蜜のように甘く

  • 亜紀書房
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本棚登録 : 130
レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750516455

作品紹介・あらすじ

沈黙を抱える者たちの視線が交差し、気高い光を放つ。
胸に刻まれたその残像が、今も消えない。 ——小川洋子さん推薦!


戦争で夫を亡くし、足のケアサロンを営むペイジ。
斜向かいに住む大学教師ベンの密かな楽しみは、ペイジの生活の一部始終を観察することだった。

ある日ベンは、意を決し初めて店を訪れる。
足を洗ってもらっているあいだに、ひとり語りを始め、忘れ得ぬ事故のことを打ち明けるベン。
悲惨な体験を通して、孤独な二人の心は結びつくのだが……(「初心」)。


79歳の作家が贈る、全10篇の濃密な小説世界。


「世界最高の短編作家」(ロンドン・タイムス)
「現存する最高のアメリカ作家による、最高傑作集」(ボストン・グローブ紙)

——なんとまあ大袈裟な、と思う方は、是非とも本書を読んで確認していただきたい(古屋美登里)

感想・レビュー・書評

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  • 【今週はこれを読め! エンタメ編】最高の短篇作家の作品集〜イーディス・パールマン『蜜のように甘く』 - 松井ゆかり|WEB本の雑誌
    http://www.webdoku.jp/newshz/matsui/2020/06/17/182327.html

    蜜のように甘く – 亜紀書房のウェブショップ〈あき地の本屋さん〉
    https://akishoboshop.com/products/9784750516455

  • 表紙は御本人?いつものように予備知識なく手に取り、なんかヨーロッパっぽいのかなー、と思ったらプロビデンスの人だって。アメリカの超北東。しまった短編(苦手)だよ。これがいい短編だった。沢山この人の書く物読みたいと思わせるし、上手い。皆さん褒めてらっしゃるけど、もうね、嫌いな人はいないだろう。強烈な個性っていうんじゃないんだけど、なんかさ、ぼーっとお茶してる時に、誰か入店してきて、なんとも言えず素敵な人っているじゃん?余裕あって、こっちがジロジロ見てんのに気にしない人。そういう感じがした。うーん駄目な感想。

  • ニューヨークタイムズ、ロンドンタイムズ紙絶賛の短編小説家!?という触れ込みを見て読んでみた。

    確かに、ハマる人はハマりそう。
    しかし私はハマりたくてもハマれなかった。

    文化がよくわからない!
    その言葉一つの裏側にある深い意味を読み取ることができなくてやきもきした。

    登場人物の名前に馴染みがなさすぎて男の人なのか女の人なのかどういう雰囲気の人なのか想像できなくて苦労する、というのは序の口。土地の名前もピンとこない。

    たとえば。
    同じ海岸の話でも、
    香川の海なのか
    神奈川の海なのか
    新潟の海なのかでは
    私たち日本人のイメージするものは
    だいぶ異なると思うのだが、
    もし地名に馴染みのない人が読んだら
    伝わる雰囲気も半減するだろう。
    そういうことが多すぎた。

    私がアメリカ人だったらきっと好きになっていた作家さんだと思う。訳はとても読みやすかったし、注釈もついていた。たまに心に刺さる文章もあった。けれど、自分の理解力不足で十分に楽しめていない感じがとても残念に思えた。

  • 必要最小限の簡潔な文章が心地よい。
    無駄を削ぎ落とされすぎて
    登場人物たちのつながりや背景がつかめず
    まれに戸惑うものの
    読みすすめるうちにそれらを
    より明確に深く濃く感じることになる。
    あえて書かないことの奥深さ。
    読む人にゆだねる潔さ。
    大きな出来事は何も起きず
    この不幸ではないものの
    何かが足りないような
    光とともに影がずっと漂っている状態こそ
    日常というものなのかもしれない。

  • 日常のさり気ない描写から現れる、人間の心の機微が、最初は何とも思わなくても、もう一度読んだときに、愕然としてしまうような、物語の変貌ぶりが印象に残りました。

    また、物事の見つめ方がニュートラルである分、読者それぞれの感じ方で入りやすかったのと同時に、見えない裏の部分を解釈させる難しさも感じ、短篇の内容によって、私の好みも分かれました。

  • ★4.5
    全10編が収録された短編集。日常をさり気なく切り取り、登場人物に寄り添いながらも俯瞰的に見られる、距離感が絶妙な作品揃い。そして、過分も不足もない簡潔で濃密な文章に、ただただ感嘆するばかり。恐らく原文も素晴らしいだろうけれど、それを余すことなく訳してくれた古屋さんに感謝したい。私的には「お城四号」がお気に入りで、ゼフとキャサリンの関係が切なくも美しかった。その他では、遊び心と皮肉を感じる「帽子の手品」、少女の複雑な心境と悲哀を感じる「幸福の子孫」も面白い。表紙は著者自身、素敵な作家に出会えた。

  • すばらしく繊細でスリリングで美しい短編集。珍しい出来事や奇想があるわけではない。読者に近しい市井の人々の営み、生と死、喜びや悲しみが作品1つ1つに凝縮されている。その表現の巧みさと描き出されたイメージの豊かさに驚く。70才を過ぎた女性作家だという点でも深みを増しているのかもしれない。「帽子の手品」には、恋愛・結婚・離婚・独身・仕事、女性の様々な生き方が凝縮されており、それらは全てあたたかく肯定されている。そして多くの短編で繰り返される、老いと病と死も印象に残る。この先老いていく自分を見つめるきっかけになる。
    作家の「双眼鏡からの眺め」も必ず読まなくては。

  • この短編集の雰囲気を豊かさを、わたしの語彙力では表現むり。10篇のうち特に好みな「お城四号」「蜜のように甘く」は萩尾望都、山岸凉子、ヤマシタトモコ、よしながふみのみなさんがマンガ化してくれてほしい切望で、つまりそういう深さ美しさのお話なんです。

  • なんなんだろう、この人のよさは。現代の短篇小説家のトップに位置するうちの1人、と言って決して過言ではないはず。
    『初心』『従妹のジェイミー』『帽子の手品』が特に◎。しんみりじんわりというよりも、仄かなユーモアが漂ってきながらちょっと皮肉が浮かび上がってくるようなものが好きだな。

  • 今のわたしにはちょっと合わなかったようだ。
    もう20年くらい経ったら面白く読めるだろうか。

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