あんぱん ジャムパン クリームパン——女三人モヤモヤ日記

  • 亜紀書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750516554

感想・レビュー・書評

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  • 兵庫に住むライターの青山ゆみこさん、東京に住む校正者の牟田郁子さん、翻訳者の村井理子さんの女三人コロナ渦リレー日記。

    コロナ渦でのそれぞれの思い。

    当たり前かもしれないけど、人類の未曾有の危機の中でも、生きているものは、それぞれの生活が続き、人生も続いてゆく。
    悩みがあり、不安があり、喜びがあり、別れもある。

    その中でこうやって適度な距離感を保ちながら、胸のうちを
    吐露しあえる関係の人がいるというのは、心強いだろうと思う。

    特にコロナ渦、最初の緊急事態宣言でのとらえどころのない不安を的確な言葉で書き著されていたのが印象に残った。

    青山さんは「『わたし』である前に『わたしたち』でいなきゃいけないような『圧』が強くて、自分の頭と身体がうまく使えないような。」

    牟田さんは「個々人のいろんな『苦しさ』が巨大な掃除機みたいなものに、ぎゅいーんと吸い上げられて、紙パックの中で、くるくる回転しているうちに、もやもやとした灰色の『みんなの苦しさ』に、いつのまにか変換されてしまう」

    村井さんは「考えれば考えるほど、いま、この状況を目撃している私は、何をしたらいいのか、なぜこんなことになったのか、なぜこの時代に生きているのか、考えずに入られない」

    でも、この最中でもペットの動物達は生きるべくして生きていて、村井さんの双子の息子さん達の食欲は旺盛。偉大だ。

    青山さんは『ほんのちょっと当事者』村井さんは『兄の終い』の方。牟田さんは、はじめましてだったのですが、若松英輔さんのエッセイ『悲しみの秘義』に関わった方だそうだ。

  • 村井理子氏にハマってしまい、何冊目だろうか?

    神戸在住のライター、ゆみこあんぱん
    東京で働く校正者、さとこジャムパン
    琵琶湖のほとりで暮らす翻訳家、りこクリームパン

    3人リレーの交換日記18通のやりとり!
    可愛い表紙とイラストやお三方の撮った食べ物、風景、ニャン、ワンの写真入り
    読みやすく1時間ほどで読み終えた

    あーそうそう!コロナ禍自粛期間中は、仕事大変だった(T ^ T)
    交通機関に乗るだけでストレスだった( ; ; )ギリギリしていた毎日だったよなぁ、、と思い出しながら読んだ

    ・「わたし」である前に「わたしたち」でいなきゃいけ ないような「圧」が強くて byゆみこあんぱん

    ・「不自由さ」と物理的な困難とは別のもので「息苦しさ」「後ろめたさ」というほうが、体感としては正確なのかもしれない  byさとこジャムパン

    ・人間の強さはもしかしたら、あやふやで壊れやすいものを信じ込むことができる部分に宿っているのかもしれません  byりこクリームパン

    人と会う、語ることがどれほど大事であるかを再認識したコロナ禍だったと思う

    3人リレー日記を読み終わり
    ゆみこあんぱんの「ほんのちょっと当事者」を読んでみたい!
    さとこジャムパンの関わった若松英輔氏の「悲しみの秘儀」を読もう!と
    次の読みたい本に繋がることが楽しい!

    ※暑苦しいほどの焼きそば愛のゆみこあんぱん直伝
    「焼きそば」を次の休みに作ろう♪( ´▽`)

  • ライター、校正者、翻訳家のコロナ禍交換日記。

    前代未聞の状況下、モヤモヤを吐き出してカタチにすれば、なんだかふわっと救われるような…

    脅威のウイルスに負けない、心ふくらむパン酵母のようなパワーをふんわりくれる本⚘⚘⚘

    青山さんの焼きそばは何度も何度も作っていますᵕ̈*

  • エッセイ、好きです。内容にもよるけれど。
    同じ想いの人を見つけてホッとしたり、違う考えの人を見つけて感心したり衝撃を受けたり。
    この本でもコロナ禍でモヤモヤごちゃごちゃしてた気持ちを少し整理できた気がしました。

  • “絶望しても、朝がきて昼ごはんを食べて、夜になったら寝て、また朝がくる。生活は続く。なんだかそれだけ。毎日が繰り返されるだけ。「だけ」って思っちゃう”

    “だから今回の大変な自粛生活のことも、それが終わった後のことも、たぶん鍋に突っ込んでフタをするんでしょう。そしてしばらく煮込むんだと思います。(中略)でもね最後には全部食ってやろうと思います。まるで闇鍋のようで怖いですね。でも、味に深みが出そう”

    “最近は、自分の機嫌を良くすることに必死です。機嫌良く生きるってサバイバルの条件なんだなぁと感じる今日この頃です”

    ライター・編集者の青山ゆみこさん、フリーランスの校正者牟田都子さん、翻訳家・エッセイスト村井理子さんの女三人が2020年4月から6月までの期間に行った往復書簡というか、交換日記。世界中が新型コロナウィルスに戦々恐々とし、日本では緊急事態宣言が発令され、自粛要請という名の軟禁状態だった。本に関わる仕事をしているけど、その前に色んな事情が個々にある大人たちの不安を、雑談のようにつらつらとやり取りしている。

    あの頃、こんな風に漠然と不安だった。その気持ちを、あの時の空気感を思い出した。

    SNSで“誰か”に向かってつぶやくよりも、ねえねえ聞いてよって知ってる人に、会えてたはずの人に話すのはやっぱり少し違うんだな。お互いの人となり、事情をある程度理解して、その人たちに「ちょっとホントにやんなっちゃう」って投げることが少しでも安心に繋がっていたんだ。

  • 『あんぱん ジャムパン クリームパン 女三人モヤモヤ日記』(亜紀書房): ひるねこBOOKSブログ 本の紹介と本のこと
    http://hirunekodou.seesaa.net/article/476456741.html

    亜紀書房 - あんぱん ジャムパン クリームパン 女三人モヤモヤ日記
    https://www.akishobo.com/book/detail.html?id=965


  • 内容紹介 (Amazonより)

    神戸在住のライター・ 青山ゆみこ、
    東京で働く校正者・ 牟田都子、
    琵琶湖のほとりで暮らす翻訳家・ 村井理子。

    いろいろありながらも平和に生きてきた3人を(そして世界中を)疫病の影が覆い、生活は一変。


    さあ、たいへん。めっちゃ辛い。
    ——そうだ、交換日記をやろう。きっとみんな、同じ気持ちを抱えているだろうから。


    仕事、急に増えた家事、家族やペットのこと、必死で探したほっとする時間。
    人生を揺るがす出来事を前に、戸惑い、恐れ、苦しむ。
    でも、おいしいものを食べて、みんなで話せば何とかやっていけるかも。
    日々のモヤモヤを3人でつづるエッセイ集。


    不安だらけだけど、おしゃべりしてひと息入れよ?




    このコロナ禍であまり深刻になり過ぎず 気軽に読めて共感出来る。
    この1年間を振り返りながら読みました。
    楽しみにしていたコンサートや 舞台鑑賞が出来なくなったのはとても残念でしかたなかったです。
    幸い仕事には影響なく 今のところ過ごしていますが いつまで続くのやら...
    買い物は週1で主人に運転を頼み大量買い 外食はもう1年以上していません。たまにお持ち帰りくらいです。
    まぁ、どちらかというとインドア派なので たまに行く旅行が行けないのは寂しいですが 読書、映画、ドラマ三昧の毎日を送っています。
    おかげでだいぶ視力が低下してしまった...
    深刻に考えてもなるようにしかならないので ボチボチやっていきたいと思っています。

  • 『いままでは見えていなかった、見ないことにしてやり過ごしてきた価値観の違いと、今後はいやでも向き合わざるをえないのでしょう。』

    コロナ禍で交わされた「交換日記」。
    まだ渦中にあるため、足元が定まらない気持ちで読んだ。
    御三方も不安定な状況と心境で執筆したのだろうけど、その中でも言葉の選び方が上手くて、状況を把握するのにやっぱり言葉は大事だなぁと思う。
    共感したり、涙したりしながら読み終えて、私も友達に手紙を書きたくなった。

  • ジャムパン三姉妹こと、青山ゆみこさん·牟田都子さん·村井理子さんのコロナ禍での交換日記。
    緊急事態宣言が出されてからすぐの作品で、色々あったなぁ、とあの頃を思い出す。
    感じ方や捉え方がまさに三者三様で、価値観は人それぞれだよな、なんて当たり前のことを再認識した。

    青山ゆみこさんの焼きそばレシピを是非ためしてみたい。

  • もっと軽い内容かと思っていたらディープな話題が多く、こういう話を出来る大人の関係って良いなぁと思った。
    カジュアルなテーマもあって、青山ゆみこさんが紹介していた焼きそばの作り方にはぜひチャレンジしてみたい。

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著者プロフィール

フリーランスの編集・ライター。1971年神戸市生まれ。神戸松蔭女子学院大学非常勤講師。対話型文章講座を主宰。著書に『人生最後のご馳走』(幻冬舎文庫)、エッセイ『ほんのちょっと当事者』(ミシマ社)。共著に『あんぱん ジャムパン クリームパン 女三人モヤモヤ日記』(亜紀書房)、震災後の神戸の聞き書き集『BE KOBE』(ポプラ社)などがある。

「2024年 『元気じゃないけど、悪くない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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