ホイッパーウィル川の伝説

  • あすなろ書房
3.60
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本棚登録 : 216
感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784751528624

作品紹介・あらすじ

もっと速く、もっともっと速く……!なぜシルヴィは、あんなに速く走ろうとしたの?姉妹の絆がふしぎな子ギツネの魂と響きあう!ヴァーモントの神秘の森でくりひろげられるスピリチュアル・ファンタジー。

感想・レビュー・書評

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  • アメリカ、ヴァーモント州の雪の降った朝、ジュールズを置いて森へ走って行った姉のシルヴィは、〈奈落の淵〉で行方不明になる。彼女は、姉をちゃんと止められなかったことを悔い、悲しみに沈む。ちょうどその頃森では、不思議なキツネの女の子が誕生しつつあった。そのキツネは、彼女と不思議なつながりを持って生まれてくる。

    かけがえのない家族を失って悲しむ少女と不思議な動物との触れ合いを描く、リアリティとファンタジーの融合作品。


    不思議な作品だが、中途半端な印象も持った。

    キツネが持って生まれてきた役割は理解できた。
    でも、ピューマは?あえて稀少な動物を登場させたわりには存在だけで役割がない。オマケにピューマを待ち焦がれているのはエルクではなくサムだ。

    シルヴィが、母を助けられなかった後悔から、早く走りたいと願うようになったとあるが、そもそも、早く走れるようになる前に、家族にそんな危険が及ばないように願うのが普通ではないのか?と突っ込まずにいられない。

    家族の死を扱うものではあるが、主人公は11歳。高学年で十分でしょう。

  • 2017年、中学生向けの読書感想文コンクールの本です。
    中学生世代が情緒の機微を読書で確認する事を、体験、再確認出来ました。
    訳が丁寧で、湿度や気候や色彩まで感じられました。
    ザリガニの鳴くところ、の様に丁寧な描写でした。

    余談ですが、やっと探せた本です。
    蝶ヶ岳ヒュッテの本棚で見つけ、途中までしか読めず、とても気になっていました。下山後は題名も忘れて、何とか思い出して探して、読めました。再読出来て嬉しかったです。

    • ボウさん
      4年前に亡くなった母の遺品の中にありまた。
      たぶん母が、この本が課題図書だったから読んだのかなと思い読んでみる気になりました。
      まだ読み...
      4年前に亡くなった母の遺品の中にありまた。
      たぶん母が、この本が課題図書だったから読んだのかなと思い読んでみる気になりました。
      まだ読み始めたばかりですが、ゆっくり時間をかけてでも
      最後まで読みたいと思います。
      2023/07/02
    • はらださん
      お母様の御本、大切になさってください。
      私はこの本に北アルプスの山小屋の本棚で出会いました。とても瑞々しい美しい訳本です。大切なエピソードあ...
      お母様の御本、大切になさってください。
      私はこの本に北アルプスの山小屋の本棚で出会いました。とても瑞々しい美しい訳本です。大切なエピソードありがとうございます。
      2024/04/15
  • 緑の山の州といわれる北米ヴァーモント州の川と森が舞台
    その森に生きる不思議な力を持ったキツネと小さい頃に母を亡くし、またその母の死が一端となって事故で姉を亡くしてしまうジュールズ
    大自然の中のファンタジーな部分のキツネ、セナの視点の部分を人気絵本『ちいさなあなたへ』のアリスン・マギーが、
    人間視点の部分を『千年の森をこえて』のキャシー・アッペルトのふたりで書かれた物語
    家族であってもなかなか理解できていない思いというものがあって、
    あとになって本当の思いに気付くこともあるなというのは実感あって、
    その時にうまく伝えられない思いもあって、
    ・・・難しい
    物語の終わりの終わりのお兄ちゃんキツネの描写が、不思議なキツネのファンタジーな余韻を残している・・・

  • 不思議な雰囲気をたたえた本。
    姉のシルヴィを亡くしたジュールズ。シルヴィはなぜいつもあんなに速く走ろうとしたの? そのせいで、足を滑らせ、川に落ちてしまったというのに……。

    やるせない思いをかかえるジュールズと、不思議な使命を背負った子ぎつねの魂が、森の中で交錯する。

    詩的な文章が美しく、ジュールズの心情がよく伝わってくる。

  • 願えば叶えられる「願い」があったとしたら何を願うか…。

    友は兄のことを。
    おばあさんは孫のことを。
    姉は父と妹のことを。
    父は妻、子供のことを。

    自分にとって「燃えるように熱い 切なる願い」をスピリットアニマルのきつねの助けを借りて見つけることが出来た女の子。

    「願い」それは生と死、生き物の種別、時間を超えて
    どこかでつながっているのかもしれない。
    そんな風に思わせてくれる美しいお話でした。

  • 『私たちが姉妹だったころ』を読んだばかりだったので、「また姉が居なくなる話か」と思いつつ読んだが、『私たちが…』と違って思わせ振りなわりに大した内容のない話だった。まあ比べちゃいけないけど。
    文章は読みやすいし、量も多くない。一章が短いのて、読書が苦手でも読めないことはない。主人公は11歳なので、小学生でもいいと思うが、感想文はちょっとテクニックを要するように思われるから中学生で妥当かもしれない。
    去年の『白いイルカ』もそうだったけど、書かせるための選書で、小説自体が中学生に是非とも読んで欲しいというほどのものではない。
    友人兄弟や戦死した友人も、動物も掘り下げ方が甘いため、心にあまり響かない。
    野性動物が命を懸けて人間を助けることが納得できるほどには書き込まれていない。
    個人的には、母が死に、姉が死に、自分を助けるため動物が目の前で死んだら、ちょっと立ち直れないと思うけどね。そんなしみじみといい話ではないでしょ。

  • 親しい人を亡くす痛み。それぞれの関係性の中で、どう乗り越えていけるか。
    この物語は、もともと母がいない少女が、さらに姉を亡くす物語。
    ここから先は危ないよ、行ってはいけない、と言われていても、子どもはその一線を越えてしまいがち。命を落とさないために、取り返しがつかない状況にならないために、親や大人は心配して憲法を作るけれど、しばしば悲劇は起きてしまう。
    また、友達の兄が失う親友はアフガニスタンでのこと。こちらは、もっと理不尽だ。防げたはずだ、と思うだけに。
    姉の魂はキツネの子に、親友の魂はジャガーに宿る。少しファンタジー。
    こんなふうに、残された人のそばにいてくれると思うと、少し慰められる。

    ちなみに、こちら2人の作者が交互(?)に書いた作品とのこと。なるほど、と思う。

  • 随分前に読んだけど、ココナッツの匂いってどんなのだろうってずっと考えてる。

  • セナが思い出のカップのあるところを知っていてびっくりしました。

  • 最後ウルっ・・・
    最初っからそうなりそうで
    でも思ってたのとは違って
    いいお話でした

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