泣いた赤おに

著者 :
  • あすなろ書房
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本棚登録 : 154
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (48ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784751528112

作品紹介・あらすじ

ドコマデモ キミノ トモダチ・・・・・・。見返りを求めることなく、ただ、友の幸せを願う青おにの姿が胸をうつ、悲しくもあたたかいひろすけ童話の傑作を、つちだのぶこが絵本化!

感想・レビュー・書評

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  • 親の私が泣いてしまうので、最後まで読み聞かせができたことがない本。
    相手のための、自己犠牲的な行動はイマドキではないかもしれないけれど、大切な人のことを思って出来ることをする、という気持ちを知ってもらいたい。

  • 文章が独特で読み聞かせしづらく、また子どもも理解しにくいようで食いつきませんでした。

  • 人間と仲良くなりたい赤おにに、友だちの青おにはある提案をします。
    かくして青おにの作戦は成功し、赤おには人間と仲良くなることができますが…。


    おそらく一番有名なひろすけ童話。
    美しい友情のお話と捉えられることが多いと思うけれど、私にはどうにも青おにが不憫で、もやもやした気持ちになってしまいます。
    今回つちだのぶこさんの絵のお話は初めて読んだのですが、つちださんの絵がとてもやさしく可愛くユーモラスで、いつもよりもライトな気持ちで読めました。 
    人間の家の庭に赤い百日紅が咲いていたり、赤おにの部屋に、赤おにが描いた、赤おにと人間の子どもの絵が掛けられていたり、細かいところまで描かれていて素敵です。
    今まで展開上ちょっとずるいなと思っていた赤おにですが、改めて読み直してみると、作戦の提案も実行も結構青おにのごり押しなところがあり、赤おにはしっかりとためらって悩んでいるので、きちんと心優しく思慮深い鬼でありました。となると、赤おにのためとはいえ、少し自棄気味の作戦を立てた青おには、彼には彼なりの何か別の思惑があったのかもしれないな、などと思いました。
    あまり自己犠牲の話だと思いすぎるのもよくないのかも。
    とは言え、やはり青おにの手紙を読む段になると、青おにのことを思い、赤おにと同じようにうるっとしてしまうのです。その涙は、やはり青おにの自己犠牲に対する思いであると思うのです。

    さて、今回読んでみて思ったことは、赤おにも青おにも自分の意志を持って自分のするべきことをしているのに対し、その他大勢の人間たちの、いかに流されやすく浅慮なことか。
    心を込めた鬼の看板には、先入観からまともに取り合わず、赤おにと青おにのけんかを見て、それのみで容易に判断を下し、赤おにのおいしいお茶とお菓子につられて赤おにに懐いてしまう人間たち。
    そもそも最初の看板の時から、きちんと赤おにと話をすることができていたら、赤おにと青おには決別せずとも済んだかもしれないですし、もし仮に青おにと赤おにが悪い鬼で、人間を陥れるために作戦を立てたのであったら、この人間たちは容易に騙されてしまったということになります。
    先入観や噂に流されて、物事を多面的に見ることが出来なくなっている人間に対する風刺なのでは…?とも思えるのですが、さすがに深読みしすぎでしょうか。

  • 赤おには最後、青おにと別れたからすごく悲しいと思いました。おすすめのポイントは、たとえおにだとしてもいいおにもいるんだよという事も知ってほしいし、みんな優しくなってほしいからです。

  • 5歳の娘が鬼を怖がるので、優しいタッチのこの絵本を選び読みました。
    長いかなとおもったのですが、真剣に聞き入り、最後のあかおにが泣く場面では、大泣きして、わたしがびっくりしました。
    あかおにの優しさと、青鬼の優しい気持ちに触れ、私も改めて読んでほろりとしました。いいお話ですね。

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著者プロフィール

1893年、山形県生まれ。早稲田大学在学中より、児童文芸雑誌『良友』などに作品を発表。卒業後、編集者を経て1923年より作家活動に専念。『泣いた赤おに』『椋鳥の夢』『りゅうの目のなみだ』など約1000篇に及ぶ童話は「ひろすけ童話」と親しまれる。1973年、80歳で他界。

「2019年 『うさぎのみみしばり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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