越えていく人 南米、日系の若者たちをたずねて

  • 亜紀書房
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本棚登録 : 111
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750516851

作品紹介・あらすじ

日系移民の子孫たちの言葉から浮かび上がる、もう一つの日本近代史





この本を読み進めていて何より実感できたのは、私たちがどんな国に帰属していようと、どこに移り住もうと、所詮は誰しも地球という惑星の、逞しき住民ということだ。

--ヤマザキマリ氏



出会えば出会うほどわからなくなる。それでも少しずつわかっていく。

期待を現実で溶かしていくための、ゆっくりで誠実な旅の記録。

--望月優大氏



私もそうだけど、もう誰もかもがじつは日系移民なんだな、たまたま日本に住み続けてまだ移動してないだけで。

そのあり方は私たちが思っている「日本人」よりはるかに多彩だ。

--星野智幸氏



移民たちはみな未知なる世界へと旅に出たが、それは〝同一性・帰属意識〞を探求する旅でもあった。

だが彼らは帰る場所を探しているわけではない。陽が昇る未来に向かい今も旅を続けているのだ。

--宮沢和史氏





沖縄からペルーへ移住した先祖を持ち、首都リマで生まれた演出家。

二〇年ぶりに訪れた生まれ故郷で、沖縄系日系人の祭りに参加する。

——自分もここで日系人として育っていたかもしれない。



かつて多くの日本人が南米へ渡った。

その子孫にあたる若者たちの話を聞きたい。

ペルー、アルゼンチン、パラグアイ、ブラジル、ボリビア。

彼らをたずねる旅が始まった。

感想・レビュー・書評

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  • <書評>『越えていく人』 多様な移民新世代の輪郭 - 琉球新報デジタル|沖縄のニュース速報・情報サイト
    https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1361375.html

    亜紀書房 - 越えていく人 南米、日系の若者たちをたずねて
    https://www.akishobo.com/book/detail.html?id=1003&st=1

  • 私は日本人しか関わったことがないし、移住なんかも周りに聞いたことがない。
    より一層聞きたくても聞けない貴重なお話。歴史に思いを巡らせて。

  • 私にも縁のある南米の日系人社会について、旅をしながら実際に現地の日系人を取材したもの。作者は自らもペルー生まれで南米に縁があり劇団の主宰者。おもしろい経歴で興味深い。自分の気持ちを正直に書いており、私の文章もそういう傾向があるのでとても好感を持った。今コロナ禍ということもあるが、旅に出ても濃密なコミュニケーションを取ることが難しいので、コロナ前とはいえそんなことをやってのけた作者はすごいと思う。こんな旅ができたらおもしろいだろうと思うがなかなかできるものではなくそれを実行しまとめ上げた作者はすごいの一言。

  • ブラジルには日系の方がいるのは知っていたけど、パラグアイやボリビアにいるのは知らなかったなぁ。

    (以下若干うる覚えです)
    日系同士で結婚したいと考えている人もいるとのことで、驚いた。自分では、現地に出来るだけ馴染んだ(同化)した方が安泰なのではと勝手にイメージを持ってたけど、日本語が流暢な地域?や人もいると知り、その人達にとっては普通なんだろうけど、やっぱりすごいなと思う。

    私自身は1年のしか海外に居たことないけど、その時は初対面な人に「日本人です」と自己紹介する機会も多いから、日本にいるときは一切日本人であると意識しないけど、日々「私、日本人なんだなー」少し意識してたな。

    最終的に著者が反省してて面白かった。

    今は海外とか考えられる状況じゃないけど、南米行ってみたいな~(南米について無知で、知識がないので解像度が低すぎて南米としか言えない悲しさ)

  • ペルーの日系移民をルーツに持つペルー生まれの著者(しかし生後間もなく日本に移り、本書冒頭時点での知識や語学力は一般日本人と大差ないレベル)が、ラテンアメリカ大陸の日系移民コミュニティをめぐる旅をまとめたエッセイ。
    しかし、これがひどい。本人にも多少自覚はあるようだ(が、反省はしていない)が、無知で無思慮で、なのに図々しい上から目線の闖入者ぶり全開なのである。
    「なんで初対面の人にタダで泊めてもらうこと前提なの?」と訊かれ、「今夜もまさにそのつもりだった…」とウッと詰まる。にもかかわらず「そのつもり」を改めようとは微塵もせず、結局初対面の人の家に転がり込むんである。
    一事が万事この調子で、親ほどに年齢の離れた人に失礼な議論をふっかけたり、かと思えば若者にぶしつけな質問をしたり、大酒くらって絡んだり、とにかくろくなことをしない。ふたことめには「○○…だったと思うがあまり覚えていない」「写真がないのでわからない」(なら撮ってこいよ!)で、取材者としても最低である。
    愛国心なんてものは涸れ果てた私でさえ、真面目に「国の恥だ」と思った。

    2021/7/29~8/16読了

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著者プロフィール

神里 雄大(かみさと・ゆうだい)
1982年、ペルーの首都リマに生まれ、生後半年で渡日し、神奈川県で育つ。早稲田大学第一文学部在学中の2003年に演劇団体「岡崎藝術座」を立ち上げる。現在は東京および京都を拠点に、劇作家、舞台演出家として活動。2006年、『しっぽをつかまれた欲望』(作:パブロ・ピカソ)で利賀演出家コンクール最優秀演出家賞受賞。2018年、『バルパライソの長い坂をくだる話』で第62回岸田國士戯曲賞受賞。国内外の舞台芸術フェスティバルへ招聘多数。平成28年度文化庁新進芸術家海外研修員として2016年10月から2017年8月までアルゼンチン・ブエノスアイレスに滞在。『亡命球児』(「新潮」2013年6月号掲載)により小説家としてもデビュー。戯曲集に『バルパライソの長い坂をくだる話』(白水社)がある。

「2021年 『越えていく人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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