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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784750518367
作品紹介・あらすじ
【推薦】三ツ矢雄二さん(声優/マルチクリエイター)
「BLのボイスドラマの元祖は、佐川さんと私だったのだ!
お耽美な世界を佐川さんと二人三脚で走り抜けた時代を、思い出しました。」
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伝説の「元祖BL雑誌」の企画・創刊者が語る、華麗なる、やおい、BL(ボーイズラブ)、おたく、サブカルチャー前史!
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1970年代後半、アニメ専門誌が次々と創刊され、第1回コミケが開催された、おたく文化の黎明期――。
同人文化、2次創作が盛り上がりをみせる中、密やかに、『JUNE』という妖しい花が開花しつつあった!
「美少年」「お耽美」からBLの誕生まで。
〈アルバイトの思い付きから始まって、手探りでつくった『JUNE』という雑誌は、今では「元祖BL雑誌」というありがたい称号までいただいています。これからお話しするのは、まだ「美少年って何じゃ?」というのが、僕にも、読者にも、もしかしたら作家さんにもよくわかっていなかった、すごくモヤモヤするけど、そのモヤモヤにどうしようもなく惹かれてしまった――そんな時代の出来事です〉(本書より)
感想・レビュー・書評
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今どきの若い子はもう知らないかもしれない、かつて『JUNE』という女性むけの美少年お耽美雑誌があったことを。かくいう私も10代後半くらいに存在は知っていたものの、購入した記憶はありません。なんか禁断の匂いがぷんぷんしてたんですよね(笑)我が家は母親が子供の読む本を検閲するタイプ(学校行ってるあいだとかに部屋をガサいれする)だったので、これは読みたくても部屋に置いておけないから無理だなと思っていました。
本書はそんな『JUNE』の生みの親である著者による、『JUNE』のみならず出版界のおたく・サブカル史、BL史となっており、なかなか読み応えがありました。公式に残されることのない歴史の生き証人的な面白さがあり。
発端としては、著者の佐川俊彦が1970年代にサン出版でアルバイトしていた時に、何か企画を出すように言われ、当時少女マンガ界で24年組の登場によりじわじわと盛り上がりを見せていた男性同士の恋愛ものに注目、そのアイデアが採用されて1978年スタートしたのがJUNEの前身である『Comic JUN』。ところが同名のファッションブランドJUNからクレームが入ってJUNEに改名。
サン出版はもともと官能系(笑)の出版社で、編集長の得意分野はSM、同性愛雑誌としては『さぶ』も出版しており、しかしこちらはあくまでガチのゲイの男性むけ。『JUNE』の新しさは、あくまでターゲットが女性だったというところ。
著者の学生時代のサークルその他の人脈を駆使して、中島梓(栗本薫)や、24年組の漫画家たち(表紙は竹宮惠子、ささやななえは著者と結婚)が集まり、今思ってもなかなかの豪華執筆陣。しかしそれだけではページ数が埋まらないため、「ヴェニスに死す」などの美少年映画情報、デヴィッド・ボウイやJAPANなどの中性的アーティストの音楽情報なども。こういうのも、かえって他にない魅力だったのではという気がします。
そして竹宮惠子による「ケーコタンのお絵描き教室」と中島梓による「中島梓の小説道場」の連載。これはどちらも、不足する執筆陣を補うためにじゃあ公募しちゃおうみたいな面もあったようで。「ケーコタンのお絵描き教室」第1回で取り上げられた投稿作品はなんと西炯子。どちらからも多くの作家・漫画家を輩出。『JUNE』は休刊→復刊を経て、姉妹誌『小説JUNE』へと事業拡大。小ジュネは本誌を超える部数を売り上げることも。
しかし80年代後半になって、二次創作同人誌による「やおい」ブーム、そこから90年代にかけて今のBLへと繋がるムーブメントが起こるわけですが、皮肉にも、これがJUNEの息の根を止めることになるんですね…。
JUNEを現す重要なワードであるところの「お耽美」これがJUNEの個性だったと思うのですが、そこに含まれる一種の様式美や悲劇性、美しくあること=ある意味「文学的」で高尚なものとして愛でられていた美少年・美青年の同性愛が、BLというお手軽で過激なエロにとってかわられてしまった。別物だからこそ共存できるのではと思いきや、実際は古き良きお耽美は駆逐されてしまったのですね。こうしてJUNEは1995年に休刊。(小説JUNEのほうがその後もしばらく長らえたのは、活字読者層は安易なエロより高尚なものを求める傾向が強かったということでしょうか)
個人的に面白かった小ネタエピソードは、聖闘士星矢全盛期に、腐女子界隈がもりあがっていたため車田正美にダメ元でインタビュー申し込んだら受けてくれたという話。その後車田先生は、アンドロメダ瞬の修業時代の仲間としてカメレオン座の女性聖闘士ジュネを登場させてくれた(笑)
あと今でこそBLのOVAやボイスドラマも珍しくはないですが、当時人気声優の三ツ矢雄二と鈴置洋孝のカップリングで本邦初の男同士のボイスドラマが作られた話も興味深かったです。 -
唯一無二の存在であった JUNEは、ある人たちにとって避難地であり楽園であり、飛び立つ力を与えてくれたものだっただろう。
作り手と読者が共に育て上げた存在。何とも幸せな気持ちに包まれた。
オタク文化黎明期の記録としても必読の書。もっと知りたい。 -
70年代末に雑誌「JUNE」を企画・創刊した編集者・ライターで現在は京都精華大学漫画学部で准教授も務める佐川俊彦さんの回想録。
「JUNE」創刊以前、70年台の「おたく」な若者たちの活動や、「JUNE」の裏話や様々な漫画家などとの交流が書かれている。
「JUNE」の読者ではなかったし竹宮恵子や中島梓(栗本薫)をほとんど通ってこなかった自分にも、「OUT」を意識して創刊された話や「やおい誕生秘話?」などいろいろ興味深い話が出てくる。
とりあえず一番驚いたのは創刊当時のエディトリアル・デザインを秋山道男が手がけていたという事実。創刊当時の編集長であり「さぶ」の
編集長でもあった櫻木徹郎さんの伝手だったとのこと。「JUNE」で秋山道男の名前が出てくるとは・・・
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