木を植えた男 (あすなろセレクト)

  • あすなろ書房
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (75ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784751517116

感想・レビュー・書評

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  • 南フランス・プロバンスの荒果てた丘陵地帯に、ドングリの実を丹念に植え込み、木を植えることに熱情をそそぎ、二十世紀の二度の大戦を乗り越えた、寡黙なひとりの男(エルゼア-ル・ブフィエ)の物語です。荒寥として見捨てられていた土地が、見違えるほど緑豊かな木々に覆われるようになり、村々が再興されるまでを、名も無い農夫の弛まぬ不屈の生涯を讃え、人間と大地との融合を謳った叙事詩であります。

  • 人の営みのちから強さ、着実性、諦めないことの大切さを教えてくれる。心に深く残る。何度でも読み返したくなる作品。

  • もちろん訳本ではあるが、言葉の持つ喚起力を感じずにはいられない。
    ブフィエという老人が実在したかどうかは何の問題にもならない。
    ブフィエという老人が実在し、一つの奇跡を成し遂げたのだと読んだものが確かにそう感じられるということが重要なのだ。
    そして少なくとも僕は世界中の多くの人と同じようにこの本に心うたれたのだ。
    それで十分。

    訳者あとがきによれば、「第一に歴史(イストワール)を語る人間であること。第二に作られた物語(イストワール)を語る人間であること。第三にイストワールを語るときに崇高な人間であること」が作者のジャン・ジオノが考える小説家の条件だそうである。
    良い言葉だ。

  • 大好き。アニメの三國連太郎のナレーションは神がかってた。今でも時々思い出す。また観たい。

    好きな本なんだけど、翻訳の文章に違和感があった。前に読んだ時は、こんな文章だったっけ?内容は変わらない。でも…。どうやら訳者が違っていたみたい。
    口語なのか文語なのかあやふやな文章だ。そのせいで、なんとも言えない据わりの悪さがある。

    装丁もイラストも最高だったんだけどね。

  • 植物の物語が読みたかった。
    以前、絵本で読んで気に入ったので、こちらも借りてみた。

    「平和な規則正しい労働。高地の澄みきった空気。そして魂のつましさと清らかさ。それらすべてが老人に、おごそかなまでの頑健さを与えていた。」(P48)

    とびらの文言からして、難解な感じ。
    そして、「構成」されているので、やっぱり、絵本に及びません。
    「役者あとがき」も私には合わない文章だった。(『ジャングルブック』は読んでみたい。)

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著者プロフィール

Jean Giono.1895~1970. 
作家。プロヴァンス地方マノスク生まれ。16歳で銀行員として働き始める。1914年、第一次世界大戦に出征。1929年、長編小説『丘』がアンドレ・ジッドに認められ出版。第二次世界大戦では徴兵反対運動を行う。1939年、逮捕される。1953年の『木を植えた男』はジオノ没後、20数か国語に翻訳された。
邦訳書に『蛇座』(山本省訳、彩流社、2021年)、『純粋の探究』(山本省訳、彩流社、2021年)、『大群』(山本省訳、彩流社、2021年)、『本当の豊かさ』(山本省訳、彩流社、2020年)、『青い目のジャン』(山本省訳、彩流社、2020年)、『丘 岩波文庫』(山本省訳、岩波書店、2012年)、『ボミューニュの男』(山本省 訳、彩流社、2019年)、『二番草』(山本省 訳、彩流社、2020年)、『世界の歌』(山本省訳、河出書房新社、2005年)、『気晴らしのない王様』(酒井由紀代訳、河出書房新社、1995年)、『いかさまトランプ師の冒険』(酒井由紀代訳、河出書房新社、1997年)、『木を植えた男』(山本省訳、彩流社、2006年、他多数翻訳あり)、『屋根の上の軽騎兵』(酒井由紀代訳、河出書房新社、1997年)、『喜びは永遠に残る』(山本省訳、河出書房新社、2001年)、『憐憫の孤独』(山本省 訳、彩流社、2016年)などがある。



「2022年 『メルヴィルに挨拶するために』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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