バッド・フェミニスト

  • 亜紀書房
3.34
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本棚登録 : 459
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (394ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750514949

作品紹介・あらすじ

多くの女性に勇気を与え、全米で大反響を巻き起こした批評=エッセイ集、ついに邦訳登場!

私はピンクの服も着たいし男性も好きなダメ・フェミニスト。
でも、矛盾を抱えて完璧ではない自分や他人を受け入れ、分断を乗り越えて差別のない世界を夢見たい。
映画やテレビドラマや音楽などのポップカルチャー、社会に衝撃を与えた犯罪や事件を取りあげ、性差別と人種差別、経済格差などが交差するアメリカの文化状況を鋭く読み解く。

ユーモアがあって、刺激的、で切実。
彼女の視点を自分の中に蓄えることができるのは、本当に幸せなことだ。
みんなバッド・フェミニストで生きよう!
          ―松田青子さん(小説家)

性別によって機会や権利が異なるのはおかしい。だが正直に言えば、私は「フェミニスト」というワードが含まれた著作物にコメントを寄せることにためらいと警戒があった。自分では剝がすことのできないレッテルを貼られるような気がしたから。しかし、好奇心がそれを上回った。「バッド」が付いていたから。
そんな自分を肯定できると前のめりに読んだ序盤、傷付くことを避けて通れなかった中盤、頭と心にたっぷり汗を掻いたあと、穏やかに寄り添えた終盤。まるで旅のようだった。今の私が納得できるもの、そうでないもの。それはやがて変化するかもしれない。いくつかの私の間違いと勘違いは修正され、新しく学んだこともあった。
読後、私はフェミニズムとの断絶を感じたり、自分にその資格があるかと不安を感じたりはしていない。それぞれのやり方で向き合えば良いと、ロクサーヌが教えてくれたからだ。
           ―ジェーン・スーさん(コラムニスト)

感想・レビュー・書評

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  • 性別 人種 国籍 宗教 政治思想 そして格差 
    ありとあらゆることで対立が生まれ
    違う意見を持つ他者を受け入れられない
    とても 不寛容な時代

  • 他の人も指摘しているが翻訳が酷い。なぜこの人に依頼したのか、安かったんだろうけど、極めてもったいない。悪い意味ですごく翻訳調で、学生がテストで直訳したみたいだ。中途半端な文化人か何かかと思えば、プロフィールは「翻訳家」おいおい。
    「ソーシャルネットワークは、単なる取るに足らない即時の判断の無限保存庫を超えたものだ。」「私たちはなされるべき仕事がまだまだたくさんあることを忘れることを拒否している。」もはや日本語として悪文なのでOKを出す編集者もどうかしている。
    内容に対してプラス1★。キャトリン・モランのブルカや「ニガー」に対する批判やケイト・ザンブレノの引用等、他のフェミニスト本とリンクしつつ、現代のフェミニズムを語る。またドラマや映画への言及も多い。フェミニズム視点でフィフティシェイズを語り、黒人視点でヘルプにもジャンゴにも怒り、フルートベール駅にはOKを出す。
    亜紀書房は弱小出版社の欠点を露呈した感がある。他の著作は、大手から、有能な編集者のもとで、出版してほしい。

  • 私の耐え性が無いのかもしれないけど、それでも原著を読めるように英語の勉強を頑張ろうとは強く思いました(感想)(ほんとになにが書いてあるかほとんどよく分からなくて序盤早々に諦めた者)

  • 「うんうん!うんうん!」と心の中でぶんぶん頷きながら読めた。人種の項では若干の申し訳なさと気まずさも感じながら。だってジャンゴもヘルプもめっちゃ楽しんだもん……。でもこの申し訳なさや気まずさは、よく男性からきく「フェミニズムの話になると申し訳なさや気まずさを感じる」という感覚とたぶん近いものだろうと思う。わたしは、ジャンゴやヘルプが面白かった自分の感覚を卑下したくは無いし、しかしそれらの作品の孕む諸問題を知った上で無視すると言うこともしたく無い。むしろ知ることができて良かったと思う。だからフェミニズムに触れて気まずくなる人がいたなら、自分の好きなコンテンツへのリスペクトとクリティカルな視点を同時に持つことは可能で、そういうわけだからもうみんなでバッドなフェミニストになろうぜ、と言いたい。

  • わたしがタランティーノ監督に抱いていた違和感が補完された

  • 「バッド・フェミニスト」とは何か? | 文春オンライン
    http://bunshun.jp/articles/-/3002

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    多くの女性に勇気を与え、全米で大反響を巻き起こした批評=エッセイ集、ついに邦訳登場!

    私はピンクの服も着たいし男性も好きなダメ・フェミニスト。
    でも、矛盾を抱えて完璧ではない自分や他人を受け入れ、分断を乗り越えて差別のない世界を夢見たい。
    映画やテレビドラマや音楽などのポップカルチャー、社会に衝撃を与えた犯罪や事件を取りあげ、性差別と人種差別、経済格差などが交差するアメリカの文化状況を鋭く読み解く。

    ユーモアがあって、刺激的で、切実。
    彼女の視点を自分の中に蓄えることができるのは、本当に幸せなことだ。
    みんなバッド・フェミニストで生きよう!
    ―松田青子さん(小説家)

    性別によって機会や権利が異なるのはおかしい。だが正直に言えば、私は「フェミニスト」というワードが含まれた著作物にコメントを寄せることにためらいと警戒があった。自分では剝がすことのできないレッテルを貼られるような気がしたから。しかし、好奇心がそれを上回った。「バッド」が付いていたから。
    そんな自分を肯定できると前のめりに読んだ序盤、傷付くことを避けて通れなかった中盤、頭と心にたっぷり汗を掻いたあと、穏やかに寄り添えた終盤。まるで旅のようだった。今の私が納得できるもの、そうでないもの。それはやがて変化するかもしれない。いくつかの私の間違いと勘違いは修正され、新しく学んだこともあった。
    読後、私はフェミニズムとの断絶を感じたり、自分にその資格があるかと不安を感じたりはしていない。それぞれのやり方で向き合えば良いと、ロクサーヌが教えてくれたからだ。
    ―ジェーン・スーさん(コラムニスト)
    https://www.akishobo.com/book/detail.html?id=805&kw=%E3%83%AD%E3%82%AF%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%8C%E3%83%BB%E3%82%B2%E3%82%A4%20

  • 私はフェミニストだと、胸を張って言いたい。
    けれど、フェミニストというのは強く賢く独立している完璧な人(近年フェミニストとして有名なエマ・ワトソンなどはまさにぴったりに思える)というイメージが私の中にあり、だらしない自分などが名乗ってはいけないと思ってしまう。
    この作品で、著者は自身を「バッド・フェミニスト」と呼ぶ。
    時には女性蔑視の文化をそれと知りながら楽しんでしまうことなども正直に書かれていて、読んでいて胸のつかえが取れるようだった。
    様々な音楽や映画を題材に書かれており、多くを知らなかったことは残念だが、充分楽しみ、考えることの出来た作品だった。
    また、著者が黒人であることから人種差別にも多く触れられている。
    昨年読んだノンフィクション「キッド 僕と彼氏はいかにして赤ちゃんを授かったか」で「グッドゲイ」という一見ポジティブな差別を知ったのだが、今作で「マジカル・二グロ」という差別を知ったことでより敏感に考えていけるのではと思う。
    フェミニストだと宣言することは、やはりまだ私には難しい。
    けれど、フェミニストでありたいと思います、勉強中です、とはせめてはっきり言いたい。
    誰より、自分に対する宣言として。

  • 筆者がめちゃめちゃ頑張り屋で粘り強くてぴちぴち元気で、いたく感心した。40歳(原著発行時)がこんなにエネルギーに満ちた存在でいられるとは。読み始めたときは、彼女と比べてどうして自分はこんなになまけ者で自分のことばっかりなんだろうと軽く憂鬱になるほどだったけれど、だんだん元気が出てきた。嫌なこと、不当なことには異議申し立てしてもいいんだって気づかされた。

    差別の話はつらい。人がいかに支配され貶められるのか、意識するしないにかかわらずそれを維持しようとする人たちが何をしているのか、私自身がどのように扱われているのか。ふだん考えないようにしていることを改めて指摘され、それについて自分が何もしていないことの後ろめたさ。変わってほしい立場の自分がこんなに気が進まないんだから、変えたくない人がどれだけ頑なでいたいことか(ため息)。

    アメリカのポップカルチャーを題材にした章が多くて、それが実際にどういうことなのかくっきりわからないこともあった。それでも、この本を読んでよかったと思う。フェアでないことに気づくだけのためにも、そのための知識が必要なのがわかる。その知識を少しわけてもらったし、気づいたことをどのように考えればよいのかのヒントももらった気がする。

  • 疲れる読書だった。8割型読んで、あとは読んでない。訳文の問題というよりは、筆者が読者と共有できることを前提としているノリ(口語ベースの英語を基本としていると見られる言語使用や文化的コンテクストの共有、ポップカルチャーに関する知識など)についていけなかったのが原因。でも内容自体は面白い。面白いからこそ自身の経験にグッと迫る語りも多くて、それがさらに疲れさせた。個人的に苦しかった思い出を抉る描写もあった。これは見方によっては、「いい意味での疲れ」と言えるかもしれない。でも最後まで、あまり入り込めなかったかな。

  • 拾い読みして、読むのをやめた。
    合う人には合うんだと思う。

    ドラマ「オレンジイズニューブラック」が、イマイチって話はへえーと思った。

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著者プロフィール

1974年米国・ネブラスカ州生まれ。ハイチ系アメリカ人の作家。インディアナ州ウエストラファイエットのパデュー大学で教鞭を執りながら、フィクション、ノンフィクションの両方の分野で執筆活動を行う。2014年、初のエッセイ集『バッド・フェミニスト』がベストセラーに(邦訳版小社刊)。同年刊行された長編小説『アンテイムド・ステイト』は映画化のプロジェクトが進行中。他にマーベル社のコミック『ブラックパンサー:ワールド・オブ・ワカンダ』の原作等も担当。2017年には短編小説集『ディフカルト・ウィメン』(邦題『むずかしい女たち』河出書房新社)を上梓。本作は2冊目のエッセイ集となる。

「2019年 『飢える私 ままならない心と体』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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