- Amazon.co.jp ・本 (37ページ)
- / ISBN・EAN: 9784751528150
作品紹介・あらすじ
おかあさんも、おばあちゃんも、そのまたおばあちゃんも食べていた、とびきりおいしいデザートの作り方とは?イギリスで生まれたブラックベリーフールをめぐる4世代の物語。
感想・レビュー・書評
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ブラックベリーの収穫時期に合わせて。
西欧文明における最古のデザートである「ブラック・ベリー・フール」の300年間の歴史を、100年単位で描いて語ってくれる。
作る人、材料の入手方、使用する道具、食卓に供されるときの様子、保冷方法、それらがどれほど変化してもこのデザートは作られていく。
じっくり絵を見ながら読んだあとは、実際にデザートを作るという楽しみも待っている。
はじめは1710年イングランドのライムという田舎町での作り方。
次は1810年のアメリカ南部・チャールストンでの作り方。
1910年はアメリカ東湾北部ボストンで。
最後は2010年カリフォルニア南部・サンディエゴで。
テキストで語られるものももちろんあるが、本の最大の魅力は挿絵。
文字だけ読んでいてはとても理解がつかないだろう。
登場人物たちの衣装、表情、風景、家具調度品、家族構成、食卓の風景、一見美しい絵が実は歴史を雄弁に物語っている。
アメリカ南部の農場では、黒人奴隷の親子が登場する。
小さな女の子がシャカシャカと、腕が痛くなってもホイップクリームを泡立てる。
出来上がったデザートを食べる白人家族には、奴隷の女の子と同い年くらいの少女がいる。横目で奴隷の子を見つめている。
2010年にこのデザートを作るのは、父親と息子のふたりだ。
100年前にはとうてい考えられない光景だろう。
父親はネットで作り方を調べ、息子は電動ミキサーで泡立てる。
食卓には様々な国籍の子たち。アジア系もアフリカ系も同席している。
300年の時の流れは、モノだけでなく人も変えたのだ。
では、変わらないものは何?
デザートの作り方と、それから・・ここはぜひ読んでみてね。思わずニコッとしちゃうから。
後書きはふたつ。作者さんと挿絵画家さんからの素敵なメッセージが載せてある。
幸せなデザートづくりの話だけでなく、深い読み応えのある絵本だ。
この夏お子たちとともに読んで、読後は一緒に作ってみることをお薦め。
レシピも載っているけど、他のベリーでも(冷凍でも)OKらしい。
泡立てた生クリームとグラニュー糖、裏ごししたベリーとを混ぜて冷やすだけ。
よそった後は、ボールに付いているブラック・ベリー・フールを舐めるのを、忘れずにね! -
同じ物を作っているんだけど、その過程がどんどん近代化していく様子が興味深い。
その家族構成も。
文明の進化って凄いんだなと思いながら、ブラックベリーフールという食べ物を食べてみたくてたまらなくなった。 -
ブラックベリー・フール作りを1710年、1810年、1910年、2010年と長いスパンで紹介されている。今ではハンドミキサーであっという間にできるホイップクリームは、300年前の時代には、小枝を束ねたものを使い泡立て、丘の穴倉に藁を敷き、冬にできた氷で冷やして保存していたらしい。
今では滅多に作らなくなったケーキですが、子供が小さい頃に泡立て器で生クリームをホイップするのが面倒な作業だったのを思い出しました。そのうちに電動ハンドミキサーが登場し、わずかな間にホイップした生クリームが売り出され、ケーキ作りは簡単にできるようになった。でも、その頃には子供も成長し、最近は甘いものが敬遠される時代。
どの時代にも共通しているのは、食べた子供たちが「わぁ、おいしい!」と喜んでいる姿が描かれている。それが作り手にとって最強の原動力となるんですよねぇ~。 -
日本ではあまり馴染みのないデザート、ブラックベリー・フール。現代のキッチンツールを使えば簡単に出来そうですね。でも、300年前から見てみると、大変な労力が掛かっていました。この絵本の深いのは、その大変さを担う人(女性、主婦、奴隷)と、労せず当然のように食べる人とが、はっきり分かるように描かれていることです。アメリカ合衆国の歴史を知ると、さらに明らかに見えてきます。大きい子や大人に読んでほしい本です。
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欧米で愛されているつめたいデザート、ブラックベリー・フールの作り方を4世代にわたって追っていった絵本。泡だて器、こし器や冷やし方。年代を追って変わっていきますが、変わらないのは作っていく途中でクリームをなめたり、後片付けの時にボウルをなめたりする時の特別なおいしさ。
『わぁ、おいしい』『なんて、すてきな、あとかたづけ!』が、毎回繰り返されていきます。
時代の移り変わりとともに、食事の様子や家族の様子、食事の作り手の移り変わりも描かれていて、面白い。 -
300年前、冷蔵庫も電動あわだてきもない時代、つめたいデザートはどうやって作っていた?200年前、100年前、そして現代、4つの時代のデザートづくり。
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同じデザートを異なる時代に作ることで、変わる道具や変わらない気持ちなどが、上手く描かれている。絵もお話と合っています。レシピも付いていて手軽に作れそう。作者と画家のあとがきも良い。
これは夏休み中のおうちにむけて書きました。
でもそれは名目上の話。
年齢・性別を超えて楽しめる本です。...
これは夏休み中のおうちにむけて書きました。
でもそれは名目上の話。
年齢・性別を超えて楽しめる本です。どうぞご覧ください!