意識はいつ生まれるのか――脳の謎に挑む統合情報理論

  • 亜紀書房
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本棚登録 : 712
レビュー : 64
  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750514505

感想・レビュー・書評

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  •  やはり意識は「自分の行動・考えを眺めること」だと思う。例えば、他者とコミュニケーションできるだけじゃ足りない。一応犬でも、猫でも、こっちが働きかければ向こうは反応する。犬だったら主人が撫でれば、嬉しいって思うだろうけど、犬が嬉しいって思うのを自分で認知してこそ「意識」だと思う。そうじゃないと、コンピュータが嬉しいって言ってるのと変わらないと思う。それらの違いは「リアルかリアルじゃないか」だけ。
     例えば、人間がチャリンコ漕ぐのは無意識っていうし、これと同じ。右ペダル踏んだら左ペダル踏む。犬とのコミュニケーションはこれと一緒だと思う。
     もう一個例。映画でありがちな、主人公が目覚めて「ここはどこだ、俺は一体・・・」ってなるシーン。意識を回復しているが、文字通りこれこそ「意識」だと思う。自分の置かれている状況を理解し、それが不自然だと思う、つまり自分のこれまでの一般的な状況と今の不自然な状況をどちらも眺めており、その差異が分かるからこそ不自然だと感じる。これが「意識」。意識がない犬とかは「ここはどこだ?」ってなっても、自分の置かれている状況を理解できなさそう。
     って書こうとしたが、普通に犬も「ここはどこ?ご主人様は?」ってなってオロオロしそうで、あれ、これって自分が置かれている状況理解してるよなって思ったから、犬にも意識あるのかも。
     よく分からんくなった。

     ただ、何となく動物・植物には一般的に意識があるような気がする。それは進化してきたから。進化は周りの環境に適応する、ということ。もし全ての進化が突然変異ではなく、動物の主体的な適応によってなされてきたのなら、動物は自分の現状を理解しているということ。(例えば、もっと舌が長ければ、このアリ塚からアリたくさん食べられるのに、みたいな)
     
     もうひとつ夢を見ているときに、著者は「意識がある」って自明のように説いてるが、本当にそうか?夢を見ているとき、人は往々にして「夢をみているか否か」分かってないはず。それは自分の現状を分かっているとは言えないと思う。それか、「夢の中で登場する自分を夢の中で認識している自分がいて、それが夢だとは分かってないだけで、『夢の中で意識がある』」とも言えるような気がする。
     一応、矛盾はしないっぽい。

     ただ、著者の言うようにあらゆるレパートリーに下支えされた統合された情報っていうのは、単純に納得できる。知的に刺激的な良著でした。
     「広い繋がり(分解できない)がないと、単純なリアクションしかできない。広い繋がりがあっても、一様なリアクションしかできない場合もある。広い繋がりが複雑に絡みあって、はじめて単純なリアクションの裏に、多種多様なレパートリーが含まれるからそれが意識となる。」

     「統合された1なるもの」か否かが、ここでは大事だと言われている。それは納得できる。しかし、もし超知的生命体が現れて、情報を統合しつつ、それを複数行い、同時多発的にアウトプットできるとしたら??それは我々にはもちろん理解できないし、どのように彼らがコミュニケーションしているのか、それを意識と呼ぶのか、謎となるのでは??いや、結局それは、「統合された1なるもの」を複数持っているってだけで、意識の定義を否定するものではないか。

     伊藤けいかくの小説(タイトルは忘れた)で、脳移植を繰り返されて、完ぺきな暗殺を行えるようになった人が、ある暗殺を行ったことを忘れていた、という一説を思い出した。なぜなら脳が完全に暗殺の手順を覚えていて、それが「無意識に」行われたから。その主人公は衝撃を受けていたが、同じ刺激を繰り返すと脳はそのリアクションを小脳に送っていってしまうのだなと痛感した。

  • とてもとても面白かった!!

  • 意識の源泉を解明しようとする理論はいくつも提唱されているが、統合情報理論は最も合理性の高い理論の一つだと考えられている。本書では、意識の宿る物体と、意識の宿らない物体の物性的な違いに着目し、情報統合可能な結合を有するシステムこそ意識の源泉だと考える。しかし、意識の解明には技術的困難さが伴うため、未解決の問題がいくつも残されているのも事実である。

  • 頭から体に伝わる電気信号。
    それが体を動かすのだけれと、反射とはまた違う個人の意識はどうして生まれるのか。
    普段全く考えたことがない内容だったので、とても面白く読めた。
    でも結局は解明されておらず、むだまだ研究の余地がある分野で面白い。
    基本的な脳の役割から説明してくれているので、復習+αの知識も得られる。

  • 請求記号 491.371/Ma 65

  • テーマである脳内に迷い込んでしまい、その中から読者に問いを投げかけているようだった。説明が細か過ぎたのか、一層謎が深まったというか、ますます意識というものがわからなくなった。

  • 脳科学に関する専門書のようでいて、実は一般書なので非常に読みやすい。
    意識とは何かを考える哲学書の側面も持ち合わせている。

    個々のニューロンが相互に関係しあったとことろに、情報統合が発生し、それを意識として定義している。

    この様な考え方によれば、意識は人間だけが持つ訳ではなく、他の生物にも当然意識はあることになる。
    また、発展して考えれてば、外部からの刺激によって、情報統合させ行えば人工知能にすら意識を持たせることは可能だと思えてくる。

  • 意識とは,という問題に実践的で,地に足のついたアプローチで取り組んでいる印象。脳の統合情報理論というものはこの本で初めて知ったが,とても興味深い概念。

    哲学的ゾンビ,自由意志,等の問題。

  • 一般人にも読みやすく、かつ著者の人文科学的素養もあって、楽しく読める。内容的には意識は大脳皮質系の複雑で統合的な活動によって生まれるのではないか、ということを科学的に証明した本。タイトル通り「意識はいつ生まれるのか?」を証明した本です。

  • 統合情報理論、理論としては面白いけど、それが意識の根源になっているというのはどうかなあ、直感的には信じられない。読み物としてはよくできていて面白かった。

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著者プロフィール

精神科医、神経科学者。ウィスコンシン大学精神医学科教授。睡眠と意識についての世界的権威。著書に、Phi: A Voyage from the Brain to the Soul.(Random House LLC, 2012)、A Universe of Consciousness: How Matter Becomes Imagination.(ジェラルド・エーデルマンとの共著、Basic Books,2000)などがある。

「2015年 『意識はいつ生まれるのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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