アイヌのむかしばなし ひまなこなべ

著者 :
  • あすなろ書房
4.14
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本棚登録 : 244
感想 : 31
  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784751528198

作品紹介・あらすじ

絵本作家どいかやがライフワークとして取り組む、先住民の昔話絵本第1弾!位の高い熊の神が、踊りの上手な若者に惹かれ、度々地上に降りてくる。はたして、その若者の正体は?

感想・レビュー・書評

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  • アイヌには熊送り(イオマンテ)という儀礼がある。
    命をもらう側も、相手の悲しみや苦しみを思い、心から感謝していることを表すために生まれたのではないか?とのこと。
    また、生きるために使う道具にも魂が宿っていると考え、イオマンテをすることがあったらしい。
    物を大切にすることの教えが、楽しい話の中に描かれている。
    (紹介文からほぼ引用)

    絵も可愛らしくきれいだった。
    大人が読んでもためになる良い本。
    物を大切にすること、また食事をする時に、「いただきます」「ごちそうさまでした」という言葉を大切にしたいと気付かされた。

  • どいかやさんが挿絵を担当されているので、これは読まねばと借りてきた。
    本当に良いお話で、アイヌの世界観がこの一冊で理解できる。
    タイトルは「暇な小鍋」。小鍋が暇ってどういうこと?と思われたらぜひ。

    冒頭アイヌについての解説が2ページ分あり、それがお話のプロローグ。
    動植物や自然のみでなく、身の回りのあらゆるモノにも神が宿っているというアイヌの教え。これをおさえないと先へ進まない。
    日常使う道具にも神が宿っているとは現代人には考えにくいが、アイヌの人々は道具から手作りだし元の姿も知っている。
    言い換えれば、私たちがいかに多くのモノに囲まれて生きているかということ。
    モノへの感謝。暇な小鍋はそれを教えてくれる。

    わけても熊神様は特に大切にされていた。
    この熊神様が好奇心旺盛で、イヨマンテの祭りに格別踊りの上手い若者がいたからと、その正体知りたさに何度も人間界にやって来るという設定。
    つまり、何度も射たれに来るのだが・・

    熊神を送るイヨマンテの描写が素晴らしい。大勢の人々、たくさんのご馳走。
    可愛らしい火の神様、家の中の様子、調度品、アイヌの衣装、若者の踊り。
    まるで音楽や歌が聞こえてくるようで、細部まで眺めて飽きない。
    どいかやさんは、通常よりも色味を抑えてそれはそれは丁寧に描いている。

    最後にはアイヌのお話らしく教訓が入るのだが、それも全然嫌らしさを感じない。
    子どもたちに読み聞かせをする際は、決して教えを垂れてはいけないという大原則があるのだが、このお話なら素直に聞いてしまいそうだ。
    ひとと生きものと自然と神とが今よりはるかに親しかった頃の、ノスタルジックな民話。
    「あとがき」まで含めて、とても心に残るお話。
    ゆっくり絵も見せると約20分かかる。中学年から。

    • kosamebitakiさん
      大好きな絵本です!小学4年生の読み聞かせに使ったことがありますが、みんな、とても真剣に聞いてくれました。
      物語の持つ力を感じた絵本でした。...
      大好きな絵本です!小学4年生の読み聞かせに使ったことがありますが、みんな、とても真剣に聞いてくれました。
      物語の持つ力を感じた絵本でした。
      どいかやさんの、物語の捉え方も素晴らしい。
      2021/03/06
    • nejidonさん
      kosamebitakiさん♪
      ありがとうございます!とても嬉しいです!
      どいかやさんはこの絵本の刊行にあたり、某美術館で講演を開いたの...
      kosamebitakiさん♪
      ありがとうございます!とても嬉しいです!
      どいかやさんはこの絵本の刊行にあたり、某美術館で講演を開いたのですよ。
      一生懸命行きましたよー。すごく良いお話でした。
      白糠の博物館にも、何度か足を運んでいます。
      4年生の子たち、よく聞いてくれて良かったですね。
      私もこの本で一度だけ読み聞かせしましたが、またやってみたいですね。
      2021/03/06
    • kosamebitakiさん
      講演を!それは知らなかったです。聞いてみたかったですね。
      アイヌの物語が好きなので、読み聞かせをしたいのですが、なかなか良い絵本がありませ...
      講演を!それは知らなかったです。聞いてみたかったですね。
      アイヌの物語が好きなので、読み聞かせをしたいのですが、なかなか良い絵本がありません。
      今度は素話でやってみようかと思うのですが、コロナのせいでまだ機会が持てません。
      ご返事ありがとうございました。
      2021/03/06
  • 萱野茂さんが文、どいかやさんが絵、そして帯には『ゴールデンカムイ』の野田サトルさんがコメントと絵を寄せている!!!と思い、すぐさまお買い上げ。

    全てのものに神が宿るとするアイヌの考え方や、それらの神たちに生き生きとした感情を見出し、神々と人間が共に暮らしている様子が、優しいタッチで親しみやすく描かれています。
    糧になってくれた動物への感謝、そして「また我々の元にいらしてくださいね」という手厚いもてなし。私たちもまた自然の一部であり、そうやって生かされている存在なのだから、自分のことも他人のことも尊重し、大事にしなければならないんだよ。小さいうちから自分の娘に教えていきたい大切なことが、全部入っています。

    どいかやさん、以前に他の作品を拝見していっぺんにファンになってしまったんですけど、本作も素晴らしい……。アイヌ刺繍をモチーフにした飾り枠など、細部のこだわりが圧巻です。何時間でも見ていたい。

    • nejidonさん
      はじめまして♪
      萱野茂さんの「アイヌの昔話」を少し前に読んだので、嬉しくてコメントします。
      F本さんのレビュー、感動が伝わってきますね。...
      はじめまして♪
      萱野茂さんの「アイヌの昔話」を少し前に読んだので、嬉しくてコメントします。
      F本さんのレビュー、感動が伝わってきますね。
      自分の本棚内を探したら(笑)平凡社ライブラリーのものでした。
      一人称で語るのがとても新鮮だったのを思い出します。
      どのお話もとてもいいですよね。どこか懐かしくて。
      これはどいかやさんの挿絵入りなんですか?!贅沢です!
      どうでも良いことですが、ご近所さんなんですよ。
      2017/08/13
    • F本さん
      >nejidonさん
      コメントありがとうございます!
      私もカムイユーカラの神様の一人称語りが大好きです!
      怒ったり笑ったり失敗したり、...
      >nejidonさん
      コメントありがとうございます!
      私もカムイユーカラの神様の一人称語りが大好きです!
      怒ったり笑ったり失敗したり、神様だけどとても感情豊かで人間っぽいのですよね。
      アイヌの神様たちはただ拝まれたり畏れられたりするのではなく、人間たちの生活の中に当たり前にいる隣人のような存在だったのかなあと思います。
      「ひまなこなべ」も日用品に宿る神様のお話だったので、自分たちの生活を見直すきっかけになりました。
      どいかやさんとご近所なのですか!?
      2017/08/15
  • 位の高い熊の神が、石狩川の上流に住むアイヌのところへお客として行った。そして、熊の神はとても踊りの上手な若者と出会った。若者が神だと気付いた熊の神は、その正体を知りたくなり、何度も地上に降りてきて、アイヌの家を訪れた。あるとき、若者の正体が、カパラペポンス(薄手のこなべ)とわかった。若者は、家の奥様がこなべをきれいにしてくれるので、清々しい気持ちになり、踊りを踊るようになったと話した。熊の神は家の主にカパラペポンスのことを知らせてやった。
    ※先住民族のアイヌの人たちは、あらゆるのものに魂が宿っていて、それを神だと信じ、感謝している。どいかやさんの絵もこの話に合っていていい。

  • アイヌのお話はなんて美しくてやさしいのでしょう
    哀しくなるくらい
    どいかやさんの絵は期待に応えてくれました
    なんて愛らしいのでしょう
    萱野茂さんアイヌ文化の継承になくてはならなかった方
    タイトルの「ひまなこなべ」はどこで区切るのかなと思っていたらなるほど

    ≪ みのまわり 星山川熊 みなカムイ ≫

  • ふんわりした色合いも、丸い目のクマや神さまも、とっても愛らしい。アイヌの模様、散りばめられたモチーフ、なんだか手作り感あふれる優しい肌触りのする絵本です。
    アイヌの考え方や暮らしを知るきっかけになります。

  • 躍りの上手い若者の正体知りたさに、何度もアイヌに狩られる熊の神様がお茶目で可愛らしい(*^^*)

  • 千葉市美術館で開催された「ブラティスラヴァ世界絵本原画展」での出展作家によるトークイベントで、ご本人による朗読を聞きました。
    チリとチリリとはまた違ったアイヌの絵本をつくることになったきっかけや、絵本になるまでの裏話、二風谷で出会った方々、未来を生きる子供たちへのメッセージ。
    どいさんの描く絵本のようなやさしくゆったりとした時間でしたが、内容の濃い1時間半でした。

  • 狩猟民族のものの考え方って、どの民族でも似通ったものがあるんだな。そりゃそうよね。
    道具に神が宿るので大事にという信仰は、すぐにこの道具を適切に使わなければ命が危ない状況もありえる環境で、道具を常に万全の状態で調えておくことを伝えるための物語だったんだろう。

  • 絵がきれい。くまの頭にしゅりけんみたいなしるしがついているのがおもしろいなと思った。葉っぱも1まい1まい細かく書いてある。火の神はちょっとこわい。
    北海道に行ったとき、アイヌのお話も聞いてきたらよかったと思った。こんどははくぶつ館とかも行ってみたい。(小3)

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著者プロフィール

1926─2006年。北海道生まれ。アイヌ文化研究者。学術博士。長年アイヌの民具や伝承を精力的に収集・記録し、1972年には二風谷アイヌ文化資料館を開設、館長を務める。1994年、アイヌ出身者としてはじめて国会議員となり、北海道旧土人保護法撤廃・アイヌ文化振興法制定などに尽力。主な著書に、『ウエペケレ集大成』(アルドオ、菊池寛賞)、『萱野茂のアイヌ神話集成』(ビクターエンタテインメント、毎日出版文化賞)、『萱野茂のアイヌ語辞典』(三省堂)がある。

「2017年 『アイヌ歳時記 二風谷のくらしと心』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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