声をあげます (チョン・セランの本 03)

  • 亜紀書房
3.90
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本棚登録 : 266
感想 : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750516981

作品紹介・あらすじ

地球の滅亡、感染症、種の絶滅、大量消費……《 解決の鍵はいつだって未来にある! 》

身に覚えのないことで突然、収容所に監禁された英語教師のスンギュン。16名もの教え子が殺人者になっているという。
そして、その原因が自分の“ 声” にあるというのだが……(「声をあげます」)


『フィフティ・ピープル』『保健室のアン・ウニョン先生』の人気作家が放つ初めてのSF短編集。
文明社会の行きづまりを軽やかに描き出し、今を生きる女性たちにエールを贈る、シリアスでポップな8つの物語。


二十三世紀の人たちを怒らせるのではないかと思うと私は恐ろしい。
この正常ではない、腹立たしい豊かさは最悪の結果に終わってしまうだろうと思う。
未来の人々に軽蔑されずにすむ方向へ軌道修正できたらいいのに。(「あとがき」より)

感想・レビュー・書評

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  • やっぱりこの人の作品面白いなー。
    特に『七時間め』◎

  • ディストピアの物語においても、強く印象に残るのは登場人物たちの奮闘する姿(そこには痛みを伴う楽観性といったものが漂う)と、その人々が未来に向ける視線の強さだ。遠い未来のかすかな可能性に思いをはせることについて「乗り物酔いしたときに遠くを見ていると治るのに似ている」と表現したことがあった。
    (「訳者あとがき」より一部抜粋)

    その姿勢こそ、チョン・セランの小説の魅力と感じる。この時代においては、楽観だけでは嘘くさいし、悲観も浸ると辛くてしんどい。彼女の物語は、エンターテイメントとしての読書の楽しさがありつつ、社会問題の反映とその厳しさの中でのユーモアや勇気があるので、いつも読んで良かったと思える。

  • CL 2022.4.27-2022.4.29
    軽快なSF作品。
    コミカルで軽いタッチの文体が好きかと言うとそうでもないのだけど、ディストピアを描くにはこれくらい軽やかなほうがいいのかもしれない。

    リセット:この世界観はすごい。現代文明への痛烈な批判なんだけど、深刻になりすぎない書き振りであっさり読めるのがいい。

    地球ランド:地球ランドには天使が生身の生物として存在するのか。あーこれは普通に愛の物語だった。

    SFは基本的にそうなんだけど、この作家は、舞台設定がブッ飛んでいて、もうそこから面白い

  • 声をあげます、リセット、地球ランド革命記、メダリストのゾンビ時代、小さな空色の錠剤が面白かった。
    メダリストのゾンビ時代でゾンビが流行っても電気とサブスクサービスが続いていることが妙にリアルな感じがした。
    小さな空色の錠剤であらゆる記憶が完全に残るのも大変だなと思った。
    地球ランド革命記は変な世界だった。

  • 「声をあげます」が抜群に面白かった。チョンセランと同時代に生きていることを、ハッピーに思う。高校生の頃、筒井康隆氏が大好きだったことを思い出した。SF、日本では懐かしい気のするジャンルだと思っていたけど、面白い。

  • SFは文明批評の色彩を帯びることが少なくないが、そこで試されるのは作者の社会に対する洞察力である。どの作品についても作者は悲観的なだけでもなく楽観的なだけでもない。ただどのような状況でも、人間は人間であり続けるだろうことを、軽やかに物語っている。

  • 消えた指を探しに色々な時代にタイムスリップする話や、突然やってきた巨大なミミズが文明を滅ぼす話、約三時間の記憶を永遠に保存できる認知症の薬が試験や恋愛、果ては拷問に転用される話などが皮肉やユーモアを交えて描かれる。著者が抱く現代の豊かさへの疑問に共感できた。

  • SF短編集
    十一分の一
    ユジョンとギュジンの話好きだな、ぶっ飛んでるけど、先輩たちもいいね。あり得そうな未来と木星移住とは。
    リセット
    私たちはこの惑星の資源をすべて枯渇させ、無責任なゴミをばかりを絶え間なく作っていた。ぞっとするほど種の絶滅があった。
    自分で自分の種に吐き気を感じていても、軌道修正はできなかった。

  • 読後も温かい気持ちのままでいられるSF。

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著者プロフィール

1984年ソウル生まれ。編集者として働いた後、2010年に雑誌『ファンタスティック』に「ドリーム、ドリーム、ドリーム」を発表してデビュー。13年『アンダー、サンダー、テンダー』(吉川凪訳、クオン)で第7回チャンビ長編小説賞、17年に『フィフティ・ピープル』(斎藤真理子訳、亜紀書房)で第50回韓国日報文学賞を受賞。純文学、SF、ファンタジー、ホラーなどジャンルを超えて多彩な作品を発表し、幅広い世代から愛され続けている。
他の小説作品に『保健室のアン・ウニョン先生』(斎藤真理子訳)、『屋上で会いましょう』(すんみ訳)、『声をあげます』(斎藤真理子訳、以上、亜紀書房)、『地球でハナだけ』『八重歯が見たい』などがある。

「2021年 『シソンから、』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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