詩集 たましいの世話

著者 :
  • 亜紀書房
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本棚登録 : 89
感想 : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (120ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750516844

作品紹介・あらすじ

 
 亡くなったのは
 わたしが愛した
 あの人で
 千人の中の
 一人ではないのです

 たった
 ひとつの
 いのちを喪った
 わたしのような
 人間がいるのを
 忘れないで下さい

 ——「いのち ひとつ」


先に逝ってしまった大切なあなたへ。

残された者にできるのは言葉を贈ること。
悲しみと祈りを込めて紡がれる、34の言葉の捧げもの。

感想・レビュー・書評

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  • とても共感を覚えました。
    まるで、自分のこころのうちから出てきたのかと錯覚するような詩ばかりでした(まさか私がこんな言葉を紡げる訳がないのですが、それほど共感したという意味です)。

    でも、谷川俊太郎さんの詩を読んで「いい詩だなあ」とは思っても「自分の心と同じだなあ」とはあまり思ったことはないので、何かしらシンパシーが近い方なのかもしれません。
    年齢が近いし、ごく普通のことばを使ってごく普通のことを語られているせいなのかもしれません。
    人の死に関する詩が多く、普遍性があるのかもしれないです。
    7割以上の詩に共感しました。

    若松英輔さんの今まで4冊の詩集は、全部図書館で借りて読んできましたが、果たしてこんなに共感していたものなのか実はよく覚えていません。

    全部で34篇の詩が載っています。
    巻頭の詩「いのち ひとつ」はたくさんの命を亡くすことになった(今日、現在5193名)今の緩いコロナ対策を平気でやっている政治家の方たちに読んでもらいたいです。


    「いのち ひとつ」
    亡くなったのは
    わたしが愛した
    あの人で
    千人の中の
    一人ではないのです

    もう抱き合えない
    あの人は
    街を歩く 千人を
    どんなに探しても
    見つかりません

    亡くなった人が
    多いとか
    少ないとか
    そうした
    話の奥には いつも

    たった ひとつの
    命を喪った
    わたしのような
    人間がいるのを
    忘れないで下さい


    「花」
    花が咲いている
    今日が
    暖かいから
    咲いたのではない

    寒くて 人間が
    肩をすぼめ
    下を向いて
    歩いていたときも

    樹々は
    しずかに
    わずかな あたたかみを
    たくわえていたのだ

    きっと 花が咲く
    気づかないうちに
    わたしの
    こころのなかでも



    「悲しい人」「はげまし」「しあわせのあかし」「慰めの方法」「別れ」「履歴書」「誓い」「胸底」も共感を強く感じました。

    • りまのさん
      まことさん
      私も、共感いたしました。少し、涙が滲みました。父の言った言葉を、思い出します。父の、おじいさん(私の、ひいおじいさん)が亡くなっ...
      まことさん
      私も、共感いたしました。少し、涙が滲みました。父の言った言葉を、思い出します。父の、おじいさん(私の、ひいおじいさん)が亡くなったとき、90代だったので、皆が、大往生だ、と言っていたけど、そんなんじゃない、もっともっと、生きていてほしかった、と、、、

      若松英輔氏の詩集を、私も読んでみたくなりました。
      2021/01/26
    • まことさん
      りまのさん。
      コメントありがとうございます。
      私も父が50代で亡くなっています。
      もう、誰も亡くなってほしくありません。
      特に大切な...
      りまのさん。
      コメントありがとうございます。
      私も父が50代で亡くなっています。
      もう、誰も亡くなってほしくありません。
      特に大切な人には。

      若松英輔さんの詩集も、是非読まれてみてください。
      2021/01/26
  • 『手』

     やるべきことを
     探して
     長い間
     いろんなところに
     旅をした

     でも 大事なのは
     簡単には語り出さない
     自分の
     心の声に そっと
     耳を傾けることだった

     忙しそうな姿を
     見せないで 君が
     困っているときに
     じっと
     そばにいることだった
     …

  • 【GQ読書案内】3月に読みたい「詩」の3冊 | GQ Japan
    https://www.gqjapan.jp/culture/article/20210329-gq-books-guide-march

    亜紀書房 - 詩集 たましいの世話
    https://www.akishobo.com/book/detail.html?id=996&st=4

  • ずっと読みたかった。このタイミングで読めて良かった。購入したい。手元に置いて、胸に抱き、何度も読みたい。

  • 深く、静謐な悲しみを湛えた言葉たちが織り成す34編の詩は喪失という傷口に滲み通って優しく縫い合わせるかのようです。生きることは別離と出会いの連続であり、何かを喪うことは避けられない。己の生を含めて。印象に残った詩は『なぐさめの真珠』。『苦しみも/悲しみも/手放してはならない/人生という/貝殻が/なぐさめの真珠を/宿すまで』酷く傷付いて絶望したとしても、それは何時か核となって美しい結晶となる。苦しみと悲しみを知っているからこそ、尚も傷の結晶は美しく輝き出す。それはその人の心の深さであり、温かさでもあると思う。この詩集を読んで自分の傷が愛おしく感じました。素敵な詩集なので、繰り返し読みたい。

  • 2021I047 911.56/Wa
    配架場所:A3 東工大の先生の本

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著者プロフィール

批評家、随筆家。1968年、新潟県生まれ。慶應義塾大学文学部仏文科卒業。2007年「越知保夫とその時代――求道の文学」にて第14回三田文学新人賞評論部門当選、2016年『叡智の哲学――小林秀雄と井筒俊彦』(慶應義塾大学出版会)にて第2回西脇順三郎学術賞受賞、2018年『詩集 見えない涙』(亜紀書房)にて第33回詩歌文学館賞詩部門受賞、『小林秀雄――美しい花』(文藝春秋)にて第16回角川財団学芸賞、2019年第16回蓮如賞受賞。その他の著書に『悲しみの秘儀』(文春文庫)、『種まく人』『詩集 美しいとき』(亜紀書房)、『学びのきほん はじめての利他学』『学びのきほん 考える教室――大人のための哲学入門』『14歳の教室――どう読みどう生きるか』(NHK出版)など。

「2023年 『新約聖書 福音書 2023年4月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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