おおきな木

  • あすなろ書房 (2010年9月1日発売)
4.25
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Amazon.co.jp ・本 (57ページ) / ISBN・EAN: 9784751525401

作品紹介・あらすじ

一本の木が少年に与える、限りない愛情を描いたロングセラー絵本が、

村上春樹の新訳で再登場。「あなたが何歳であれ、何度もこのお話を読み返していただきたい」(訳者あとがきより)

感想・レビュー・書評

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  • 『あるところに、
      いっぽんの木が
        ありました』

    そこに木と少年の蜜月
    の日々がありました。

    やがて少年は青年壮年
    となり・・・─

    与える者与えられる者。

    母子の関係を表してる
    ようであり、

    木の姿を通し大いなる
    存在を示しているよう
    であり・・・、

    易しい言葉で綴られた
    単純な物語なのに、

    簡単にはのみ込めない
    なにかがあります。

  • 前半の少年と木の幸福な時間の積み重ねに微笑ましい気持ちになるものの、一転成長とともに大切なものは移ろい、ないがしろにするどころか、ちゃっかり無心までする関係に。

    おおきくなるに連れ自分勝手で浅はかになる人間の愚かさを象徴するかのような少年の成れの果てと、それでも「しあわせにおなりなさい」と大いなる包容力を見せる木。

    木はエスカレートする少年の要求に応え続け、それでも少年の役に立ったことににしあわせを感じていたが、ついには限界に。

    なんだろう、すごく難しい。
    少年の愚かさだけでなく、それに応えようとしてしまう無条件の愛、信頼を抱く木の姿勢にも2人の歪んだ関係を感じてしまい、どちらにも非はあるのではと思ってしまう。
    親子関係を象徴しているようでもあり、複雑。

    最後にうまく収まった気もするけど、何かちょっと違う気がする。
    読み聞かせでどう伝えていいのか悩むところ。

  • ヨシタケシンスケ著『だったらこれならどうですか?』で触れられている1冊です。
     全く同感でした。
    誰かを大切に想う
    誰かを頼るとか
    大事だよな・・・と
     母としては、ちょっと複雑な気持ちにもなりそう。
     子どもの頃に持った感想とは違った。

  • 母の愛。なのかなぁ。
    受け取る物も限りなく沢山あるけれども。
    でもそれを当たり前だと思ったらダメよ。とも思う。
    搾取する側とされる側。
    読むほどにこの本は深くて難しいと思う。

  • 初版から1964年から今なお読み継がれている本。
    一本の木と一人の少年の生涯。読む人にとって色々な捉え方ができます。
    りんごの気持ちを想像してみよう。木が少年に与え続ける無償の愛とは、それぞれの立場から見えてくる思い。最後のページまでしっかり読んで欲しい一冊です。

  • 子供の頃読んで、これこそ無償の愛と感動した。
    今まで色々な翻訳家があったが、村上春樹さんのが一番良かった!
    母親になったとき、何度も読み返した。

  • 100冊目『おおきな木』(シェル・シルヴァスタイン 著、村上春樹 訳、2010年9月、あすなろ書房)
    1964年に米で出版されて以来世界中で親しまれている絵本を、村上春樹が新訳。無償の愛を与える”おおきな木”と、恩恵に預かる”1人の少年”の関わりが描かれる。
    新聞マンガのような非常にシンプルな絵柄で、お話の内容も単純そのもの。しかし、一読しただけでは飲み込めきれない何かが本書には横たわっている。読む年齢によって受け止め方が変わりそうな、寓意に富んだ一冊。

    〈それで木はしあわせでした〉

  • 私には、生きていく中で「どれだけ受け取ったか」よりも「どれだけ与えたか」を大事にしたい、という思いがあります。

    「おおきな木」は、「与えること」について書かれた絵本です。年を重ねるたびに新たな発見のある、とても素敵な作品です。「与えるって何だろう?」と考えさせられます。

    今、この話を読むと、私はこれまで自分に惜しみなく与えてくれた自身の両親のことを思ったりします。

  • 読み終わった。号泣。

    とくに今恋人がいることとか、その人が植物が好きでりんごの話もしてたとか、しかも今少し関係がこじれているとか、とにかく、アキレス腱をガーン!!!ってされたくらい、今の自分にとっては痛い話だった。苦しい。そして、とっても、いい話。

    ある少年のことが大好きな木。(もうこの設定がやばい)
    木登りをしたり、りんごをとったり、楽しく少年と過ごす。だんだん少年が年をとって、木に要求することがちがってくる。でも木は、ずっと少年が好きなまま、出来ることを何でもして、彼をしあわせにしようとする。

    村上春樹が書いていたように、母性というか、そういうあふれでるもの、何があっても愛してくれる存在というのも感じたし、自然と人が寄り沿うような物語にも見えたし(そして、人がだんだん調子に乗っていくパターン)、でもやっぱり最後のシーンをみると、なんというか、なんともいえない、切ないラストで、そんな単純な警句じゃない気もする。

    葉っぱのフレディとかと似ているかもしれないけれど、死のはかなさというより、愛のはかなさというか、なんか命というか、もう少し懐の大きな、だからこそ泣きたくなるようなものを感じた作品だった。

  • 10代のころに出逢ってから何度も読み返してきた絵本。
    途中、英語版を手に入れたので、そればかりだった。
    久しぶりにちびちゃんと読もうと日本語版を手に取ったら、村上春樹が訳していてびっくり。
    以前よりも淡々とした文章、過去形でない空気にも落ち着かない気持ちになる。
    けど、この本のじんわりとした余韻はこのくらいの距離感がいいのかも。

  • この本を読んで、私は誰かのおおきな木になりたいなと思いました。そうなれたらきっとスゴく幸せだろうなぁと¨̮♡

    図書館で借りたけど、コレは買わないといけないなと思いました。
    絵本てすごい。
    この短い文の中に人生が詰まってた。

    素敵な絵本でした¨̮♡

  • 言葉を失ってしまう
    言葉で表現することは無意味だ
    と思えるほど感銘を受ける

    訳が違うとこれだけ世界観が変わるのか
    私が選ぶなら断然コチラ
    簡素な表現がさらに奥深い意味を持つ
    愛 アガペーの世界観
    与えることで最後は共に幸せになれた
    と思いたい

  • 4歳の息子が、私を抱きしめながら言ってくれた。

    「お母さん好き。お母さんが悪くなっても、お母さん好き。」


    私には大切な大切なりんごの木がある。
    母だ。
    母は、私が助けを求めたり、道を間違えそうになると、いつも私に、愛をくれた。
    それは歳を重ねても同じで、もうすぐ29歳になるというのに、私は今でも母に助けてもらってばかりいる。情けないことに。

    母親になった私は、子どもたちのりんごの木になれているのだろうか。
    見返りを求めず、ただただ愛を与え、じっと立って見守るりんごの木に。
    あなたがそこに居るだけで私は幸せだと、子どもたちに伝えられているだろうか。

    心配でたまらない私をよそに、どこから学んだのか、息子はすでに愛を知っていた。4歳にして。

    「悪くなっても、お母さん好き。」

    今の息子は、完全に、私の大切な大切なりんごの木だ。

    母として情けなく思うのとは同時に、嬉しくなる。
    ありがとう。

    とことん情けない私だけど、私もりんごの木にならなきゃ。

  • 慈愛に溢れた木と男の子の物語

    以下、公式のあらすじ
    -----------------------
    幼い男の子が成長し、老人になるまで、温かく見守り続ける1本の木。木は自分の全てを彼に与えてしまいます。それでも木は幸せでした…。
    無償の愛が心にしみる村上春樹訳の世界的名作絵本。

    「あなたはこの木に似ているかもしれません。
    あなたはこの少年に似ているかもしれません。
    それともひょっとして、両方に似ているかもしれません。
    あなたは木であり、また少年であるかもしれません。
    あなたがこの物語の中に何を感じるかは、もちろんあなたの自由です。
    それをあえて言葉にする必要もありません。
    そのために物語というものがあるのです。
    物語は人の心を映す自然の鏡のようなものなのです。」
    (村上春樹/訳者あとがきより)
    -----------------------

    「大きな」というのは、物理的な大きさだけでなく、愛情?のような包容力の大きさの意味でもあるのだろうな

    ただ、村上春樹の訳が鼻につく
    だめだ、やはりこの人の文体はすんなり入って来ねぇ

    大きな木の意味するところ
    純粋に木と少年なだけでなく
    自然界と人類を表しているようにも思えるし
    家族のために犠牲になっている人がいるという示唆にも思える

    どう捉えるかは読んだ人次第なのでしょうね

  • 切ない。成長するにつれて変わっていく少年の心と、いつまでも変わらない気持ちを持つ木の物語。少年と感情を持つ木という不思議で非現実的な設定のストーリーだが、少年を自分に、木を親に投影したり、少年を恋人に、木を自分に投影したりして読むと、諸行無常の悲しさが実感できる。
    なんて少年は相手の気持ちも考えず無責任なのだ、と感じる一方で、自分も同じようなことをしていないだろうか、と考えさせられる。自分が都合の良いように、好き勝手に、わがままに生きても、それを受け入れてくれる寛容な相手がいること、それが幸せなのだと思う。そういう人に出会いたいし、自分も誰かのそういう人になりたい。
    少年に何をされても木は幸せに感じる。自分が好きな人が幸せになれば、自分も幸せ。そんな他人思いの考え方ができるだろうか。

  • すごく心に刺さった。涙が出てくる。
    なんだか少年が自分のようで、そして木が自分の親のようで少しつらくなった。自分の為に親は自分の時間を削って働いてそのお金で学校行かせてくれたり色々やらせてくれたり買ってくれたり。でも子どもの時は与えて貰うことが当たり前のように思ってしまっててそこに親がどれだけの苦労をしてたか、自分の身を削っていたか、考えてもなかった。なんだか申し訳ない気持ち。。。

    朽ちた切り株になったこの木はしあわせなのかな、、、?
    私はしあわせなんじゃないかと思った。私だったらしあわせ。木が自分、少年が娘たちだという視点で見ると、子どもたちはあれしたいこれしたいと要求は多いけれど、大好きと言ってそばに居てくれる人がいるってしあわせ。要求に答えるのは大変だしへとへとだけど、大きくなって親元を離れて、なにか要求があった時だけしか訪ねてくれなかったとしても、それでも何かあった時にでも顔を見せてくれたらとっても嬉しく思うんだろうな。

    この絵本まだ子どもたちには読んでないけど、子どもはどう思うんだろ。

  • 親になって初めて与える喜び、与えられるものはなんでも与えてあげたいという気持ちを知りました。
    もともと母が大好きな本で譲り受けて読みましたが、木が母のように思えてグッとくることがあります。

  • 長く読み続けられた本が村上春樹さんの訳で出ていたので読んでみました。
    児童書なので気軽に読めますが、与えることと欲を満たすことと、歳を重ねることが優しい文で書かれていました。
    優しい文ですが、とても大事なことが書かれていて奥深い一冊でした。

  • 無性の愛とは。
    何回読んでも泣けます。

  • 読むたびに感じるものがある素敵な本!

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