- 本 ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784750516639
作品紹介・あらすじ
学費のため風俗に走る女子大生、貧困地域で蔓延する主婦の売春、低賃金で部品のように働かされる介護現場。
——「貧困」は社会のいちばん弱い部分を直撃する。
バブル崩壊から日本社会は転げ落ちはじめた。
終身雇用、労働組合のあり方、すべてが時代遅れとされ、ネオリベ(新自由主義)と自己責任論が社会を席捲した。
そこで犠牲になったのは、主に女性たちと若者。
そして、いま中年男性が狙われている。
国が決めたマクロな政策はときに末端の人々を壮絶な現実に陥れる。
——衰退途上国で、次に堕ちるのは、中年の男たちだ。
衰退途上国・日本の現状を徹底討論したノンフィクションライターと政治学者による平成30年史。そして未来は?
感想・レビュー・書評
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368.2
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ネオリベというキーワードを軸にこの30年の没落を見ると、いろいろなことが腑に落ちる
という内容
自分の考えや行動を深く反省するきっかけになる本
対談形式で結論が見えにくいところが難点 -
国立女性教育会館 女性教育情報センターOPACへ→https://winet2.nwec.go.jp/bunken/opac_link/bibid/BB11486054
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高齢者介護への、特に中村氏の表現ぶりが、到底受け入れがたかった。このほか、「本来性風俗をやるべきでない人たち」という複数回現れる表現に時々垣間見える、性風俗などに対する差別的思考には残念。
昭和の日本は福祉国家だった、ネオリベ入ってきて変わったというけれど、構造化が単純すぎないか。昭和の日本は、「一般的」と国家がみなした国民(サラリーマン・専業主婦・子で構成される”フツー”の核家族)には手厚かったかもしれないけど、例えば障害をもった人などへの福祉は、全くだった。
低所得者層がなぜ”ネオリベ”を支持するのか、という点は、キャラクターみて「わー!」って投票する、という感覚的な捉え方がされていたが、その点の分析は以前読んだ「貧困・育児・介護の政治」にあった。
他方、国の予算配分が貧困を生み出す原因になる、とか、分断を作り出して批判を免れる、といった構造は、そのとおりだと思う。最近読んだほかの人たちの本でも指摘されていた。
著者プロフィール
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