モノも石も死者も生きている世界の民から人類学者が教わったこと

著者 :
  • 亜紀書房
3.09
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本棚登録 : 133
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750516615

作品紹介・あらすじ

息苦しいこの世界からの出口は、ある。

片づけコンサルタント「こんまり」のメソッドは、
自分とモノとの純粋な対話ではなく、自分自身との対話を目指すものなのではないか。
アニミズムとは、地球や宇宙における存在者のうち、人間だけが必ずしも主人なのではないという考え方だとすれば、自分との対話を目指すのは、人間のことだけしか考えていないという意味で、真のアニミズムとは呼べないのではないか。
本書の出発点は、ここにある。


アニミズムは「原初の人間の心性」として過去のものとされてきた。
しかし、そこには、人間の精神を豊かにするヒントが隠されているのではないか。
文学、哲学の大胆な解釈とフィールド経験を縦横に織り合わせて、「人間的なるもの」の外へと通じるアニミズムの沃野を探検する。

人間が世界の「主人」をやめた時、動物、モノ、死者との対話がはじまる。

感想・レビュー・書評

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  • ナウシカ、宮沢賢治からベルクソンまで幅広い事象から、人とモノ・動物の関係について話を紹介しアニミズムを考えるきっかけを与えてくれる一冊。

    アニミズムと聞くと縄文時代の石棒や、インディアンのトーテムポールが思い浮かぶかもしれない。だが、この本は断捨離の話題から始まる。
    「ときめくモノは残し、ときめかないものは捨てる」片付けメソッドで有名な近藤麻理子は「モノとの対話」を行って片付けをすることを勧める。
    筆者は「モノとの対話」は、モノにも生命があると考えるアニミズムに通じているとようではあるが、実際はモノを通じて自分との対話をしているのではないかという疑いを抱く。純粋なアニミズムなのか/人間中心主義なのかという疑問が本書の大きなテーマとなっている。

     ナウシカ、宮沢賢治からベルクソンまで幅広い事象から、人とモノ・動物の関係について話を紹介しアニミズムを考えるきっかけを与えてくれる一冊。
     
    『意識とは何だろうか?』において、「他者の心は実在するのではなく、あるものとして学ばれる結果実在する」と述べられている。自分がいるからこそ相手に心があるというのは、モノとの場合に限らず、他者との関わりにおいても当てはまると思う。
    モノ自体に意識や思考がなくとも、そこにある心は他者にある心と同質であるなら、人がモノに人格を与えるのも納得できた。

  • おもしろい。
    でも知っている常識とは全く違う常識が書かれてるので、腑に落ちにくい。そして疑問も多い。

    分け与えるのが当たり前の社会であるのに、(P142)争いが起こりたった二人の兄妹しか残ってない状態というのがよくわからない。説明がほしい。

    結婚はともかく離婚が簡単で片方が飽きた程度で離婚成立。その後に再婚もする。
    結婚離婚なれした人だと頻繁に行いそう。
    毎日のように離婚結婚する人とか居なかったんだろうか。簡単ということはそういうことになるのではないだろうか。

    「死」との距離のとり方も興味深い表現があった。
    配偶者をなくすと、名前を変えて過ごし、再婚すると本名に戻す。
    死者の名を呼ぶことはなく、しかたなく呼ぶ場合は迂遠な表現でつたえるなど。
    「死」への畏怖が有る。

    なるほどと思うこともあれば、なんでそうなってるのか不思議なこともあり面白い。
    あと、書かれてるほど上手くいくとは思えないことも多い。

    とても好奇心がくすぐられる本です。

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50213195

  • アニミズムについての論考を寄せ集めた本という印象。章間の連関がよくわからなかったものの、ひとつひとつの章は面白く読んだ。
    紹介されていた「動物にひそむ贈与(gift in the animal)」という考えが気になったので引き続き調べてみたい。

  • 真のアニミズムを様々な側面から探っていく
    面白くはあったが、綺麗にまとまっている訳ではなく、少し読みにくかったかな

  • 著者 奥野 克巳
    価格 1,700円(税別)
    発売日 2020年9月25日
    判型 四六判
    製本 並製
    頁数 256頁
    ISBN 978-4-7505-1661-5
    Cコード C0010


    息苦しいこの世界からの出口は、ある。

    片づけコンサルタント「こんまり」のメソッドは、
    自分とモノとの純粋な対話ではなく、自分自身との対話を目指すものなのではないか。
    アニミズムとは、地球や宇宙における存在者のうち、人間だけが必ずしも主人なのではないという考え方だとすれば、自分との対話を目指すのは、人間のことだけしか考えていないという意味で、真のアニミズムとは呼べないのではないか。
    本書の出発点は、ここにある。


    アニミズムは「原初の人間の心性」として過去のものとされてきた。
    しかし、そこには、人間の精神を豊かにするヒントが隠されているのではないか。
    文学、哲学の大胆な解釈とフィールド経験を縦横に織り合わせて、「人間的なるもの」の外へと通じるアニミズムの沃野を探検する。

    人間が世界の「主人」をやめた時、動物、モノ、死者との対話がはじまる。

    著者紹介
    奥野 克巳(おくの・かつみ)
    1962年生まれ。立教大学異文化コミュニケーション学部教授。
    20歳でメキシコ・シエラマドレ山脈先住民テペワノの村に滞在し、バングラデシュで上座部仏教の僧となり、トルコのクルディスタンを旅し、インドネシアを1年間経巡った後に文化人類学を専攻。
    1994~95年に東南アジア・ボルネオ島焼畑民カリスのシャーマニズムと呪術の調査研究、2006年以降、同島の狩猟民プナンとともに研究している。
    著作に、『ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと』(2018年、亜紀書房)など多数。共訳書に、エドゥアルド・コーン著『森は考える―人間的なるものを超えた人類学』(2016年、亜紀書房)、レーン・ウィラースレフ著『ソウル・ハンターズ―シベリア・ユカギールのアニミズムの人類』(2018年、亜紀書房)、ティム・インゴルド著『人類学とは何か』(2000年、亜紀書房)。
    https://www.akishobo.com/book/detail.html?id=970&st=4

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著者プロフィール

1962年生。立教大学異文化コミュニケーション学部教授。

「2021年 『たぐい vol.3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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