意識はいつ生まれるのか――脳の謎に挑む統合情報理論

  • 亜紀書房
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レビュー : 64
  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750514505

作品紹介・あらすじ

NHKスペシャル『立花隆 臨死体験』出演の天才脳科学者、初の翻訳!

脳は意識を生み出すが、コンピューターは意識を生み出さない。では両者の違いはどこにあるのか。クリストフ・コッホが「意識に関して唯一、真に有望な基礎理論」と評した、意識の謎を解明するトノーニの「統合情報理論」を紹介。わくわくするようなエピソード満載でわかりやすく語られる脳科学の最先端、待望の翻訳!

【本書が挑む脳科学最前線の脅威の事例】

・脳幹に傷を負い植物状態に見えるロックトイン症候群患者(映画「潜水服は蝶の夢を見るか」の主人公)。彼らの意識の有無はどう診断すればいいのか?

・麻酔薬を投与するとなぜ意識が失われるのか?
 麻酔時に意識が醒めてしまうとどうなるのか(1000人に1人はそうなる)

・右脳と左脳をつなぐ脳梁を切断する(スプリットブレイン。てんかん治療で行われることがある)と、1つの脳のなかに意識が2つ生まれる!?

感想・レビュー・書評

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  • 「明るい」と言うとき、あらゆるパターンの「明るくない」を捨てている。つまり、私たちはモノゴトの意味を複雑で多様な情報を統合することで理解する。これはとても示唆に富む。
    私は「私」をはあらゆる可能性の「私ではない」私だと理解している。

  • 「意識はいつ生まれるか」というタイトルではあるが、全体
    として「意識があるということをいかにして測定するか」と
    いう内容だったように思う。多様性と統合によって意識が
    生じる、そしてそれを測定することが可能である、という
    ことはよくわかるし、面白い内容だとは思う。読み応えの
    ある素晴らしい著作ではあるのだが、多様性を保ちつつ
    それを統合することによってなぜ意識が生まれるのか、
    そしてそもそもその「意識」とは何かということについては
    何も述べられていないので、もどかしさも感じてしまった。

  • 手のひらに乗るくらいの大きさの物質である脳に、どのようにして意識が宿るのかを説いた本。
    進化の系統的にどの段階で意識が発生したのかや、人間の成長のどの段階で意識を持つのか、を説明しているわけではない。実はそう思って読み始めていた。実際のところは、意識が生まれるためにはどのような条件を満たせばよいか、が近い。
    そして、その答えを導くのが「統合情報理論」である。重要なのは、情報に多様性があり、なおかつ全体が統合されているという、そのバランスである。それをΦという単位で表している。小脳はシナプスが非常に多く多量の情報を扱うことができるが、全体として統合されておらず、意識を宿すことはない。心臓は統合されたシステムだが、単純なパルスを刻むだけで、情報量は少ない。当然、心臓には意識はない。
    今のところ、Φが大きいシステムとなっているのは、大脳の視床皮質である。
    興味深いポイントは、Φは連続量であるため、意識がある/ないの境界をはっきり分けることはできないということ。覚醒した人間のΦは大きいけれど、寝入る寸前や、麻酔から覚醒する過程などはΦが小さい。乳幼児のΦも小さいのかもしれない。サルやイルカやイヌやネコは人間と同じ言語が使えないというだけで、高いΦを持っているのかもしれない。昆虫にも意識があると言えるのかもしれない。
    統合情報理論はまだ確固たる裏付けはないらしいが、世界の見方をちょっと変えることができた。

  • 視床ー皮質系に意識を司るニューロンがあるという。小脳の4分の1ほどしかないが、小脳が反応に対して1対1対応であるのに対し、視床ー皮質系は相互に「コミュニケーション」を交わし、統合的反応として対応するという点で「意識的」とされる。また、「(自立的)意識が失われる(陰を潜める)深睡眠」において外界との反応が単純化されることから、たとえば植物人間のように、身体的な反応がなくてもい「意識はある」という診断が可能だと説く。本書は脳科学的には興味深いが、では視床ー皮質系の統合的なニューロンの反応がどのように意識と関わるのか? なぜ意識は生じるのか? については言及していない。ともあれ、「宇宙のはじまりがビッグバンだとして、そこにあるのが物質的要素に限られるのであれば、意識は、これとは無関係に存在するのかもしれない」という考え方は興味深かった。

  • 本書のテーマは「意識」。筆者は「意識」の発生に関する仮説を提示します。意識は豊富な情報を扱う統一されたシステムに発生する。と。人間でいうと大脳皮質がそのシステムに当たります。意識の性質としての統合性というのはとても肚に落ちるものでした。「部屋が暗い」というときに、光センサーと違って人間はただ光量を判断しているわけではなく、常に「青くない」「目をつぶっていない」「・・でない」と無数の可能性を潰す作業を高速で行っていると。
    しかし筆者の示す条件だけであれば、意識のある機械が既に存在していてもおかしくない気がします。高性能な機械が大量の情報をフルに連関させて答えを出す。その場合、機械には意識があると言えるのかどうか?AI理論の本と合わせて読みたい一冊です。

  • ”意識”というものをどうやって測るのか?
    この難題に様々な理論、臨床試験を経て迫っていく過程を分かりやすく解説する。

    普段意識することは無いが、わずか1.4キロの物体である脳がこの”我”の思考、記憶、全てを司っているかと思うと不思議な感覚になる。
    特に覚醒時、睡眠時、植物人間などの明確な違いを様々な方法で浮き彫りにしていく過程は面白かった。
    こういう、最先端の脳科学や医学を分かりやすく書いてもらうと全く専門知識が無くても色々知ることが出来て有難い。

  • サイエンス

  • 【由来】
    ・My Yahooの講談社現代ビジネスRSSで

    【期待したもの】

    ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。

    【要約】


    【ノート】


    【目次】

  • 読了までかなりの時間がかかってしまった。それほどハードで難解な内容なのだが、凄くエレガントな表現でそこが本書の魅力。何度か読み直せば新たな発見があるのかもしれないし、理解できなかったことでさらに打ちのめされるのかも知れない。

  • 意識がいつ生まれるのか。その謎にいどむ統合情報理論。それを推理小説のように、これを調べたらこうだった、次にこれを調べたらこうなっている、だから今度はこうなるのでは、と興味を途切れさせないような語り口で意識の存在への探求へ導いてくれる。脳から小脳を取り除いても意識は存在するという。しかし視床ー皮質系がやられると意識はなくなる。そこに意識が存在するのか?小脳との違いは何か?ニューロン間の接続の仕方によるらしい。左脳と右脳間を結んでいる連絡橋が大脳皮質にはあるが、小脳には存在しない。小脳は各モジュールが単独で存在するらしい。大脳皮質では縦横無尽にニューロン間に接続存在するという。

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著者プロフィール

精神科医、神経科学者。ウィスコンシン大学精神医学科教授。睡眠と意識についての世界的権威。著書に、Phi: A Voyage from the Brain to the Soul.(Random House LLC, 2012)、A Universe of Consciousness: How Matter Becomes Imagination.(ジェラルド・エーデルマンとの共著、Basic Books,2000)などがある。

「2015年 『意識はいつ生まれるのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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