おおきな木

  • あすなろ書房
4.25
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本棚登録 : 4693
感想 : 446
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  • Amazon.co.jp ・本 (60ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784751525401

作品紹介・あらすじ

一本の木が少年に与える、限りない愛情を描いたロングセラー絵本が、
村上春樹の新訳で再登場。「あなたが何歳であれ、何度もこのお話を読み返していただきたい」(訳者あとがきより)

感想・レビュー・書評

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  • 『あるところに、
      いっぽんの木が
        ありました』

    そこに木と少年の蜜月
    の日々がありました。

    やがて少年は青年壮年
    となり・・・─

    与える者与えられる者。

    母子の関係を表してる
    ようであり、

    木の姿を通し大いなる
    存在を示しているよう
    であり・・・、

    易しい言葉で綴られた
    単純な物語なのに、

    簡単にはのみ込めない
    なにかがあります。

  • 前半の少年と木の幸福な時間の積み重ねに微笑ましい気持ちになるものの、一転成長とともに大切なものは移ろい、ないがしろにするどころか、ちゃっかり無心までする関係に。

    おおきくなるに連れ自分勝手で浅はかになる人間の愚かさを象徴するかのような少年の成れの果てと、それでも「しあわせにおなりなさい」と大いなる包容力を見せる木。

    木はエスカレートする少年の要求に応え続け、それでも少年の役に立ったことににしあわせを感じていたが、ついには限界に。

    なんだろう、すごく難しい。
    少年の愚かさだけでなく、それに応えようとしてしまう無条件の愛、信頼を抱く木の姿勢にも2人の歪んだ関係を感じてしまい、どちらにも非はあるのではと思ってしまう。
    親子関係を象徴しているようでもあり、複雑。

    最後にうまく収まった気もするけど、何かちょっと違う気がする。
    読み聞かせでどう伝えていいのか悩むところ。

  • 母の愛。なのかなぁ。
    受け取る物も限りなく沢山あるけれども。
    でもそれを当たり前だと思ったらダメよ。とも思う。
    搾取する側とされる側。
    読むほどにこの本は深くて難しいと思う。

  • 初版から1964年から今なお読み継がれている本。
    一本の木と一人の少年の生涯。読む人にとって色々な捉え方ができます。
    りんごの気持ちを想像してみよう。木が少年に与え続ける無償の愛とは、それぞれの立場から見えてくる思い。最後のページまでしっかり読んで欲しい一冊です。

  • 子供の頃読んで、これこそ無償の愛と感動した。
    今まで色々な翻訳家があったが、村上春樹さんのが一番良かった!
    母親になったとき、何度も読み返した。

  • 100冊目『おおきな木』(シェル・シルヴァスタイン 著、村上春樹 訳、2010年9月、あすなろ書房)
    1964年に米で出版されて以来世界中で親しまれている絵本を、村上春樹が新訳。無償の愛を与える”おおきな木”と、恩恵に預かる”1人の少年”の関わりが描かれる。
    新聞マンガのような非常にシンプルな絵柄で、お話の内容も単純そのもの。しかし、一読しただけでは飲み込めきれない何かが本書には横たわっている。読む年齢によって受け止め方が変わりそうな、寓意に富んだ一冊。

    〈それで木はしあわせでした〉

  • 私には、生きていく中で「どれだけ受け取ったか」よりも「どれだけ与えたか」を大事にしたい、という思いがあります。

    「おおきな木」は、「与えること」について書かれた絵本です。年を重ねるたびに新たな発見のある、とても素敵な作品です。「与えるって何だろう?」と考えさせられます。

    今、この話を読むと、私はこれまで自分に惜しみなく与えてくれた自身の両親のことを思ったりします。

  • 読み終わった。号泣。

    とくに今恋人がいることとか、その人が植物が好きでりんごの話もしてたとか、しかも今少し関係がこじれているとか、とにかく、アキレス腱をガーン!!!ってされたくらい、今の自分にとっては痛い話だった。苦しい。そして、とっても、いい話。

    ある少年のことが大好きな木。(もうこの設定がやばい)
    木登りをしたり、りんごをとったり、楽しく少年と過ごす。だんだん少年が年をとって、木に要求することがちがってくる。でも木は、ずっと少年が好きなまま、出来ることを何でもして、彼をしあわせにしようとする。

    村上春樹が書いていたように、母性というか、そういうあふれでるもの、何があっても愛してくれる存在というのも感じたし、自然と人が寄り沿うような物語にも見えたし(そして、人がだんだん調子に乗っていくパターン)、でもやっぱり最後のシーンをみると、なんというか、なんともいえない、切ないラストで、そんな単純な警句じゃない気もする。

    葉っぱのフレディとかと似ているかもしれないけれど、死のはかなさというより、愛のはかなさというか、なんか命というか、もう少し懐の大きな、だからこそ泣きたくなるようなものを感じた作品だった。

  • 10代のころに出逢ってから何度も読み返してきた絵本。
    途中、英語版を手に入れたので、そればかりだった。
    久しぶりにちびちゃんと読もうと日本語版を手に取ったら、村上春樹が訳していてびっくり。
    以前よりも淡々とした文章、過去形でない空気にも落ち着かない気持ちになる。
    けど、この本のじんわりとした余韻はこのくらいの距離感がいいのかも。

  • この本を読んで、私は誰かのおおきな木になりたいなと思いました。そうなれたらきっとスゴく幸せだろうなぁと¨̮♡

    図書館で借りたけど、コレは買わないといけないなと思いました。
    絵本てすごい。
    この短い文の中に人生が詰まってた。

    素敵な絵本でした¨̮♡

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