フィフティ・ピープル (となりの国のものがたり1)

  • 亜紀書房
4.16
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本棚登録 : 2378
感想 : 119
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  • Amazon.co.jp ・本 (488ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750515649

作品紹介・あらすじ

痛くて、おかしくて、悲しくて、愛しい。

50人のドラマが、あやとりのように絡まり合う。
韓国文学をリードする若手作家による、めくるめく連作短編小説集。

ものがたりの楽しさに満ちた、韓国小説の新シリーズ創刊!

感想・レビュー・書評

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  • 面白かったです。
    著者があとがきに書いていますが、
    「主人公がいないと同時に、誰もが主人公である物語」
    と言う、変わった作品。
    50人全員が主人公で、一人ひとりのストーリーは数ページと、ごく短い。
    でも、みんなどこかですれ違っていて、読み進めていくと、
    あれ?この人はあの時の?
    さっき登場した人かな?
    と、あちこちに顔を出す。
    そんな発見も楽しい。

    舞台は韓国の首都圏のどこか、という設定です。
    日本との文化のちがい、社会問題なども、ごく普通の町の人々の生活から知ることができ、興味深かったです。

    • aoi-soraさん
      私も順番待ちだったけど、そんなに多くなかったよ(^^)v
      なおなおさんも是非〜♪

      でもね、読み終えるのに結構時間かかったよ。私はね(^.^...
      私も順番待ちだったけど、そんなに多くなかったよ(^^)v
      なおなおさんも是非〜♪

      でもね、読み終えるのに結構時間かかったよ。私はね(^.^;
      あれ?
      この人、どこに出てきたっけ?
      あ、これ、あの人だったのかー!
      とか、確かめたくて、前のページに戻って確認してたから(笑)
      あーもー、記憶力っ>⁠.⁠<
      2022/12/11
    • なおなおさん
      あおいさん

      なるほどー。
      あの人誰?この人いたっけ?どこにいた?…ってありますよね。
      あと韓国の小説は人物の名前が覚えられなくて。
      私も言...
      あおいさん

      なるほどー。
      あの人誰?この人いたっけ?どこにいた?…ってありますよね。
      あと韓国の小説は人物の名前が覚えられなくて。
      私も言わせて!記憶力っモォ…(。´>д<)ノ)))ペシペシ
      2022/12/11
    • aoi-soraさん
      そうそう
      韓国の人の名前!
      はっきり言って、男か女かも分からず混乱したり(笑)

      とりあえず、予約だね(⁠。⁠•̀⁠ᴗ⁠-⁠)⁠✧
      そうそう
      韓国の人の名前!
      はっきり言って、男か女かも分からず混乱したり(笑)

      とりあえず、予約だね(⁠。⁠•̀⁠ᴗ⁠-⁠)⁠✧
      2022/12/11
  • 物語は韓国の首都圏のどこかにある大学病院にまつわる人々の話を集めたもの
    病院内が舞台ではなく、病院は空港のような一つのハブあり、そこに勤務する人々を含め病院を通過しながらお互いにすれ違い、影響を与え合っている

    そして、主人公はいない
    主人公がいないと同時に、登場人物全員が主人公
    その数「フィフティ・ピープル」50人!
    実際は51人だそうです…
    (著者が書きすぎたらしいですw)
    さらに、独立した章を持たずにあっちこちに出入りする人物もいるので、人数は52人、53人…と、数え方によって違ってくるらしいw

    最初は、面白く読んでいましたがさすがに50人オーバーはちょっと多すぎ…w
    半分の25人ぐらいは読んだかな(^.^;

    残念ながら返却日が来たので一旦図書館に返却します
    また借りることがあれば、あなたが何人目かはわかりませんが、「チェ・デファンさん」あなたの章から読み始めますねw

    • 1Q84O1さん
      その通りです!
      韓国人名前覚えれない…(^.^;
      50人もいたら覚えるつもりもないですが…w
      その通りです!
      韓国人名前覚えれない…(^.^;
      50人もいたら覚えるつもりもないですが…w
      2023/06/27
    • mihiroさん
      1Qさ〜ん、こんばんは(*^^*)
      登場人物50人!!笑
      私がこないだ読んだのも登場人物多すぎと思ったけど、軽く超えてきましたね〜笑ꉂꉂ(ᵔ...
      1Qさ〜ん、こんばんは(*^^*)
      登場人物50人!!笑
      私がこないだ読んだのも登場人物多すぎと思ったけど、軽く超えてきましたね〜笑ꉂꉂ(ᵔᗜᵔ*)
      しかも聞きなれない韓国名だと余計に訳分からなくなりそうかも(^_^;)
      また機会があれば!で次いっちゃいましよ〜♡♡
      2023/06/27
    • 1Q84O1さん
      mihiroさーん、こんばんはです♪
      そうなんです!50人!w
      そして名前ややこしい〜w
      ひとりひとりの章は短いですが、50人いると全ページ...
      mihiroさーん、こんばんはです♪
      そうなんです!50人!w
      そして名前ややこしい〜w
      ひとりひとりの章は短いですが、50人いると全ページは450ページオーバーだったかな…(^.^;
      (今回は最後まで読んでませんが…)
      さぁ、次行きますよー(`・ω・´)ゞ
      2023/06/27
  • YouTubeの『東京の本屋さん』というチャンネルの#木曜日は本曜日という企画で佐久間宣行さんが絶賛していたので、気になって読んでみた。

    韓国のとある大病院を舞台に、そこで働くスタッフや患者、彼らの家族、近隣に住む人々等、総勢51人の登場人物が織りなす群像劇短編集。

    51人もの大人物からなる群像劇なので、主人公としてのストーリーはほんの数ページだが、各章(登場人物同士)が連鎖的に繋がり、別の章では脇役として登場してくる人物もいる為、いろいろな視点からキャラクターを見つめることができる。
    また、2016年に韓国で起きた複数の事件が題材になっており、韓国の時事問題にも触れることができる。

    以下個人的に印象に残ったキャラクター。
    ・ハニョン、ジジ、イサクの交友関係が素敵。
    ・イジンの話(友人の子供の名前が思い出せない)はどこの国もあるあるなんだと思ったし、道中で過去のメッセージを読み返すリアルさにも親近感。
    ・ウソプの話(ソゲッティングの女神の話)についても、婚活事情は韓国も同じなんだなと思った。
    ・ハンナの司書の仕事、いいなと思った。
    ・へリョンのマニュアル好きな性格はすごく共感できた。
    ・ウナムの話とへリョンの話に出て来るソンミのさっぱりしたキャラクターがとても好き。本作の中で1番友達になりたいキャラクター。きっと同じように感じている読者も多いはずなのに、ソンミ視点での物語は無いというところもこの本の面白さだなと思った。

    最後に…
    短編で主人公が変わっていくとはいえ、ミステリーのように伏線回収やどんでん返しといった刺激、ワクワク感がない為、途中でやや失速気味に。最後は気合いでゴール。
    お隣の国でありながら、韓国には一度も行ったことがなく、文化や環境も違う為、なかなか深いところで共感することができなかったのが原因かなと思う。
    ただ、裏を返せば、韓国という国を知るファーストステップとして、本作はかなり馴染みやすい作品だったと思う。(あらゆる時事ネタが広く浅く取り上げられており、かつ短編なので)
    今流行りの韓国文学、気になるという人にはおすすめの一冊。

  • 話題になってたので図書館で借りてやっと読めた。韓国の大病院やその近くに住む人たちの話。
    登場人物が少しずつ絡み合って、韓国の名前にあまり馴染みのない私には、誰がなにやらと少々混乱しつつも楽しく読めた。
    それぞれの話は短く、重い話もあるし、毎回特別な何かが起こるわけではないんだけど、それでもとても良かった。
    ラストはどう終わるんだろうと思ったけど、うまいことまとめられており良かった。
    手元に置いておきたい本かも。

  • 大都市のベッドタウンだろうか? 
    わりと大きな病院があって、そのとなりには映画館もはいるわりと大きなビルがあって そのまわりに人々が住む街。

    ひとりひとりのお話は短くて でも”小腹を満たす”程度には面白く 一つ読んでは満足し 二つ読んでは続きはこんど ....と、読むのにえらく時間をかけてしまった。

    でも読み終わるとすぐ、もう一度読みたくなる。

    となりの国のものがたり とシリーズにしてあるけれど これは隣人たちの物語。
    普通の人々の生活を ぐるっと見回して 自分も住んでいるかのように感じるそんな街の物語。

    ぱっと見カッコイイ ビルはあっても、一般人の家はイマイチだとか、どうも働きすぎる傾向があるとか、なのに上の人には言いたいことを言いづらいとか、すごく普通、すごくわかる。

    軽い毛布がじんわりと温みをくれるような 当たり前の共感がじわじわ来る よい本でした。

  • とってもとってもとっても良い本。
    大きな病院のある地域を中心にした連作小説で、タイトル通り50人の人の章がある。
    その50人が別の人の章に登場したり、個人の章はなくても複数の章に登場する人たちがいたりと皆が行き来する小説だ。
    一人一人の章は短いけれど、皆これまで生きて来た重さと体温がしっかりあるので、実際に知り合ったような気持ちになった。
    なので、辛いことが書かれていると、読む私もとても辛い。
    なのに、しばらく他の人たちの話を読んで、またその出来事や人物に言及があった時、すっかり忘れていた自分にショックを受ける、ということを何度か繰り返した。
    あんなに悲しいと思ったのに。
    そして、フィクションの中だけでなく、現実でも私はそうやってたくさんの人の苦しみをすぐに忘れたり、見過ごしたりしているのだと痛感した。
    しかし、この作品で一番泣いた台詞が、
    「去年は、何でこんなことやるんだろうって思ってたんですけど……何でやるのか、ちょっとわかりました」
    というものなのだけど、そうだ、わからなかったことをわかるように、忘れてしまっていたことを覚えているように、見過ごしてきたことを見過ごさないように、私はちょっとずつでもなっていけるのだ、私がそう決めさえすれば。そして私は決める。
    そんな風に思わせてくれる、とっても良い作品だった。
    しんどいところもあるけれど、文章の温かみとユーモアが優しく包んでくれる。
    あと、最後の人物索引が最高。

  • 様々な年齢の、時代の物語があつまっていて、たった数頁の物語に涙したり、既視感を覚える話に胸がキュッとしたり。その日の気分でひらいた頁に感慨深い物語がある。
    日本にもそんな物語が日常溢れているなと感じることばかり。
    いつの時代も、マイナスな視点で〇〇世代は〜と語られるけど、ながい歴史を辿っていけば何かが変化してするときはネガティブな言葉が飛び交っている。それを見れば、どの立場も時代にあったやり方を身につけることがよりよいものを作っていけると知っているはずなのに、何十年も同じ時代を生きた人達、そこで成功体験を知った人達には、対応に難しい理解し難い事象が多いのかもしれない。世界でも多くの学者が日本はその世代が学ばなければ良いほうに変わらないと言われているように、新しい時代には新しい苦しみ、まだ知らない見たことのない世界があることを学ばなければいけない。それらを理解した上で、何十年も同じ時代を生きた人達は、開き直りではなくきちんと必要なノウハウを身につけ、新しい時代を共につくり歩いていく逞しさが求められるのだと感じました。そうでなければ、はだかの王様になってしまうから。たとえば周りによくいる「何を言ってもセクハラだと言われるなら何も言えん!」と言う人や「優しいは弱い、無責任な優しさばかり!」と自身が信じる精神論を語る人... どの立場にとっての強さなのか、どんな境遇の人にとっての厳しさなのだろうか。そのひと言で命取りになることや、その厳しさで大切なものを失うこと、無責任な厳しさが誰かの人生を奪ってきたことを、知らない無知な言葉たち。まわりを見渡せば価値観が広がった時代に、数多くの物語を、知らない、理解できない人がたくさんいる。それは何を言えばいいのかを学ぶときで、新しい指導法を生み出すときで、きっととてもシンプルな話なんだと思う。どんな言葉があるのだろうかと、優しさの中にある厳しさや強さを学ぶには、温かい目がどうすれば伝わるのだろうと、成功への新しい道、新しい歩き方、価値観、教養を身につける必要があり、それが他者への、次世代への、そして自分自身対する強く優しい厳しさではないのかとも思う。言葉も生き物なので、古くなるもの、消えるもの、生まれるもの、人の心に寄り添うもの、様々です。それは後ろ向きなことではなく、自身の経験を生かしながら、より良い言葉を紡いでいく柔らかい力とスキルが求められるし、それをせずに嘆きばかりを口にするのは、今までの経験もこれからの時間も、勿体無いなと思う。時代は変わるけど、いつだって大切なものは変わらずに残り続けている気がするし、今ある新しいものも、昔からそうであったかのように、自然に今はそこにある。遠い昔の〇〇時代、ちょっと近くの〇〇世代、感じ方は違っても、変わることは自然なこと。それはすべて人々が努力した奇跡の結果です。よりよい世界を願った想いが詰まっているのではないかと感じます。ネガティブな言葉で呪いをかけずに、新しく作られたよりよいものに目を向けながら、生きる言葉を紡いでいけたら思う。よりよい世界を願い、努力しつ続けることが尊い奇跡。それは人の矜持のような気がする。年齢や立場の違う人たちの環境や境遇、想像にも及ばなかった価値観が存在することを、多くの物語から学び、少しでも知らなかった世界を知るきっかけになればいいですね。

  • 210611*読了

    あまりにもよくて、何度も読み返したいと思えた小説。
    図書館で借りたのだけれど、これは買って手元に置いておきたいと思います。

    50人(51人)が主人公の短編がつまった本。
    ソウル中心部から離れた町の大学病院とその周辺で起こる出来事が書かれています。
    少しずつ物語が繋がっていて、誰もが主人公であり、誰もが登場人物(脇役)になるところがとてもいい。
    これだけたくさんの人のストーリーがあるので、誰かしらには共感できる部分や自分と重なる部分があると思います。
    悩みや生きづらさ、しんどさを誰もが少しは抱えていて、それを抱えながら他者と接し、心を癒したり、前を向いたりできているのだなぁ。

    外国の氏名は得てして覚えにくいので、名前は忘れてしまったのだけれど、私は司書さんから治験の管理の仕事に転職した女性や、文芸学科で教えていて、事故にあってしまった女性に共感を覚えました。

    韓国ならではの文化や、韓国ならではの社会問題を織り込んだお話も多く、知っているようで知らないお隣の国についての知識が増えました。
    最近、韓国のエッセイや小説が書店に並ぶことが増えてきているのもあって、韓国の作家さんの本を読む機会が多くなって嬉しいです。
    新たな出会いを楽しんでいます。

  • 多くの話を、できるだけ、短く、軽く、ハートウォームに仕立ててているが、そこにはいくつもの気が重いテーマがひそんでおり、著者の社会に対する硬派なまなざしに打たれる。韓国の人々を愛しつつ韓国社会のあり方に憤る。韓国社会に生きる人でなければ、この作品にきちんと共感することはできないかもしれない。それだけに巻末の訳者解説は重要だと思った。

  • コミック「異国日記7巻」を読んでいたら、この本が出てきていた。どんな本なのか、早速読んでみて引き込まれた。
    韓国の小都市の病院を中心に、すれ違ったり、そのすれ違った人がまたかかわった事が広がっていく、
    50人の人たちそれぞれの日常。出来事。事件。事故。人生。
    読みごたえはあるけれど、読みやすく、間違いなく記憶に残る一冊。出会えてよかった。

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著者プロフィール

1984年ソウル生まれ。編集者として働いた後、2010年に雑誌『ファンタスティック』に「ドリーム、ドリーム、ドリーム」を発表してデビュー。13年『アンダー、サンダー、テンダー』(吉川凪訳、クオン)で第7回チャンビ長編小説賞、17年に『フィフティ・ピープル』(斎藤真理子訳、亜紀書房)で第50回韓国日報文学賞を受賞。純文学、SF、ファンタジー、ホラーなどジャンルを超えて多彩な作品を発表し、幅広い世代から愛され続けている。他の小説作品に『保健室のアン・ウニョン先生』(斎藤真理子訳)、『屋上で会いましょう』(すんみ訳)、『声をあげます』(斎藤真理子訳)、『シソンから、』(斎藤真理子訳)、『地球でハナだけ』(すんみ訳、以上、亜紀書房)などがある。

「2023年 『八重歯が見たい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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