原題 Marven of the Great North Woods
by Kathryn Lasky
illustrated by Kevin Haykes 1997
灰島かり訳1999
1918年冬 ミネソタ州ダルースの町
悪性のインフルエンザが大流行
両親は10歳のマーベンを
北部の木材伐採現場のムレーのところに預けることにする
帳簿係として働くことで
北部はカナダから来たフランス語しか話さない人が多いらしいと不安になるマーベンに母は、
「ボンジュールって言えばいいのよ」と教える
そこで、この両親もロシアからアメリカに移民したユダヤ人だということがわかる
出発の日、母はラートケとクニッシュを持たせてくれた
マーベンは1人で汽車に乗り、5時間過ぎたころミネソタ州ベミジに到着
そこから8キロスキーで1人、伐採現場に向かった
ムレーさんに会えたマーベンは、初めてのフランス語を教えてもらう
「デリエール」、おしりのこと
到着早々目にしたのは、大男のきこりたちのダンス
マーベンは帳簿係の他に、目覚ましの役目も任される
起きないきこりを起こすこと
「アン・ルタール」ちこく
翌朝、きこりを起こしにいくマーベン
「レーブ・トワ!」
そこでねぼすけのジャン・ルイと出会う
一緒に朝ごはんに滑り込む
マーベンはユダヤ教の教えの食事を守っているので、肉と乳は同時に食べてはいけない
マーベンは自分で考え、きちんとルールを決め、自分の行動を決める
帳簿係は字の書けないきこりのサインは判別させながら、持ち前の知恵でやりこなす
「母さんはいろんなことをやらなくちゃいけないときには、必ずリストを作る。」
ここでの生活にも慣れ、空き時間にスキーで山を散歩。
くまに遭遇かと思いきや、それはジャン・ルイ
二人はとても仲良しになっていく
フランス語の歌も覚え
他のきこり達もマーベンをかわいがる
4月が来て、4ヶ月がたったころ、雪が溶け始める
ムレーさんが両親と帰す約束した時期になったと告げる
出発は4月の最後の日
ジャン・ルイはお別れに、
「おまえは今では、きこりの仲間だからな」と真新しいおのをプレゼントしてくれる
「めるしー・ボクー」
伐採現場の森から駅までの8キロをら送ってくれるジャン・ルイ
「オーボワ」と囁き続ける汽車の中のマーベン
なつかし駅には家族が揃ってでむかえてくれた
誰一人、病気で亡くなったりはしていなかった
訳者あとがき、によると
これは作者キャスリン・ラスキーの父の体験に基づいたものとのこと。
絵が温かみがある
きこりはかわいすぎるけど、質感がとてもしっくりくる
10歳の少年の行って帰る成長物語
自分で考え判断し、自分で行動する
折り合いの付け方
人との関わり
物語を一冊読んだくらいの素敵な絵本であった