- Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
- / ISBN・EAN: 9784751514450
感想・レビュー・書評
-
ぶたばあちゃんは、どうして自分の死期を知り、受け入れたのでしょう。見事すぎる終活、とても見習えそうにありません。老い先短い身でありながら、まだ迷ってばかりの私だから。孫むすめも、ぶたばあちゃんの死をともに受け止めて、涙をこらえてサポートします。その健気さにほろりとします。ラストの絵は、一人になった孫むすめが、ぶたばあちゃんの思い出と一緒にしっかり生きていくのだな、と思わせてくれます。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
絵本の題名(原題:OLD PIG)からは想像できなかった展開に驚かされました。<ブタばあちゃん>と<孫娘>は、もちつもたれつの慎ましく、穏やかな暮らしが続いていました。 やがて、そんな生活に終止符がうたれる時が訪れます。<ブタばあちゃん>は、借りていた本を図書館に返し、もう次の分は借りませんでした。銀行に行って、お金を全部引き出し、口座を閉じました。食料品店での支払いを済ませ、電気代を払い、八百屋さん、燃料屋さんの支払いを済ませ、残ったお金を<孫娘>の財布にしまいました・・・。思わず涙ぐんでしまう絵本です。
-
この絵本は、読む人によって、思い浮かべる情景は違うように思う。
ペットとのこと
祖父母とのこと
両親かもしれない。でも、介護をするとき、私は自分がお世話をしているようでいて、実は、私が気を使ってもらっていた。優しさや思いやりをたくさん、たくさんいただいていたことに気付いていく。そんなことを想い、涙が止まらなかった。服を着せる時にも、食べ物を食べさせるときにも、苦しさや辛さを堪えながら、体を起こして、できるだけやりやすいようにと、実は私を慮ってくれていた。そんな優しさに気付く。 -
身辺整理して終活
穏やかで満ち足りた理想的な最期
-
斉藤由貴さんの曲に、『家族の食卓』というのがあります。この本を読んだら、その曲を思い出しました。
私たちの幸せって、人によって違うとは思いますが、結局のところ、特別な思い出がいっぱいあることではないな、と思うのです。
普通なこと。
ありきたりと言ってもいいかもしれません。
そのときは、別に何も思わなかったことが、あとになってみると、とても価値のあるもので、つまりは、そういうありきたりの毎日を過ごせるということが、一番の幸せだと思うのです。
この本、『ぶたばあちゃん』でも、最初は、ぶたばあちゃんと孫むすめの、特にどうということのない、日常が描かれています。
これがいいとうか、大事なんですよね。これがないと、そのあとに来るものが、読み手に迫ってこない。
そして、その日は、ある朝突然やってきました。
そのあとの、二人の過ごし方がまたいいんですよ。別に特別なことは何もないのですが、二人が、二人だけの貴重な時間を過ごす。
誰もがそうしたいと思うのだけれど、それはあまりにも突然やってくるので、なかなか出来ないことが多い。でも、そうしたいから、せめて絵本の中で、完璧に、やって欲しい。
そんな読み手の気持ちを、見事にかなえてくれます。
そして・・・孫むすめが小さい頃、ぶたばあちゃんにしてもらったことを・・・。
私も・・・思わず涙があふれました。
余談。
私としては、何としても斉藤由貴さんの『家族の食卓』ですが、人によっては、THE虎舞竜の『ロード』の、さびの部分を思い浮かべるかもしれません。
まあ、言ってることは同じなのですが、それはそれ、雰囲気が全然違うということで。
私たちの幸せって、人によって違うとは思いますが、結局のところ、特別な思い出がいっぱいあることではないな、と思うのです。 -
最後がグッときた。娘も最後がドキっとしたと言っていました。読み終えてからジワーっとくる絵本。
-
いつも一緒に暮らしを楽しんでいたおばあちゃんと孫娘。
最期のときを、静かに穏やかにむかえる準備をする。心がぎゅっとなります。
大切な人と最期をこうして迎えられたらと思います。