木を植えた男

  • あすなろ書房
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感想 : 165
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  • Amazon.co.jp ・本 (47ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784751514313

感想・レビュー・書評

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  • 壮大な、壮大すぎてまだ感想にできない。
    千里の道も一歩からなんてそんな簡単な言葉でまとめちゃいけない。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      翠さん
      えっと、、、
      先にアニメションがあって、それから絵本になっています。
      アニメーションの方が圧倒的に絵の数が多いので、機会があり...
      翠さん
      えっと、、、
      先にアニメションがあって、それから絵本になっています。
      アニメーションの方が圧倒的に絵の数が多いので、機会がありましたら是非。
      猫の憶測余談ですが、ジブリの『かぐや姫』の描画スタイルは、この『木を植えた男』に触発されたものだと思います。
      2023/11/01
    • 翠さん
      猫丸さん
      無知でお恥ずかしい限りでございます。。
      アニメーションがあってからの絵本だったのですか!
      クラック!を見ていて、なんとなーく「かぐ...
      猫丸さん
      無知でお恥ずかしい限りでございます。。
      アニメーションがあってからの絵本だったのですか!
      クラック!を見ていて、なんとなーく「かぐや姫の物語」と雰囲気が似てるなぁとは思っていたんですが、こちらでしたか。
      絵本であれだけ素敵だったんだから、アニメーションはもっと良いんだろうなぁ。。
      折に触れて探してみたいと思います。
      2023/11/01
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      翠さん
      > お恥ずかしい限りでございます。。
      そんなコトはないですよー
      世界は知らないコトで満ち溢れていますから。
      翠さん
      > お恥ずかしい限りでございます。。
      そんなコトはないですよー
      世界は知らないコトで満ち溢れていますから。
      2023/11/06
  • 普通の速度で音読しても30分以上はかかるため、お話会には到底不向きな一冊。
    でも大人はもちろんのこと、高学年以上の子にぜひおすすめしたい名作。
    ひとは時にこんな奇跡のようなことをなしうるのだと、知ってもらいたい。

    ところで、再々・・・・読くらいだろうか。何度目の読了かもう数え切れない。
    初めて読んだ時の感動はいまだに心に深くとどまり、更なる発見もあった。
    最後のページのエルゼアール・ブフィエ氏(木を植えた男の名前ね)のいくつかの顔は、ダ・ヴィンチの素描にそっくりだし、そのひとつ前の杖を持ってたたずむ姿はモーゼにそっくり(と言っても古い映画の記憶だが)だったりする。
    このエルゼアール・ブフィエ氏の存在が、すでに神格化しているのかもしれない。
    語り手である主人公は、ブフィエ氏ではなく、彼を見守る若い男。
    フランスのプロバンス地方の、山を分け入った険しい土地で展開していく。

    木を植える男は寡黙で、誰に頼まれたのでもなくたった独りで、荒涼とした土地にカシワのどんぐりを植え続ける。
    その数10万個。芽を出したのが2万個という、空恐ろしい事業を続けている。
    その頃近くの村人は争いの中に生き、荒涼とした土地と同じく荒れ果てた心を持っていた。
    その後、若い男は第一次世界大戦に従軍し心をすり減らして帰還。
    再び木を植える男のところへ行ってみると、なんと戦争も関係なく木を植え続けた結果、長さ11キロ、幅3キロにも及ぶ林が出来ていた。

    物語の挿絵はこの場面から瑞々しい緑色が付いていく。
    色とりどりの花の咲く美しい山里に群れ集う人々。
    たったひとりの男の丹精込めた技でここまでになったと、誰が知るだろう?
    実話にもとづいた創作ではあっても、ここまで心に深く訴える作品は本当に珍しい。
    生きていることに虚しさをおぼえる日が来たら、どうかこの本を開いて欲しい。
    ブフィエ氏の生き方に何かしら学ぶものがあるかと。
    そして、すべてのひとがこのように「不屈の精神」と「たゆまない熱情」とを併せ持っていたら、この世はどんなにか素晴らしいだろうと思わずにいられない。

  • 世間から見捨てられたような荒れ地に木を植え続けたブフィエ氏の物語。
    家族を亡くした孤独の中、不毛の地に生命の種を蒔くことにささやかな喜びを見出した彼は、来る日も来る日も休むことなく種を植え、苗を育て続ける。たくさんの木を失うこともあったけれど、不屈の精神とたゆまない熱情であきらめることなく、土地の再生を成す。

    だけど、彼の行いを誰も知らない。

    威張ることも自慢することもなく。
    特定の誰かのためでもなく。
    ただ木を植え続けたブフィエ氏。
    積み重ねがゆっくりと、だけど確実に変化と再生をもたらす様に、自分の軟弱な心が刺激された。

    実在の人物を描いているかのような物語だった。
    あとがきのような著者紹介の欄に「自らの体験をもとに」書かれたとあるけれど、どこまで実際のお話なんだろう。

    • nejidonさん
      九月猫さん、こんにちは♪
      この本、読まれたのですね!
      読んだ後、(読みながらでも)じ~~~んときませんか?
      完全なフィクションで、ブフ...
      九月猫さん、こんにちは♪
      この本、読まれたのですね!
      読んだ後、(読みながらでも)じ~~~んときませんか?
      完全なフィクションで、ブフィエ氏という人物は存在しないそうですが、新井満さんの言葉を借りれば【事実かどうかではなく、そこに真実があるから】ひとの心を感動させるのでしょうね。
      普通の速度で読んでも30分かかるこの本を、今度中学生相手に読もうとしているワタクシです。
      出来るかなぁ。。。私の手が、本を持ち続けていられるかなぁ(笑)
      疲労でぶるぶる震えたりして。

      2014/04/12
    • 九月猫さん
      nejidonさん♪

      はい。じ~~~んと・・・きました!
      人間の可能性、努力と継続の力の素晴らしさが胸を打つ物語でした。

      これ...
      nejidonさん♪

      はい。じ~~~んと・・・きました!
      人間の可能性、努力と継続の力の素晴らしさが胸を打つ物語でした。

      これ、お話会(中学生さん相手でも、お話会っていうのかしら)でお読みになるんですか!
      それは・・・かなりたいへんそうですね。喉の調子&腕の筋肉を鍛えて臨んでくださいませ!
      子どもたちがどんな反応だったのか、またお話会の首尾など聞かせていただけると
      うれしいです(*^-^*)

      絵本は今まで読んでも登録しなかったのですが、
      先日読んだ「森かげの家」が素晴らしすぎて方針転換です。
      nejidonさんのレビュー、さらにさらに参考にさせてくださいね♪
      ちなみに「森かげの家」の余談に書いてある敬愛するブク友さんって
      nejidonさんのことですよーぅ(*^-^*)
      どこかにお礼コメントを書きたかったのですが、どこに書けばよいのか迷っていました。
      ここで書くのもなんですが・・・ありがとうございました!
      2014/04/13
    • nejidonさん
      九月猫さん、こんにちは♪
      はい、中学生でも「お話会」といいます。
      皆さん、それはそれは真剣によく聞いてくれます。
      なので、読み応えのあ...
      九月猫さん、こんにちは♪
      はい、中学生でも「お話会」といいます。
      皆さん、それはそれは真剣によく聞いてくれます。
      なので、読み応えのあるものをと考えて、これにしました。
      ただ、何度練習しても15分間しか筋力がもたなくて(笑)
      「読み聞かせ用スタンド」があるので、それに頼ろうかと思います。
      中身が伝わるように、一生懸命読むのみですね。

      おお!!【森かげの家】のレビューのブク友さんとはワタクシのことでしたか?!
      いやぁ、お恥ずかしいです・・過分な褒め言葉です。
      あの本は私の特別な一冊なので、今までどなたにもお勧めしなかったのです。
      大げさですが、魂に触れる一冊、なのです。
      いつまでも大事に大事にしまっておきたい本。
      そんな本に九月猫さんも出逢われたのだなと、妙に感動したものです。
      アンジェラ・パレットさんを好きになってくださって、お礼を言うのも変ですが私からも「ありがとうございます」。
      また素敵な作品がありましたら教えてくださいね~!絵本、大歓迎です♪
      2014/04/14
  • 妻が死んだ、
    子が死んだ、と

    俯き続ける人生では
    自分の足元以外
    何も目に入らないだろうが、
    くいっ、と視線を上げる事で、
    変わる視界が
    男の意識を大きく変えた。

    果てしなく続く荒れ野も
    変えよう、とすれば変わって行く。

    遠い未来を見据えているような
    男の静かな物思いが心に響く名作。

  •  この物語は確か映像になっていたと思います。フレデリック・パック
    の独特のタッチで描かれた絵は、荒れ野の風を描くとともに、ゆっくりと
    育っていく明るい森、確かな意思を秘めた男の姿を描いていきます。

    エルゼアール・ブフィエ
    人々の争う荒野に、ひとり黙々と木の種を捲き、森をを育ててきた男
    の物語。

    「人々のことを広く深く思いやる、優れた人格者の行いは、
    長い年月をかけて見定めて、初めてそれとしれるもの。
    名誉も報酬も求めない、まことに奥ゆかしいそのおこないは、
    いつか必ず、見るも確かな証を、地上にしるし、
    後の世の人々にあまねく恵みを施すもの」

    かくも潔く生きることはできるか。

  • 南仏プロヴァンス地方の荒れ果てた土地にひたすら来る日も来る日もドングリを植え続けた一人の農夫の話。寡黙で孤独だが、広い心を持ち、来る者拒まず、去る者追わず。20世紀の2つの世界大戦の間も黙々と木を植え続け、見違えるような豊かな土地に変えてしまった。厳しい自然と一人で向かい合い、木を植え続ける姿勢は、とても静謐で崇高に感じた。住む家の中もすっきり整理整頓できている。自暴自棄なのではなく、自分にも他人にも自然に対しても丁寧に接することが出来る人。

    人は、誰かに認められたいとか、世間の価値観でいう「幸せ」や物質的な豊かさを求めたり、周りの言動ですぐ心を乱されたりするものだが、即効的な成果の見えない木を植える行為を黙々と続け、素晴らしい土地に変える偉業を成し遂げる、本当の意味で強く幸せな人だと思った。「ネガティブをつぶすのはポジティブでなく、没頭だ」とオードリーの若林さんが本の中で言っていたことをふと思い出したりした。壮大な自然や、崇高な人に触れ、読むと視野が広くなる本。

  • 数ヶ月前のTVの特番で、映画「かぐや姫の物語」の高畑勲監督が、影響された映画としてこの作品を挙げて、フレデリック・バックさんに会いに行った映像が流れた
    余白の大切さを教えられたとのこと、高畑監督が会いに行ってから間もなくバックさんが亡くなったことを知り、気になったので、図書館で借りた

    フランス・プロヴァンス地方の山深い不毛な地域に、ひたすら、木を植えた男のおはなし
    1987年アカデミー賞短編映画賞を受賞した「木を植えた男」をもとに、絵本として新たに描き起こして構成した作品

    原作も絵も、こんなに美しい絵本をよんだのは、初めてだと思う
    荒れ果てた場所には、荒れ果てた心が宿ってしまうところを、孤独とたたかいながら、淡々と、黙々と、どんぐりや種を植えていくのは、どのような気持ちなのだろう
    強さは優しさだということが、改めて感じられる
    男の陰の努力と功績を知らない者が現れても、男は意に介さない
    実は私も、何かに支えられているのにそれに気づけておらず、大きな顔をしていたらどうしよう、と考えてしまったりもした
    植物にかぎらず、私たちも何かの種を植え続けていたら、すてきなことが訪れるだろう
    ただ、長くて言葉も難しめでおそろしい絵もあるので、小学校高学年以上におすすめしたい
    今度よみたいと思ったときには、買ってよもうと思う

  • 世界は記録に残らない無名の人々の無私の働きでできているのではと思わせる本でした。

  • 超名作です

  • 「木を植えた人」の絵本版。肉体を持って生まれた、私たちが表現出来うる、静かで穏やかな、しかしとてもパワフルな、愛の具現...心をとても揺さぶられます。
    奉仕、愛、理想、可能性...いろんなことを自らに深く問いかけてくる内容です。大人にも、強くお勧めします。

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著者プロフィール

Jean Giono.1895~1970. 
作家。プロヴァンス地方マノスク生まれ。16歳で銀行員として働き始める。1914年、第一次世界大戦に出征。1929年、長編小説『丘』がアンドレ・ジッドに認められ出版。第二次世界大戦では徴兵反対運動を行う。1939年、逮捕される。1953年の『木を植えた男』はジオノ没後、20数か国語に翻訳された。
邦訳書に『蛇座』(山本省訳、彩流社、2021年)、『純粋の探究』(山本省訳、彩流社、2021年)、『大群』(山本省訳、彩流社、2021年)、『本当の豊かさ』(山本省訳、彩流社、2020年)、『青い目のジャン』(山本省訳、彩流社、2020年)、『丘 岩波文庫』(山本省訳、岩波書店、2012年)、『ボミューニュの男』(山本省 訳、彩流社、2019年)、『二番草』(山本省 訳、彩流社、2020年)、『世界の歌』(山本省訳、河出書房新社、2005年)、『気晴らしのない王様』(酒井由紀代訳、河出書房新社、1995年)、『いかさまトランプ師の冒険』(酒井由紀代訳、河出書房新社、1997年)、『木を植えた男』(山本省訳、彩流社、2006年、他多数翻訳あり)、『屋根の上の軽騎兵』(酒井由紀代訳、河出書房新社、1997年)、『喜びは永遠に残る』(山本省訳、河出書房新社、2001年)、『憐憫の孤独』(山本省 訳、彩流社、2016年)などがある。



「2022年 『メルヴィルに挨拶するために』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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