つながり過ぎないでいい 非定型発達の生存戦略

  • 亜紀書房 (2022年5月25日発売)
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本 ・本 (216ページ) / ISBN・EAN: 9784750517261

作品紹介・あらすじ

《コミュニケーションで悩む人たちへ》



コミュニケーションや感情表現が上手できないと悩んだ著者はやがて、当たり障りなく人とやり取りする技術を身につけていく。



だが、難なく意思疎通ができることは、本当に良いこと、正しいことなのか。

なめらかにしゃべれてしまうことの方が、奇妙なのではないか。



「言語とは何なのか」「自分を言葉で表現するとは、どういうことなのか」の深層に迫る、自身の体験を踏まえた「当事者研究」。





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自分だけのものであるはずの感情を、多くの人に共通する「言葉で表す」ことなど、どうしてできるのだろうか。

そして、人に「伝える」とはどういうことなのか――。



言葉、存在、コミュニケーションをめぐる思考の旅が始まる。

感想・レビュー・書評

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  • はじめまして 尹雄大より - だいわlog
    https://daiwa-log.com/magazine/yun_irina/life01/

    亜紀書房の本 試し読み - 尹雄大『つながり過ぎないでいい』——非定型に発達しているだけ | ウェブマガジン「あき地」
    https://www.akishobo.com/akichi/tameshiyomi/v39

    尹雄大さん「モヤモヤの正体」インタビュー 同調圧力の息苦しさ、緩めるには|好書好日(2020.03.25)
    https://book.asahi.com/article/13239766

    亜紀書房 - つながり過ぎないでいい 非定型発達の生存戦略
    https://www.akishobo.com/book/detail.html?id=1060&st=1

  • おもしろかった。特に障害のある人の話のところ。
    個性的な文章なので、読むのが少し大変だったけど、
    言い得て妙な表現がたくさんあって、
    すこんと腑に落ちる、共感できるどストライクな文章がくるとうれしくなった。

  • 著者の長期にわたる綿密な自己観察と言語化の取り組みに圧倒された。
    ここまで突き詰めずにいられなかった切実さを思うと胸が詰まる。
    交際相手とのやりとりで「行くあてのない感情というものが人にはあるし、それを他人に向けて示してもいいんだという発見」をしたという記述。
    同じ体験はあっても、私には言語化の姿勢がなかったので、記憶を改めて捉え直すことができた。
    感情以前の身体感覚や、意図・演出の込められた感情表現なども、意識してみたら躓きが減るかもしれない。あるいはこれまでとは違う転び方をとれるかも。

  • いや〜難しかった…
    帯に「非定型発達の生存戦略」とあるように、非定型発達なら通ずることがあるのだろうか。
    少なからず定型に違和感があったからこそ手に取ったけど、捉えている世界はまた違うのかもしれない。

    けれど、所々分かるところもあり。
    第三章の知的障害者支援施設での経験を踏まえた内容がそうだった。
    「働く=賃労働、なのか?」という問いは自分の中に残っている。

    当たり前、普通とされることを疑う、
    というと使い古された言い方になってしまうけれど、
    普通とは何か、を意識するきっかけとなった。
    マジョリティに合わせる形で作られた社会での普通という考え方があり、それに合わない人たちは、無理して普通に合わせるか、合わせられないと認められた人は支援の対象、という風に扱われているのかもしれない。
    一方的すぎやしないか。
    現在の社会では普通に合わせることを求められ、マイノリティ側の希望を挙げても、配慮してあげる、合わせてあげる、という強弱関係に陥りやすい。
    どうしたらいいんだろう。
    …という問いを立てることになった一冊でした。

  • 読みづらく分かりづらい表現が多く感じた。
    分からないが7割、分かるが3割の塩梅だった。

  • 人と滑らかに会話できた方が危険なのではないか、なぜなら、滑らかに話せるということは自分が勝手に作り上げたストーリーに沿って話してるからなのではないか。日常会話に意味なんて求めてはいないけど、会話自体が目的の場合には、相手との関係性を深めたい、自分以外の考えを知りたいといった意味が伴うと思う。つながりたいから会話する。この本を読んで、その会話が、排他的で独りよがりだったと思い知らされた。ハウツー本ではないので実践に移すことは難しいのだが、ただ読む前と後では気づきや視点が増えたので、受け入れられない事態にあっても排他的になる際の抑止力になったと思う。考えは人それぞれであるべきだし、必ずしも分かち合わなくていいとは思っているが、やはりそれでは不十分な気がする。相手と自分のベターな妥協点を探ることを放棄してはいけないと思う。もし相手とつながりたいのであれば。まだ自分の中で整理しきれていないので、また時間を置いて、読み直そうと思う。

  • うーん、びみょう。わたしには何が何だかさっぱり分からなかった。

  • “社会性のなさだけを取り上げられ、自分を全否定されると、それがもたらすのは萎縮しかない。自分という存在と他者という存在。関わり方は人それぞれなはずだ。けれども、定型の発達が期待されている中では「人それぞれ」という多様性の尊重は、スローガンほどには許されていない。人それぞれが可能になるには、冗長さが、時間の遅延が欠かせない。”(p.9)


    “人は頭だけで考えると上気してしまう。それでもあれこれと際限なく考えられはする。そこで注目したいのは、「胸襟を開く」とか「open my heart」あるいは「腑に落ちる」「my gut feeling」という表現がある通り、人には頭ではなく胸や腹の理解があり、そこか、生まれる言葉や表現があることた。”(p.142)

  • 言わんとすることはわからんでもないのだけれど、自分語り的な語りかたが強く、フレームワークもその使い方も提示しないので、なんだかなあ、と思う。
    胚胎期間、という考え方はまあたしかにそれっぽいけれど、徹頭徹尾自分の感覚でしか話をしないので、同じような課題感を持っている人意外にはピンとこないまま終わる印象。自分が想定読者じゃないのかな。

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著者プロフィール

1970年神戸市生まれ。インタビュアー&ライター。政財界人やアスリート、アーティストなど約1000人に取材し、その経験と様々な武術を稽古した 体験をもとに身体論を展開している。
主な著書に『さよなら、男社会』(亜紀書房)、『異聞風土記 1975-2017』『親指が行方不明』(以上、晶文社)、『モヤモヤの正体』(ミシマ社)、『脇道にそれる』(春秋社)など。

「2022年 『つながり過ぎないでいい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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