ローワンとゼバックの黒い影 (リンの谷のローワン 4)

  • あすなろ書房
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感想 : 33
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  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784751521144

感想・レビュー・書評

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  • 怪鳥にさらわれた妹アナドを助けるために、ローワンは宿敵ゼバックの地へ。予測のつかない道のりの果てには、思いもかけない物語が…。300年ものあいだ封印されていたリンの歴史の謎が、いま明かされる!
    「ローワン」シリーズ第4弾。

  • リンの谷のローワンシリーズ第四巻です。
    ローワンを何度も助けてくれたストロング・ジョンと、ローワンの母ジラーが結婚することになった。
    二人の結婚に大いに喜ぶリンの人たち。
    とくにローワンの妹、アナドなどは、野原を駆け回って喜びはしゃいだ。
    そんな幸せに満ちた晴れの日。ローワンは、ひとり不安に悩まされていた。
    反対していた時期もあったが、ストロング・ジョンと母さんの結婚はとても嬉しい。
    それなのに、これから何か悪いことが起こりそうな予感がする…。
    リンの人々は素晴らしい日を祝福しているが、バクシャーのスターは仲間を集め、円になって不安げにしている。
    妹のアナドははしゃぎまわり、大好きなバクシャーたちのもとへも喜んで駆けていった。
    その時、空から見慣れない黒い影が落ちてきたと思いきや、小さなアナドを引っ張りあげ、鋭い爪でつかんで飛び去った。
    宿敵ゼバックの使い魔に、アナドがさらわれてしまったのだ!

    と、さっそく冒頭から引き込まれる内容でした。
    アナドが! かわいいアナドが!
    ローワンの絶望感がものすごくよくわかった。まさか結婚式の日に娘を敵にさらわれたジラーも、ひどく悲しんだことでしょう。
    なんせ、今回表紙捲ったところの扉絵が可愛くてね。そこでふんわりしたスカートをまくりあげて飛び回ってたアナドが、怪物にさらわれるなんて。
    もちろん、ローワンは旅の仲間とともにアナドを助けに向かいます。
    だけど、今回の旅の仲間はちょっと珍しい面子でねー。
    リンの谷の仲間はもちろんのこと、<旅の人>の娘や海辺の国マリスからも仲間がくわわり。
    第一巻のようにたくましいリンの谷の人々だけでなく、また新しいこのシリーズの楽しみ方を覗けた感じ。
    今回のメンバーも個性豊かで面白いです。
    話の内容的には、リンの谷にローワンたちの先祖が住む前の話や、宿敵ゼバックのことなんかが明かされたりして。
    面白かったです。またローワンの世界に引き込まれました。

  • リンの谷を狙うゼバックが空からリンを襲い掛かろうとし、ローワンの妹・アナドがさらわれてしまいます。アナドを助けるべくゼバックに乗り込むローワン達ですが…恐怖の陰として描かれてきたゼバックという国やリンの谷の人たちの歴史が明らかになり、ますます面白くなってきました。奴隷の生き残りの二人が加わり、これからがどう展開していくのか楽しみです。

  • なんだかどんどん事件が大きくなっていくような気がするなぁ。村のため家族のためにちっぽけなローワンはがんばってます。君はすごいよ。うん。

  • ローワンシリーズは家畜の書き方がとても好きです。本作にはグラッグという恐ろしい?動物が出てきます。本当に恐ろしいのは、一体誰なのか? 読み終えた後ではきっと変わるはずです。最後の結末も好きです。シバは優しい女性なのだと思う。多分(笑)

  • ローワンシリーズ四作目。
    今回は攫われた妹を助けるために仲間と共にゼバックへ。
    これが最終回なんじゃないかと思う作品で、旅の人も海の民も魔女も仲間入り。
    他作品のようなゲーム的な印象を強く受けた。
    1作目のトラウマと向き合う、が今作ではトラウマをどう活かすか?にあるように思える。イヤではあるが向き合わねばならない、それと生活を送らねばならない、それを使わねばならない時が、今だ。そんな様に思える。

  •  ローワンシリーズも第四弾!今回もとても楽しい一冊だった。
     今回のストーリーはかなり王道でワクワクする冒険だ。いままで結んできた縁で結ばれたそれぞれの民族の3人の仲間たちと共に敵地へと妹を取り返しいくというもの。仲間たちそれぞれの活躍やゼバックの文化の描写は中々見どころがある。また一巻から存在感を発揮してきたシバが魔術によるリモートで本格的に参戦したことも興味深い。前々からローワンと同じはみ出しものの彼女には注目していた。ヒントとなる謎めいた詩もそれに伴って増えており、推理しがいがあって楽しかった。
     一番好きな部分は最初と最後の文章が反復されている箇所があるところ。グラックに始まりグラックに終わるこの物語を象徴するようであり、とても印象深い演出だった。また、今回は一巻から登場して好きなキャラクターだったアランが活躍したことも結構嬉しかった部分だった。生まれや環境のコンプレックスを持ち、複雑な感情を道化のような振る舞いで隠す彼にはシンパシーを感じており、そうした道化の振る舞いや優しさが仲間たちを救ったり他の仲間に受け入れられてノリス生まれのパーレンが冗談を言うくらいに影響を受けているのは中々に嬉しく読めた。最後のマーリーとの結婚を報告するシーンでは気遣いと母親への感情とマーリーとの関係性を感じられてとても良い。マーリーがアランの足を蹴飛ばしているのもとても良いシーンだ。
     終盤には長老のランやバクシャーのスター、家具作りのブロンデンなど、一巻を思い出させるキャラクターたちの視点が挟まり懐かしい気分になった。またかつてのリンの谷の仲間の帰還という意味でも中々印象深い展開で、ローランという存在が何故誕生したかのルーツ、そして彼と世界を共有できる仲間が現れたことはとても良い終わり方だった。そして再登場した山のドラゴンの迫力!
     一巻から今まで積み上げてきた諸々が物語に盛り込まれたまるで完結作のような物語だった。それだけに、四つの民族をめぐり、自分のルーツの一つを迎え入れたローワンが最後の5巻では一体何と相対するのか?そこがとても気になってくる部分でもある。早く5巻が読みたいところだ。

  • シリーズ4作目。ついに敵・ゼバックの脅威がリンの谷に迫り来る…!毎回シバの予言の言葉がうまくできていて凄いなと思うのですが、今作が一番シバの予言が大活躍する回でした。次でおそらく完結。楽しみです‼︎

  • ジールがかっこかわいすぎる…。自信家で勇敢なのに、昔のトラウマに襲われたりって言う弱点もある。そこが人間味が出て魅力的に感じる。

  • つまらなくはなかったが、これまでの3冊と比較すると一番ワクワクしなかった。
    理由は、はっきりしないが以下のような気がする。

    ・弱虫の主人公が冒険をするたびに成長していくのがテーマだと考えていたが、今回は成長が見られなかった。
    ・仲間が急に敵軍の偉い人になってしまうなど展開に無理矢理感があった。

    でも続編も絶対に読む。

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著者プロフィール

オーストラリア在住のファンタジー作家。『リンの谷のローワン』シリーズや『デルトラ・クエスト』シリーズ、『ティーン・パワーをよろしく』『フェアリー・レルム』『ロンド国物語』など多数の人気児童書シリーズを執筆。とくに『デルトラ・クエスト』シリーズは、日本をふくめ全世界で大ヒットし、累計1500万部を突破している。2014~2015年に日本でも出版された『勇者ライと3つの扉』は、デルトラ世界とつながっていたことが判明し、話題を呼んだ。

「2016年 『スター・オブ・デルトラ 1 〈影の大王〉が待つ海へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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