- Amazon.co.jp ・本 (119ページ)
- / ISBN・EAN: 9784751527580
作品紹介・あらすじ
となりの家のじいさんは、とんでもない人種差別主義者だった!イギリスに住むインド系移民、善良なるシク教徒のシン一家の運命は?イングランド中部の多文化都市レスターを舞台にくりひろげられる、涙と笑いの異文化交流物語!
感想・レビュー・書評
-
インド系イギリス人作家が描く多文化共生。
インド人(シク教徒)のハーヴェイの一家が引っ越した家の隣にはレイシストの老人ミックが住んでいた。何かとトラブルを起こすミックだが、彼の犬ネルソンがハーヴェイになついてしまったことから、ハーヴェイはミックの孤独で荒んだ生活を知るようになる。
舞台はレスターで、レスターは3割がインド系。
そこで思い出したのが、ピーター・バラカンが、ロンドンにはインド系の人が多いから、インド料理が懐かしい地元の味だと言っていたのと、昔見たスティーブン・フリアーズの映画「マイ・ビューティフル・ランドレッド」。ロンドンを舞台にしたインド系の青年と白人青年(若き日のダニエル・デイ・ルイス)の友情ものだったが、調べたらフリアーズはレスター出身。そして最近撮った「ヴィクトリア女王最後の秘密」もイギリス人とインド人の話。そしてそのインド人はシク教徒。そうか、フリアーズという人は幼い頃からインド系(シク教徒)の友達に囲まれ、インド人にシンパシーを持って育ったイギリス人だったのか!と漸く分かった。この本がきっかけになったので、読んで良かった。
「イングリッシュペイシェント」に出てきたインド人もシク教徒だったけど、シク教徒は海外に移住する人が多く、インドでは人口の2%しかいないが、海外志向が強く、海外に住むインド人の3分の1がシク教徒だとこの本のあとがきに書いてあった。(オンダーチェはカナダの作家だけどスリランカ生まれ)そう言えばチャダもシク教徒だった。(古いね)
ミックもそうだけどレイシストって孤独な、貧しい人が多いのかもね。ヘイトスピーチしている人も幸せな人には見えない。鬱憤を外国人ヘイトで晴らしている感じ。
そう考えると、レイシズム自体は許せないけど、彼らの孤独や生活苦などを癒してやれば、レイシストでなくなるかもしれない。ミックのように。
そういう考えを持つこともできた本だった。
あっさり書いてあるし、短いので、読みやすい。
子どもには、そもそもインドがイギリスの植民地であったことや、それをきっかけにイギリスに移民する人もいた、というような背景を説明してから渡した方がわかりやすいかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ちょっと児童文学くさいなとは思うけど、でもわりとよかった。人種差別問題というより、その後ろにはもうちょっと違うこと、誰でも同じように感じる寂しさとかがあるのかもしれないね、という。 世界中がきな臭くなって、自分と違うものに対しての寛容度がどんどん下がっている今やこれからの世の中で必要なのは、やはり他人を自分のように考えてみる共感性なのかなと思った。
-
なかなか良かった。こんなに立ち向かっていくのは難しいけれど、主人公もお母さんもお父さんもはっきりしてて、あったかくてなかなかいい。ほんと、難しいと思うのだけれど、毅然としてるお母さんもいい。
-
ミックというのは表紙の犬のことだと勝手に思っていたが、隣に住む嫌なじいさんの名前だった。シク教徒のインド系移民の主人公と隣人のじいさんがわかりあうまで。
-
#おいぼれミック #読了
#バリライ #あすなろ書房 #大吉堂
移民の多いイギリスのレスターという町。この街に来たインド系シク教の家族と人種差別をする隣のおじいさんが分かり合うまでのお話。
差別するおじいさんの内面に触れていきます。少年が橋渡しをするところがかっこいい!大吉堂さんで購入 -
インド.シーク教徒の移民,ハーヴェイと隣人の変人爺さんミックの,喧嘩しながらの交流が,少しずつ通い合うものが出てくる.汚い犬ネルソンがかわいい.そして訳もいい.
-
子どもの本・全国大会