最後の手紙

  • 亜紀書房
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750516011

作品紹介・あらすじ

別れがつらいのは、それだけ多くのものを 受け取ったから

別れた夫の思い出のみを胸に戦後を生きた女性。
その遺品の手紙が語り出す、悲しい真実とは。
イタリア人の目を通して描く、実話に基づいた「原爆と戦争」の傷跡――

日本人男性と結婚したイタリア人の著者は、結婚の挨拶に広島を訪れた。
義理の叔母ゆり子と話すうち、別れた夫を想い続けるゆり子に興味をひかれていく。深く愛し合っていたふたりは、なぜ引き裂かれてしまったのか。

村上春樹作品の翻訳者が綴った感涙のノンフィクション・ノベル

「二人の悲劇を歴史のせいにするのは、虫が良すぎる事だと分かっています。ですが、幸せになる事は、強い人間だけに与えられた権利なのでしょうか。」
(本文より)

感想・レビュー・書評

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  • ちょっと踏み込みが浅いかな、という気がしないでもない。
    こういう古風な恋物語が、イタリアではどう評価されたのか、気になる。
    あと、端々に顔を出すイタリア人の主人公から見た日本の価値観というのが、ちょっと面白かった。

  • イタリア人目線で描かれる日本の戦争のことは、新鮮でした、、思わぬことに気づかせていただきました。
    私が好きな国、イタリア。イタリア人の人柄が本の中でも、日本人の支えとなっていました

  • 日本人の夫をもつイタリア人の女性の目を通して語られる、実話を基にした太平洋戦争悲話。義母の妹・ゆり子の秘められた過去は、戦時下に結婚した夫婦、広島に投下された原爆、その後の長く続く苦しみを伝える。タイトルとなった『最後の手紙』は、ゆり子の夫から届いた文字通り最後の手紙で、そこに綴られた内容になんとも言いようのない憤りを覚えた。

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著者プロフィール

1946年、イタリアのトリノに生まれる。ジュネーヴ大学でジャン・ピアジェの指導のもと教育心理学部を卒業後、パリのソルボンヌ大学で修士課程を修了。ジョルジュ・ポンピドゥー国立芸術文化センターで働いたのち77年に来日、大阪外国語大学イタリア語学科の客員教授を務める。93年にイタリアに帰国し、以来、日本文学の翻訳・紹介に精力的に携わる傍ら、執筆活動もおこなっている。村上春樹の多くの作品をはじめ、夏目漱石、安部公房、井上靖、中上健次、池澤夏樹、桐野夏生、川上弘美など、名だたる作家の作品を次々に翻訳。イタリアにおける日本文学翻訳の第一人者として定評がある。2017年には村上春樹著『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』の翻訳で、第21回野間文芸翻訳賞を受賞。
初めての小説となる本書(原題:Mia amata Yuriko〔愛しいゆり子へ〕)のほかに、エッセイ集「女たちの日本で」(Nel Giappone delle donne)、「畳のうえの軽やかな足どり」(Leggero il passo sui tatami)などの著作がある。

「2019年 『最後の手紙』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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