ビーバー族のしるし

  • あすなろ書房 (2009年2月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (248ページ) / ISBN・EAN: 9784751522110

作品紹介・あらすじ

文字の読み方を教えるかわりに、マットがインディアンの少年から学んだのは、森で生きるための知恵。そして、かけがえのない友情。アメリカ児童文学史に輝く大ロングセラー。

みんなの感想まとめ

異文化交流や友情、成長をテーマにした物語が展開され、主人公のマットがインディアンの少年との出会いを通じて、森での生活や人間関係の大切さを学んでいく姿が描かれています。先を読みたい気持ちと、物語が終わる...

感想・レビュー・書評

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  •  これは文句なしに面白かった。先を読みたい気持ちと、まだまだ読み終えたくない気持ちとが拮抗した、珍しい一冊だった。

     白人の少年マットが、インディアンの少年エイティアンに文字を教える代わりに、森での生活の仕方など教え、立場の違う二人がお互いを尊重し合い、友情を育む物語。

    中学校の課題図書にもなっている。こんな素敵な本を、ちゃんと課題図書にできるって、日本もまだまだ捨てたものじゃないな、なんて、偉そうだけれど…思った。

     考えが既に偏っている大人の私が読んでこれほど考えさせられ、かけがえのない大切なものに触れた感覚があるのだから、この本を子供が読むことには更に大きな意味があると思う。

     他民族の問題はもちろんのこと、人としての尊厳、男女の生き方、家族、命など、人間として生きるうえで大切にしたいという思いが、頭にではなく心に直に染み入ってくる。

     一人でも多くの人に出会って欲しい一冊です。

  • 冒険物語としても、主人公の成長物語としても、アメリカの歴史(先住民族との関係性のあり方について)も、触れることのできる、エッセンスのたくさん詰まった作品だと感じます。

    なにより、森に1人取り残された主人公のマットが、できることを精一杯に行い、出会ったインディアンの少年に対して反発したり嫉妬したりしながらも、彼から学べることを真摯に受け止めて相手に対して敬意を持って接している姿は好感が持てました。

    小学高学年から中学生に、ぜひ読んでもらいたいとおもいますし、大人になってから読むと、自分の生き方に「文明人」としての驕りを持っていないかどうか、振り返させられる作品でもあると感じます。

  • 1768年、母さんと妹をマサチューセッツに残し、父さんと2人でメイン州に買った土地に丸太小屋を建てたマット。そこで土地を開き、トウモロコシを育て、ある程度の生活の基盤を築くと、父さんは約束どおり、家族を迎えに戻っていった。
     残されたのはマットただ一人。父さんが再び戻るまでの6週間、狩りをし、トウモロコシの世話をし、自分の力だけで暮らすのだ。
    火をおこし、パンを焼き、狩りをして…何とか順調に見えたかのような生活だったが、軽率な行為から、怪我をしてしまったマット。彼を救ったのはインディアンの老人と少年で、それ以来、マットはその少年に「英語」を教えることになるのだが…

     弟56回青少年読書感想文全国コンクール中学校の部課題図書

     1768年ていうと、徳川が10代将軍、1775年からアメリカが独立戦争…開拓というとローラを思い出すけど、それは百年後のお話というわけで…
    物語の主人公は13歳の誕生日目前の白人少年のマット。家族を迎えに行った父親の帰りをたった一人で待つ間の様々な冒険物語&成長物語です。言葉も文化も違うインディアンの少年との間で育っていく友情、時に危険な自然の中でたくましく成長する姿が描かれています。

     ついつい感想文の視点で読んでしまう課題図書。この物語を読み解くには、時代背景が必須。物語に出てくる「ロビンソン・クルーソー」もチェックした方がよさそうです。異文化交流、アメリカの歴史、自然との共存、自立などいろいろな視点で書けそうな気も…。
     もちろん、冒険物語として楽しむのも良いのでは?

  • 『オーバーストーリーズ』を読んで、アメリカの開拓時代の本が読みたくなり、再読。児童文学ながら示唆に富んだ本。ネイティブアメリカンと開拓者の少年との友情の話。滅びゆく種族の悲哀が胸に迫る。私は狩猟採取民族の話が好きなのだが、これも良書。

  • 『リトル・トリー』を読んで、同じような作品に触れたくて。
    自然と共に生きる暮らし、取りすぎない、自分で作る、命を頂く時は無駄にしない、自分のマニトゥを見つける、威厳ある態度、人が人の中で成長すること、など多くを学んだ。
    北米先住民ともし暮らしたら、私なら帰っては来ない。
    たとえ短い命だったとしても、人として自然と人と生きて、死んだという生き方をしたいから。

  • 『大草原の小さな家』など子どものころ楽しんで読んだ。あの物語世界のもう一つのエピソードを読んでいるような気持ちがした。”インディアン”とはっきり表記していることに、再び時代が変化していくのを感じた。

  • ★★★★☆
    アメリカ開拓時代(←白人視点の言葉ね)の物語。
    マットと二人で家を建ててから、父さんは彼を1人森の中に残して、母さんを迎えに旅立った。帰るのは1ヶ月以上先になるという。
    銃やいくぶんかの食料、畑の食物などで、のりきらなくてはいけない。
    ある日蜂の巣を採ろうとして、川に落ちたマットを、ビーバー族のインディアンの長老が助けてくれる。
    かれは、治療の世話をするが、孫に英語をおしえてくれるようトーマに頼む。
    初めはお互いに嫌々やっていた二人だが、次第にお互いを理解しようとするようになる。どちらかというと、トーマが、ビーバー族を初めとする現地の人びとのことをよく考えるようになるのだが。

    トーマとエイティアン(ビーバー族の少年)のたくましさに、脱帽☆
    生きることをアタリマエにやっている時代があったんだね!
    「ロビンソンクルーソー」は、白人が書いた物語なのだなあと再認識させられる。
    (まっきー)

  • ええー!へえ〜!おおー!!の連続。
    13歳になる息子を一人、森の中の小屋に一ヶ月以上も留守番させようなんて、父さん無茶だよ!
    それでも頑張るマット少年も逞しいが、インディアン達の知恵の素晴らしさ。アウトドアブームなんて鼻で笑われそう。

  • 1768年当時、インディアンは白人に酷い目にあわされていたが、その先入観を捨て一人の人間としてみてくれた祖父やエイティアン。
    そして、信頼か信頼をよぶ。
    インディアンの成人にやるための通過儀礼、素晴らしい❗自覚が生まれますね。

  • 学校の授業で習うよりもずっと、アメリカ先住民と白人入植者の関係、自然と共に暮らすこと、土地や生き物を人間が我が物として扱っていいのか、文化的背景の異なる種族の交流などについて考えさせられることが多く、物語の力を感じさせてもらった本でした。
    「インディアン」という言葉をそのまま使ってあることも、この時代の人々の感情を理解するのによかったと思います。
    インディアンの言葉、英語のたどたどしさを原書でも味わってみたい。また、子ども時代には興味を持たなかった「ロビンソン・クルーソー」や旧約聖書の話もじっくり読む時間がほしくなりました。

  • インディアン、白い人、人間が生きていく上での必要な事とは何かと考えさせられるわ

  • アメリカ開拓時、一人で森の開墾地の小屋で過ごすことになった少年が、ハチに追いかけられたところをインディアンに助けられ、インディアンの少年に英語を教えることになる。少年のほうは、英語を教える代わりに、ウサギなどの肉をもらったり、弓矢の作り方、罠の仕掛け方など、インディアンの生きる術を教わっていく。

    アメリカの南北戦争の時代の本を探していて、その背景にあるはずのネイティブアメリカンの物語を探したのだが、他に出会わなかった。これも、厳密にはテーマが少し違う。その時代のインディアンの物語は書かれていないのかもしれない。それが、アメリカの文学の盲点なのかもしれない。
    「からすが池の魔女」より読みやすく、ある意味、物語の結末は見えてしまうところもあるが、ネイティブの誇り、ものの捉え方、白人との文化や考え方の違いなど、丁寧に書かれていて、ストレスもなく、とてもわかりやすい。
    主人公のマットが「少年」だからこそ、ネイティブの考え方や生き方を素直に受け入れられたのかもしれない。もう少し大人であれば、こうはいかなかったかもしれない。ネイティブの生き方や土地に対する考え方(「どうして土地がだれかの持ち物なんだよ? 土地は空気とおんなじだ。その上に住んでいる人、みんなのものじゃないか。ビーバーのものでもあるし、シカのものでもある。シカが土地を持っているっていうのか?)など、反論できない真理があると思う。
    この多様性を、果たして、本当に、アメリカは受け入れたのだろうか?
    いろいろ考えさせられた。
    課題図書とは波長が合わないのだが、この本は良書。

  • 取り残された白人の少年とインディアンの少年の交流のお話。

    まだ滅びの少し前(フレンチ・インディアン戦争直後)の時代なのでそれほど重苦しくない。

    ニューベリー賞銀賞。

  • 少年成長&サヴァイヴァルものとしたら、
    読後感が、爽快!。。。なんだろうけど
    これは、ちょっとせつない

    主人公の前から、すっと姿を消してしまう
    涙の別れなんて感じじゃなくて
    また会える!って感じじゃなくて 

    それでも、文化や人種が違っても
    信頼できるようになっていくっていいよね

  • 1768年、アメリカ。
    マサツーセッツ州から、この森に初めて住む白人一家として、マットたちは越してきた。夏、丸木小屋を作った父さんとマットだが、父さんと妹は、身重の母さんを迎えに7週間の長い旅に出た。

    13歳のマットは、森の中、一人で丸き小屋を守りながら、留守番をする。小屋をもっと完成させたり、作物の世話をしたり、食料を調達し、火を絶やさないようにし、料理をしての生活。父さんは時計とライフルをマットに渡す。

    だが、少年一人のサバイバル生活にトラブルもある。火を絶やしてしまったり、通りがかりの男にライフルを盗られたり、クマに家を荒らされて小麦粉が無くなり、・・・そして、なによりも、父さんたちがなかなか帰ってこないまま月日は過ぎた。

    そして、インディアンの老人と少年と出会う。

    先住民たちの生き方、知恵、思いを知り、成長してゆくマット。
    日本でも、琉球やアイヌの地であったことを思いつつ、読んで欲しい。

  • アメリカへ開拓していったイギリス人の物語。父と息子で先に家を建てに行き、母と妹と産まれたばかりの子を父が迎えに行く間の7週間をひとりで留守番する息子。困難に遭いながらも、父が帰って来る時にがっかりしないよう、母を喜ばせようと考えながら過ごす息子は、死にそうな目にあい、先住民に助けて貰い、様々な事を学ぶ。人の成長、異文化での関わりを深く考えさせられる。何でもやってもらって当たり前、自分さえ良ければ・・・という子が増えている現代に、読んでおいて欲しい物語です。高学年向き。

  • 「中学生のための読解力を伸ばす魔法の本棚」
    中学生のうちにぜひ読んでおきたい205冊、ブックリスト。
    物語・小説ー初・中級編ー
    023

  • 最近、ホセ・マリア アルゲダスの短編集を読みました。
    ペルーでのインディオと白人の交流の一端を知りました。

    本書も、ちょうど同じ様な体験を記録しているので共感が持てました。

    どんなに力で制圧しようとしても、
    その土地に根ざした文化の方が、
    その土地での効力は高いのだと思います。

    人が人から学ぶことの大切さを,
    本書から学んだら、書を捨てて村行ってみませんか?

    どんな土地にも、その土地のことを教えてくれる人がいるかもしれません。
    下手な読書感想で申訳ありません。

  • 絵はいただけないが,良い物語~マサチューセッツからメインに土地を買って小屋を建てたハロウェル家の長男・マットは父が家族を迎えに行くのに留守番としてライフルと一緒に残された12歳の少年だ。夕食をたかっていったべんという男にライフル銃を持ち逃げされ,兎も得られなくなって魚には飽きが来て,手を出した蜂の巣に手を出して冷たい水に飛び込んで気を失っている所を助けてくれたのは,インディアン・ビーバー族の老人サクニスと孫のエイティアンだった。足を挫き靴をなくしているマットに松葉杖とモカシンを用意してくれ,礼としてロビンソン・クルーソーの本を差しだそうとすると孫が食料を届けるので白人の文字を教えるという協定が成立した。エイティアンは英語を学ぶのに乗り気ではないのだが,兎の罠を木の根を使って作る方法や,ヤスで魚を突く方法,木を削って釣り針を作る方法,森の中で迷わないしるしの見つけ方,弓矢の作り方,森の中のビーバーのダムも見せてくれる。次第に英語を冗談を交えて会話できるようになったころ,矢で射止めた兎をぶら下げて森を二人で歩いている時,出会った熊にマットが兎を投げつけて作った隙にエイティアンは弓で熊の急所を突いた晩,マットはビーバー族の村に招待された。一晩過ごして帰る道すがら不機嫌の理由をエイティアンに聞くと,彼の両親は白人に撃たれて殺されたのだという。森の一人歩きができるようになったころ,エイティアンの犬が,カメ族が白人に渡された鋼鉄製の罠に掛かっているのを発見し,嫌われているにも拘わらず村へ行き,エイティアンの妹の通訳で事情を知らされて救出することができてからは,エイティアンの祖母の態度も変化した。約束の日数が倍になっても帰ってこない家族を待つ間にエイティアンの訪問を心待ちにしているマットは,エイティアンが自分の精霊を手に入れて狩りに出掛ける日が近いことを知らされる。冬の訪れが感じられるある日,髪を剃ったエイティアンと一緒に訪れたサクニスは,マットに旅に同行するように勧めてきた。犬を譲り受け,代わりに時計を与えたマットは,家族を待つ冬でも何とか過ごせる生活の知恵をインディアンから学んでいた。大雪が降ってサクニスから貰ったかんじきが役に立つ時季に,父と母・妹が橇に乗ってやってきた。発疹チフスで足止めされ,小さな赤ん坊は5日しか生きなかったそうだ~清々しい物語だ。こども向けの本はこうでなくてはいけない。多少の無理はあっても良い

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著者プロフィール

早稲田大学卒業。出版社勤務を経て、児童文学の創作・翻訳にたずさわる。創作に『3じのおちゃに来てください』、翻訳に『ぼくが消えないうちに』『ぼくはおじいちゃんと戦争した』『スモーキー山脈からの手紙』『きみのいた森で』など多数。

「2022年 『トラからぬすんだ物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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