ゆき

  • あすなろ書房
3.71
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本棚登録 : 541
感想 : 71
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784751519721

感想・レビュー・書評

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  • 季節外れだけど「ゆき」。
    ひとひらの雪から、笑顔の男の子と街の人たちのやり取りが楽しい。
    「ふっているよ──ふっているとはいえん」
    やがて雪はひらひらと舞い降り、町中が真っ白に輝く。うきうきとしてしまう気持ちが分かるなぁ。
    私が気に入ったのは空の色。
    今にも雪が降り出しそうな日の空の灰色。シュルヴィッツの絵でうまく再現されている。

    「よあけ」で知られる作者シュルヴィッツ。
    「よあけ」「あめのひ」「ゆうぐれ」「ゆき」と『“空”の四部作』(←ブク友のouiさんと名付け!?ました)は素敵。
    東欧らしき街が舞台なのは、幼少期の思い出や生まれ故郷への思いもあるのだろうか。シュルヴィッツはポーランドのワルシャワ生まれのユダヤ人。4歳で第二次世界大戦をむかえ、家族でポーランドを脱出、各地を転々とし、イスラエル、のちにアメリカへ渡る。

    • ひろさん
      なおなおさん、おはようございます♪
      シュルヴィッツの「よあけ」を先日読んでその美しさに感動していたところでした(⋆ˊᵕˋ )
      今にも雪が降り...
      なおなおさん、おはようございます♪
      シュルヴィッツの「よあけ」を先日読んでその美しさに感動していたところでした(⋆ˊᵕˋ )
      今にも雪が降り出しそうな日の空の灰色…どう再現されているのだろうと、とても気になりました!!
      "空"の四部作、読みたいです(◍>ᴗ<◍)
      2023/08/21
    • なおなおさん
      ひろさん、こんにちは。
      コメントをありがとうございます。
      私は「ゆき」があることを知らず、ブク友さんに教えていただき、読みました。
      「よあけ...
      ひろさん、こんにちは。
      コメントをありがとうございます。
      私は「ゆき」があることを知らず、ブク友さんに教えていただき、読みました。
      「よあけ」はいいですよね。この前図書館で読んできました。なんとも言えない静けさと、自然が、一日が動き出す感じ...←うまく言えない(T_T)何度読んでもいいです。
      他「“空”の四部作」も是非っ!
      「ゆき」を読むなら冬がいいかもしれません。この猛暑で絵本の中の雪が解けそうなので^^;
      2023/08/21
    • ひろさん
      なおなおさん、お返事ありがとうございます(_ _*))
      一日が動き出す感じ…まさにその通りですね!!素敵ですっ✩.*˚
      はい!「ゆき」はとけ...
      なおなおさん、お返事ありがとうございます(_ _*))
      一日が動き出す感じ…まさにその通りですね!!素敵ですっ✩.*˚
      はい!「ゆき」はとけないように冬に読むことにして、先に「ゆうぐれ」「あめ」を読んでいきますね(⋆ˊᵕˋ )♪
      2023/08/21
  • 昨日の雪が、まだ屋根の上に残っている…。
    日本海側だと大雪に見舞われているだろう。
    ニュースでも交通渋滞の模様が流れている。

    おもわず手にした絵本。
    ひとひらの雪が、灰色の空から降ってくる。
    すぐにとけるわ、と誰もがいう。
    ゆきは ふらないでしょう とラジオもテレビもいうけれど、ゆきは ラジオをきかないし、テレビも見ない。
    ただ灰色の空からまいおりるだけ。

    ちらちら おどって くるくる まわって
    ふわふわ あそんで ひらひら とんで
    ついには どこもかしこも ゆきげしょう
    やねが、しろい帽子をかぶり
    まちじゅうが まっしろに かがやく

    雪の降り始めから降り積もるまでの様子が、わかりやすい絵で表現されている。

  • 理屈じゃなく、気持ちをそのまま感じることの大切さ。

    心を癒やしてくれる冬の1冊。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    街に降る雪。

    「雪が降ってる!」

    窓から空をみた男の子は、にこにこと叫びます。

    でもオトナたちは、すました顔でこういうのです。
    「こんなくらいじゃ、降ってるとは言えない」
    「すぐ、なくなってしまうわ」

    でもそんなオトナたちを後目に、雪はどんどんどんどん、降り積もっていき…

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    この絵本を読んだのは、まだうつの症状がまだらにある頃でした。

    「オトナだから、こうあるべき」
    「常識から考えて、それはおかしい」

    そんな考えがわたしの頭の半分以上を占めていて、働いていない自分、休んでいる自分にわだかまりを抱えていました。

    「もっと世界には、わたしよりも苦しんでいる人がいる」
    「うつくらいで、しんどいなんて言ってたら、申し訳ない」

    見えない“誰か”と自分を比べ、自分が感じているしんどさは感じてはいけないことなんだ、と日々思っていました。

    そんなときに読んだのが、「ゆき」という絵本でした。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    わたしたちは科学を発展させ、地球の王さまのように振る舞っています。

    けれど、未だに天気は操れないし、病気をすべて根絶することもできません。
    科学がいくら発達しようとも、人間にできることなんて、ほんのわずかなことです。

    それなのに、自然のことや地球のことは何もかもわかったような顔をして、雪でさえも「こんな雪はすぐ止む」「たいしたことない」なんて、上から目線でしか言えない“オトナ”たち…

    なんだかその姿が滑稽に思え、また理屈や常識、外聞にとらわれている自分もまた、この絵本のオトナたちとおなじではないか、と思いました。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    雪が降ると面倒だ。
    雪はうんざりだ。

    けれど小雪になると「冬っぽくない」などと、騒ぐ人間という生き物。

    そんな中にあって、ただひとりだけ、「雪が降ってる!」とにこにこ空を見上げて、犬と喜ぶ男の子。

    大雪に備えることはもちろん大切だけれど、雪が降るそのワクワク感を手離したら、人間は人間でなくなってしまうように思います。

    わたしもまた、常識や外聞、理屈というもので自分を固めすぎ、気持ちを素直に感じとることを、長く忘れていました。

    「雪はうんざりだ。」
    そう思う人も居ていいけれど、
    「雪が降って楽しい、うれしい」
    そんな風に感じる人も、居ていいんだ。

    自分の感情を、きもちを、ありのまま受け止めて、楽しんだりおもしろがったり、哀しんだりしていいんだ。

    わたしは泣きました。
    この絵本を読んで泣きました。


    今年も雪を眺めながら、この絵本とともに、「ちらちら おどって、くるくる まわって、」(引用)雪をたのしんでいます。

    • 淳水堂さん
      こゆきうさぎ@148センチの日常さん
      こんにちは。

      これ、文も絵もいい絵本ですよねえ(しみじみ)
      こゆきうさぎさんのレビューも素敵...
      こゆきうさぎ@148センチの日常さん
      こんにちは。

      これ、文も絵もいい絵本ですよねえ(しみじみ)
      こゆきうさぎさんのレビューも素敵です。
      「けれども雪はテレビを見ません。ラジオも聞きません」の言葉は、雪を通して自分の感性のことを言っているように感じました。

      「ちらちらおどって くるくるまわって」
      本当に素敵です。
      2021/08/21
    • こゆきうさぎ148さん
      淳水堂さん

      感想読んでいただき、ありがとうございます(o^^o)

      わたしも久しぶりに自分の感想を読みなおしてみて、自分の文章なのにぐっと...
      淳水堂さん

      感想読んでいただき、ありがとうございます(o^^o)

      わたしも久しぶりに自分の感想を読みなおしてみて、自分の文章なのにぐっときてしまいました(汗)
      この絵本には、本当に助けられました。

      雪はテレビを見ない
      雪はラジオも聞かない

      雪だけでなく、著者もそうだったのでしょうかね。
      雪自身のように著者もまた、他者の言葉ではなく、自分の五感を通して受けとったものを一番大切にされていたのかも。
      だから、こんなに心に染みる絵本を描けたのかなと思いました。
      2021/08/22
  • 灰色の街が雪で白く染まっていく様子を
    描いただけなのに
    独特の世界観に惹き込まれる♪

  • 冬のうちに雪の絵本を読んでみたいなと思って。

    まず絵がとっても可愛い!
    アメリカで活躍したポーランド出身の作者だけど、何となく出身のポーランドの街並みをベースにして、かつ登場人物もユダヤ系が多いのかな?と思わせる。

    灰色でどんよりした外側の世界、暖かく保たれた家の中、ぱらぱらと降ってくる雪の美しさとワクワク感。これが水彩画で場面ごとに色彩を分けて表現されている。伴奏する言葉もリズミカル。すごく満足♪

  • 陰鬱というのでもないのだけれど、東欧の何とも言えない妖しさが好き。それが、本作の、「ゆき」が降る前の空模様にもっとも象徴されているし、登場するキャラクターも、かわいいのだけれどもどこか妖しさを湛えていて、何とも魅力的。

  • 〝どんよりとした灰色に覆われた空から、雪が舞い降りてきた。 ひとひら、またひとひら。「雪が降ってるよ」と、 男の子ははしゃいで外に飛び出していく。「どうってことは、ないな」街の通りをゆく山高帽のおじさん。「すぐに、融けるわよ」と、お洒落傘のおばさん。ラジオとテレビからは「雪は降らないでしょう」と。 けれども、雪はラジオを聞かないし、テレビも見ない。 雪はただ、灰色の空から買い降りるだけ。 どんどん雪は降り積もり、街中が真っ白に輝きだす 「わーい、雪だよ!」・・・〟シュルヴィッツの雪を愉しむ子どもの絵本。

  • 1999年 コールデコット賞受賞作品
    「どんよりとした灰色の空から、雪がまいおりてきました。ひとひら、またひとひら。「雪がふっているよ」 男の子ははしゃいで外に飛び出します。どんどん雪はふりつもり、街は真っ白にかがやきます。」

  • 《図書館》【再読】雪に憧れしかない。南国育ちだからだろうか!

  • おとこのこの目線からゆきがふってくるのをみた絵本。こどもよりおとなのほうが好きそうな絵本。

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