「つながり格差」が学力格差を生む

著者 :
  • 亜紀書房
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本棚登録 : 146
レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750514055

作品紹介・あらすじ

子どもの学力は人間関係の「つながり」で決まる

離婚率の低さ――家庭・家族と子どもとのつながり
持ち家率の高さ――地域・近隣社会との子どもとのつながり
不登校率の低さ――学校・教師と子どもとのつながり

貧富の格差が、学力格差を生むのではない。家庭、地域、学校での、子どもたちと周囲との「つながり」格差が学力に強く影響する。人間関係のありようが相対的にゆるやかな「いなか」では子どもたちの学力形成にポジティブに作用する。「つながり」という画期的な視点から、これからの日本の教育の進路に欠かせない論点を提示する。

感想・レビュー・書評

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  • ものすごくくだらない教育分析。
    総じて教育学者の研究はことごとくつまらないが、なにが駄目かというと、データの分析、ブルデューの社会資本だのなんだの、すでに有名どころの欧米の研究を引用して、ぐだぐだ体裁整えているだけだから。論文のために研究している感じ。
    筆者の子どもの頃はうんぬんかんぬんの私事に触れ過ぎ。しかもそれが結論にはまったく関係ない。エッセイじゃないんだから。

    東大卒の研究者がこれなんだから、日本の学校問題が片付くわけないな。尾木ママみたいな学校現場を知っていて、子どもの気持ちを分かってあげる人が教育語ったほうがいい。


    要旨は、昔は教育には都市と地方の格差があった。ところが2007年の全国学力テストでは秋田、福井などの地方が上位、沖縄も意外に高い。大阪が最下位に近い。その理由は「離婚率」「持ち家率」「不登校率」にあった、というもの。要するに、人間関係の縛りがきついど田舎のほうが学力が高いよ、というもの。

    これに反論するデータは、最近発表された大学進学率。地方よりも都会のほうが圧倒的に高い。都会はバカな高校生が進学しているのか? 小中と高校生の学力では違いがあるのか?

    あと、この手の教育理論はまず自分が塾なり学校なりつくって実践してみてくれ、と思う。象牙の塔で理屈だけ言ってもしかたないでしょ。

  • 1555円購入2018-03-09

  •  まずは「格差」の「個人差」との違い、集団における是正を必要とされる差であると明示される。 1964年の学力調査と2007年のそれにおいて、躍進した秋田県と凋落した大阪府の衝撃も。
     多変量解析によって遺伝形質、家庭背景、学校過程、社会構造と絞り込んでゆく。格差の要因は個々ではなく、さまざまな「つながり」ではないか。
     1960年代以降のイギリスの例では、競争的な新自由主義の導入による、想定外の格差の是正が示される。
     2012年の国際調査(PISA)に、凋落傾向にあった日本の読解力、数学、科学リテラシーのレベルと格差縮小のV字回復が見られたらしい。しかし、地域固有の問題など、さらなる改善への著者の挑戦は続くのである。

  • 筆者の重視する「つながり」は大事だと思う。「つながり」の「質」に言及していたが,もっと分析があっても良いかなと感じた。後半は,学校を中心に「つながり」が論じられていたと思うが,家庭や地域の「つながり」についてももっと言及してほしかった。
    最終章でイギリスを中心に外国の教育政策が説明されていた。「しんどい層」の学力向上に取り組む点が各国に共通している点だという。イギリスはニューレイバー政権のときに学力格差を縮小できた。他方で,日本はその点ではとりたてて何もしていない。しかし,日本はPISA2012で結果がV字回復し,学力格差も縮小した。この点を著者はどう考えているのか知りたい。詳細な分析による単著を待ちたい。。。

  • 全国の小中学校で学力向上の取組が行われている。学力格差を生むのは貧富の差ではなく、家庭・地域・学校のそれぞれのつながりの差であると筆者は言う。トップクラスの秋田や福井は、指導方法の工夫も行われているが、一番は家庭や地域が落ち着いているからだ。ということは、学力向上の近道は、家庭や地域のつながりを強くすること、つながりを復活させないといけないのか。

  • 離婚率の低さ…家庭家族と子どもとのつながり。持ち家率の高さ…地域近隣社会との子どものとつながり。不登校率の低さ…学校教師と子どもとのつながり。
    学力の樹。
    効果のある学校…校長のリーダーシップ、ビジョンと目標の共有、学校を促進する環境、学習と教授への専心、目的意識に富んだ教え方、子供達への高い期待、動機付けにつながる積極的評価、学習の進歩のモニタリング、生徒の権利と責任の尊重、家庭との良好な関係づくり、学び続ける組織

  • 「データや根拠にもとづかない主張はしない」という持論のもとに書かれた本。

    学力格差という社会問題が個人的に気になっていたので、読みました。 海外の事例や、日本の地域の例、スクールバスに例えた学説などなど、わかりやかったです。納得できる部分も多かったです。 「経済資本がない子供でも社会関係資本が充実すれば学力は向上する」ということには、希望を持てました。

    著者は他にも、いろいろ教育問題について執筆されているようなので、読んでみたいと思いました。


    余談ですが、フランスの教育現場や、イギリスの教育現場(の歴史)も知ることができたのも面白かったです。

  • 全国学力テストの結果を元にした分析結果や欧米の学者の引用などが多く、教育社会学の概要がつかめるが、著者の経験談等、主張に偏りがある気がした。
    関西出身の学者さんのようなので、大阪のテーマが多い。
    研究半ばと言った学者さんの現状報告書のようなもの。

  • 子どもの学力は人間関係の「つながり」で決まる。「つながり」という画期的な視点から、これからの日本の教育の進路に欠かせない論点を提示する。OPAC → http://t.co/8Nhkr2xYpD

  • ソーハルキャピタル(家庭、地域、学校)が学力格差につながることを例証

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著者プロフィール

大阪大学大学院人間科学研究科共生学系未来共生学講座(共生社会論)・教授
教育社会学、教育文化・学校文化の比較研究、格差社会における教育の公正

「2020年 『共生学宣言』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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