眼で食べる日本人: 食品サンプルはこうして生まれた

著者 :
  • 旭屋出版
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784751103197

作品紹介・あらすじ

店に入るか、どうかの決め手となる食品サンプル。それは日本で生まれたユニークな食のメディアである。なぜ、日本で食品サンプルが誕生したのか?いつ誰が発明したのか?最初に食品サンプルを並べた店はどこか?このような食品サンプルの謎を解き明かすのが本書である。

感想・レビュー・書評

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  •  日本に来る外国人の間でも話題になるくらい注目されているものがある。それは食品サンプルだ。日本の多くの飲食店で見かける食品サンプルだが、外国にはなく(今では中国や韓国などにも広がっている)、日本独自の存在の一つだ。今回紹介するのは、そんな食品サンプルを扱った本だ。






     著者は、日本経済新聞の記者で、発行された2002年当時は、東京文化部編集委員で、食品サンプルやメニューの観察から見る美意識や地域の「食の方言」に興味を持っている。日本のB級文化をまとめた興味深い本だ。






     著者が取材していていて驚いたことがあるそうだ。それは、サンプルメーカーをまとめる協会団体が存在しないことだ。あっても不思議ではないのになぜか存在しない。そして、どのように今に至ったのかという歴史が記録されていなくて、メーカーに取材しても、サンプルの移り変わりを示すような資料がなかったことだ。






     食品サンプルを通していろいろなドラマが見えてくる。書籍になっていないジャンルだけに読むものに興味をふつふつと湧きあがらせてくれる。






     日頃お世話になっているものの一つだけに、今まで食品サンプル本がなかったのが不思議なくらいだ。

  • 食品サンプルは日本発祥だったが、あまりにも身近すぎて技術史が存在していなかった
    ヨーロッパの人からすると理解できなかったらしい
    本物の模型ではなく、そういう作品だと感じてしまった
    文化的価値観の差異が感じられて面白い
    著者は日本人は本物と偽物の境界があいまいだからと推測する。

  • この本は食品サンプルやフェイクスイーツの作り方は書いていません。食品サンプルを極めて学術的に綴った、たぶん初の本。こういう日常の中にある何気ない文化は知らない間に消えていってしまうので、研究書の形で世に残るのはしあわせなことだと思います。

  • 普段なにげなく目にする食品サンプルを、ルーツから探しだして、日本人の食に対する見方考え方を、再認識させられる手先の器用な職人芸をみせられた気がした。サンプルを見る目もちがってくる。写真もあって文章が読みやすい。

  • 実はレストランなんかで見かける本物そっくりのサンプル、あれって日本で発明?されたんですよ!作り手になりたかったので買ってみました。昔ながらの寒天と蝋を使った作り方付き!

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著者プロフィール

1951年、福岡県久留米市生まれ。日本経済新聞特任編集委員・コラムニスト、「B-1グランプリ」主催団体「ご当地グルメでまちおこし団体連絡協議会」顧問。東京都立大学法学部卒。75年、日本経済新聞社入社。社会部、生活情報部などを経て文化部編集委員。地方独自の食文化に注目し著した『全日本「食の方言」地図』(日本経済新聞社、後に改題、『天ぷらにソースをかけますか?』新潮文庫)が話題となる。他の著書に、『文学ご馳走帖』(幻冬舎新書)、『ちゃぶニチュード!』(幻冬舎文庫)、『納豆に砂糖を入れますか?』(新潮文庫)など。

「2017年 『食は「県民性」では語れない 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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