」3年間の記録

  • 軽く読めるが実体験に基づいて書かれており、参考になる。

  • うーん、病気がさせている、とはいうものの
    これは周りが大変だ。
    自己肯定感が低く不安だらけの妻。

    電磁波の鉄塔が怖くて、迷走。
    なにやらどよーんとした主治医。
    多剤併用。

    アニマルセラピーに家族相談の会。

  • 毎日、過激に「不安」と「悲嘆」を量産するウチの妻。「さびしい」と泣いていても、特撮ドラマには大興奮! ウツ病を発症し、数年に渡り闘病生活を続けた妻と、それを支え、あるいは振り回された家族の、およそ3年間の記録。

    ここまで壮絶だとは…。

  • す、すごい。ウツもいろいろだけど、だけど、すごいな。
    ウツ妻さん書いていいって言ったんだろうね、これ。
    ウツ妻さんやるな、すごいな。
    なんか勇気づけられるわ。

  • 「へんないきもの」のヒット後、こんな事態になっていたとは・・・。
    コミカルに書かれてさくさく読めるけれど大変だったろうなあと思った。

  • 闘病記らしいけど、あーあるあるって感じのこともあって挿絵もあって面白かった。
    著者がうつに対する知識なかったのがちょっとって感じだった。

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著者プロフィール

1965年東京生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。ブックデザイナーをして
いたが、2004年、実在の生き物だが奇想天外ないきものを集めた『へんないきもの』(バジリ
コ)がベストセラーに。『またまたへんないきもの』『取るに足らない事件』(バジリコ)、『カッコ
いいほとけ』(幻冬舎)などがある。

「2013年 『ウツ妻さん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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