僕たちのインターネット史

  • 亜紀書房
3.79
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本棚登録 : 141
レビュー : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750515113

作品紹介・あらすじ

私たちはインターネットに何を夢みてきたのか?
80年代のパソコン通信の時代から、インターネットの黎明期を経て現在まで。インターネットの「現場」を知り尽くした著者が、その歴史を総ざらいする! 愛と笑いの決定版インターネット・ヒストリー!

津田大介さん推薦!(帯文)
〈「インターネット民俗学」の泰山と北斗が織りなす知られざるインターネット言説史。“失われた20年”のインターネットは、あまりにもいびつでチープ&アナーキーだったが、愛すべき混沌に満ちた豊穣な空間だった。〉

感想・レビュー・書評

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  • 著者2名の対談形式で,90年代から10年代までの主に日本のインターネットで起きたあれこれが語られている.手に取りやすい値段であるところも良い.

    適宜必要な用語は注釈やポインタが用意されているため,さらっと読めると思う.
    過度な期待はしていなかったのだが,ブログ(『教科書には載らない......』で書かれた)以降の記述がどうしても手薄になっている気がしていて,そこはインターネットの大衆化によるものと,著者らの世代の限界によるところがあると思う.


    個別に気になったのは2点ほどあって,
    1つはp137「オープンソースと意識高い系の敗北」という節.オープンソースに関する前半部分の記述はちょっと認識が古めかしいという感じ.観測のスコープがズレてるのか,成功という言葉の閾値がズレているのかと思う.また,この書き方はフリーソフトウェアとOSSを混同してるのではとも思う.
    サービスを提供する場合も,そのサービスにはOSSがかなり使われている現状や,GitHubの事例なども簡単に思いつく.ここは著者らの問題というよりも編集者や周囲のレビュー不足だと思う.
    もう1つは,まとめの節に相当するp233「インターネットの未来のために」の内容.ネットにありがちな「文系不要論」あたりを憂いているところで,著者らがまさしく文系にわけられるためなのか,全体的に詰めが甘い印象がある.
    特に厳しいのはp235からの
    > ばるぼら でも、おそらくこの本を工学系の人は読まないんじゃないでしょうか
    > さやわか なんか本のタイトルに「設計」とか入れときましょうかね?(笑)「インターネット設計の思想史」みたいなタイトルにしないと読んでもらえなさそう。
    という記述で,
    「おいおいおい,君らさっきkawangoの文系理系の認識について批判じみた書き方してたやん,君らの工学系の認識ってそんなのでいいのかよ」と思わずツッコんでしまった.
    しかしこれに関しては,対談の雰囲気や著者らのバックグラウンドを考えると,笑って許せる程度でもある.


    ちなみに私は学位・職業・所属からして工学系の人間なので,ここに読者はいるよ!という気持ち.非常に興味深く読んだ.

  • 大学図・1F開架 547A/B25b

  • 面白いが、知らないことが多かった。

  • 80年のインターネット前史から、
    2010年代のインフラとなったインターネットまでを
    二人の視点で語る。
    コンピューターも通信も高価で、
    コードを知っていることが前提にあるような頃に
    インターネットが持っていた意味と、
    ビジネスに利用され、誰でもが意識することなく生活の中で使う今では
    まったく違っている。
    生まれたときからネットが当たり前にある時代では
    ネットは別の世界として独立したものではなく、
    ネットそのものについて考えることもなく、
    結局、数が多ければ勝ち、みたいな場所に
    行きついてしまうというしょうもなさ。
    倫理はどんどん見えなくなって、扇動が目的になっていく。
    おもしろいから数が集まるのではなく、
    数を集める(そしてお金が集まる)ために作られるという倒錯。
    だったら嘘でもいいのかよ、
    というところまでネットの質は落ちている。
    一般の人でもネットから何かができる、という状態だったのが、
    結局ネットの上でも、
    突出した個人とそれ以外という構図が出来上がっていく。
    ネタとして扱っていたものを、本気で信じる人が出る。
    グーグルが検索できたワールドワイドな世界も、
    TwitterやLINEという、検索で見えない閉じた世界が拡張していく。
    ウエブの主体も文字ではなく映像や音楽へと移っている。
    今後インターネットを倫理と設計の問題として
    語れる世代は少数派となっていく。
    確かに、ただの道具になった敷居の低い今のネットについて、
    考えることはなくなっていくよね。
    でも依然としてネットは、コンピューターやプログラムの知識で
    何かを起こせるもので、
    どんどん複雑になり生半可なアタマでは追い付かず、
    影響力も広範囲で大きい存在でもあるはず。
    考えもなく信用して気軽に使っているには
    危険なものであることに変わりはないし、
    とりあえず意識くらいはしておかないといけないよ。

  • んーーー。

  • 前半はつまらなくて、後半はモヤモヤして終わった

  • さやわかさんは「さわやか」さんだと思ってた。読んでる途中で気付いた。ムーノーの頃からだからかれこれ十年以上も勘違いしてた。

  • インターネットがどのように語られてきたかについて、その実感をメインに交えて語られた本。

    大まかな流れのようなものを再認識できる。

  • インターネット史に対する人文的な考察。池田さんにしろこういう本は好物。
    でも2017年に書かれた本、しかも言説史であるにも関わらず大統領選やフェイクニュースについてほとんど言及がない。この部分の考察をもうちょっと読みたかった。

  • これと「インターネットの教科書」は貴重本

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著者プロフィール

ばるぼら| Barbora
20 世紀生まれ。ネットワーカー・古雑誌蒐集家・周辺文化研究家。インターネットおよび自主制作文化について執筆、調査・研究を行う。著書に『教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書』『ウェブアニメーション大百科』(共に翔泳社、2005 年/2006 年)、『NYLON100%』『岡崎京子の研究』(共にアスペクト、2008 年/ 2012 年)。共著に『20 世紀エディトリアル・オデッセイ』(赤田祐一との共著、誠文堂新光社、2014 年)、『定本 消されたマンガ』(赤田祐一との共著、彩図社、2016 年)、『僕たちのインターネット史』(さやわかとの共著、亜紀書房、2017 年)、『日本のZINE について知ってることすべて』(野中モモとの共著、誠文堂新光社、2017 年)などがある。

「2018年 『インスタグラムと現代視覚文化論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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