人は何で生きるか (トルストイの散歩道)

  • あすなろ書房
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感想 : 51
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  • Amazon.co.jp ・本 (89ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784751523810

感想・レビュー・書評

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  • 100分で名著で紹介されていたので読んでみた。
    内容は非常に平易で、ページ数も少ないため1時間足らずで読めてしまった。
    100分で名著と合わせて読むとより理解が深まると思う。
    この本で伝えたいことは3点。
    ①人の中には何があるのか?
    →愛の種
    ②人に与えられていないものは何か?
    →叡智
    ③人は何によって生きるか?
    →他者への愛
    自分にだけ向きがちな興味関心を他者にも傾ける、考えることでそこに愛が生まれる。誰しも心の中に「愛の種」はあり、その愛の種を育て花を咲かせることで、他者からも愛を享受することができる。この愛の循環により世の中に平和がもたらされる…と言ったところがメッセージだろうか。
    トルストイの作品は初めてだったが、他の作品にもぜひ挑戦してみようと思う。

  • トルストイの民話。岩波文庫版でなく北御門二郎訳を選んだのは、数年前にTV番組「鶴瓶の家族に乾杯」でご子息の営む児童書店が紹介されたのを覚えていたから。訳者の後書きも娘の解説も良かった。人には先のことを知る力は与えられていない。わかっているはずなんだけどね。

  • タイトルに惹かれた。『人は何で生きるか』
    「生きがいのため?」
    「死ねないから?」
    「理由なんてない?」
    いろんな意見があるけれど、ボクはこう思っている。
    「理由なんて一個じゃないよ」

    読み終えて気づいたこと。

    本書のタイトルは、『人は何で生きるか』であって『人は何のために生きるか』ではない。ボクは勘違いしていた。自分の読解力のなさに絶望すると同時に、なんだかおかしくなってにやけてしまった。

    この物語の結末だけを聞けば、陳腐なものに感じるかもしれない。古典にあたるときは、その著者の生きた時代背景を知る必要がある。
    その点は現代は便利になった。ネットで検索すればあっさりと手に入れられるのだから。

    古典を読むと素直に「恵まれてるなぁ」とボクは思う。「こんなに恵まれてるのだから、何かしら世界に恩返ししたいなぁ」と思う。

    本作は100ページにも満たない作品である。あっという間に読めるので、ぜひ多くの古典拒食症の読書家に挑戦してもらいたい。

  • 解説を読み、トルストイが悩み抜いたことを想像し、刺さる。人は愛なんだな~。

  • 小宮由さんのおじいさまが翻訳、お母様が解説を書かれている。

    神様からの3つの質問の答えについてはちょっとピンとこず、読んでから100分de名著forティーンも見ましたが、やっぱりモヤモヤが残りました。

    こういう話ははっきりわからなくてもいいんでしょうね。
    (外山滋比古さんの「やわらかく、考える」を読んだところです)

  • トルストイの話は簡単で読みやすいから迷ったときにまた読みたい。

  • 2018年はトルストイの生誕190周年でもある(少しキリが悪いですが)ということで、何か読んでみようと思っていたところに出会った本です。
    『戦争と平和』や『アンナ・カレーニナ』などの傑作長編を手掛けたロシアの大文豪ですが、彼の作品は読んだことが無く、その長大さに圧倒されて手が出ませんでした。
    この作品は童話でボリュームも手ごろでした。

    他者への思いやり(キリスト教的には「愛」)をもち、「善」を為すことの尊さを訴える作品ですが、ストーリーにも”品格”を感じることができる、決して子供だましで終わらない力を持った作品でした。
    キリスト教であれ、仏教であれ、儒教であれ(そしておそらくはイスラム教であれ)、人間が社会を形成して生きている動物である以上、その生き方の理想となるべき姿は同じだ、ということを確認することができます。

    人の中には何があるのか
    人に与えられていないものは何か
    人は何によって生きるか

    自らの生き方を見つめる際に、とてもよい「問い」だと感じます。その答えは、それぞれの信仰する宗教や信念によって異なるでしょうが、こういった問いについて考えるという行為そのものが大切であるように思います。

  • 貧しい靴屋が、仕事にうまくありつけなかった帰り道に出会う、裸のおとこ、ミハイル。

    裸の男など、面倒にしかならないと通り過ぎては見たものの、人が災難にあって、死にかけているのに、おじけづいた通り過ぎようとは!と引き返して男に服を着せ、靴をはかせ、家に連れて帰る。

    そこから始まる不思議な寓話。

    「人の中には何かあるか?」
    「人に与えられていないものは何か?」
    「人は何によって生きるか」

    小さな子にもまるでわかりやすい、当時の教養のなかったであろう農民、貧しい家の人たちにもわかりやすい愛の物語。誰にもわかりやすい福音書のようなお話だった。

    解説によると、トルストイは自分のブログ大作、アンナ・カレーニナや戦争と平和をひていし、これからは民衆とともに生きると民話を書き始めた…とのこと。

    自らの贅沢な暮らしに耐えられないと家出をし、列車の中で倒れ小さな駅で天に召されたと。。

    和田誠さんのイラストが、大袈裟でなく、可愛らしくて親しみやすさがあってとてもすきだ。

  • 本質的なお話で心の琴線に触れた。
    以前読んだときはよく分からなかった。40代になった今、本当に大切なことはこれだけだと思う。細かなことを気にせず、本質を大切にして過ごしたい。

  • 一つは人の生き死には誰にも決められない。人は、自分の死を知る力が与えられていないと言う事、自分がいつ死んでも悔いのないような生き方をしなければいけない。

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著者プロフィール

19世紀のロシアを代表する小説家、思想家。ロシア・ヤースナヤ・ポリャーナに伯爵家の四男として生まれる。非暴力主義の思想のもと、文学のみならず、政治や社会にも大きな影響を与え、また、自ら教科書を執筆・編集し、教育にも力を注いだ。代表作に『戦争と平和』『アンナ・カレーニナ』『復活』など。『イワンの馬鹿』は、1876年(トルストイ56歳)の作品。

「2020年 『イワンの馬鹿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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