スピニー通りの秘密の絵

制作 : Laura Marx Fitzgerald  ローラ・マークス フィッツジェラルド  千葉 茂樹 
  • あすなろ書房 (2016年11月17日発売)
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  • 10レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784751528631

作品紹介

ニューヨークのメトロポリタン美術館を庭のようにして育ってきたセオの人生は、ある日とつぜん大きく変わってしまう。生活の支えだった祖父が事故で亡くなったからだ。最期に「卵の下を探せ」という謎めいたことばを残して。手がかりをひとつ見つけるたび、謎はますます深まるばかり。そして、思いもかけない歴史の暗部にまで・・・・・・。13歳の少女が活躍する極上の美術歴史ミステリー。

スピニー通りの秘密の絵の感想・レビュー・書評

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  • 13歳の少女セオは、ニューヨークのスピニー通りに、働き者の祖父と数学にしか関心のない母の3人で暮らしていた。ある日祖父が急死してしまい、間もなく届けられた祖父の退役軍人年金支給終了の通知で、自分たちの収入が途絶えたことを知る。残った生活費は384ドル。彼女は、彼が最期に残した言葉「卵の下を探すんだ」「手紙が……」「それと、宝物(トレジャー)」「手遅れになる前に」を頼りに自宅の卵の絵やニワトリの卵を飾ってあるところなどを探し始める。

    美術館がいっぱいあるニューヨークを舞台に、貧しいけれど美術品大好きなセオと、有名俳優を両親に持つ、探求心旺盛なボーディの二人の少女が古美術とその所有者の謎を追う美術ミステリー。
    美術ネタがいっぱいで特にルネサンス期の作品がいっぱい登場するし、登場人物も個性豊かで作品を盛り上げる。

    最後のところがちょっとうまくいき過ぎ感はありますが、それでも好奇心と探求心とで読み手をぐいぐい引っ張っていく、非常におもしろい本です。

    戦争中の美術品の行方や、捕虜、収容所の人たちのことにも触れられているので、ここから関心を広げていくこともできます。

    中学生向けで取り扱われていますが、大人も十分楽しめます。

  •  おじいちゃんの遺品の絵の下から現れた古い絵。
     セオは友だちになったセレブのボーディーとともに、その絵の謎に迫ります。

     美術に興味がないと、もしかしたらそんなにおもしろくはないかもしれないけど、2人の熱意と冒険が楽しい。
     セオちゃん、めっちゃいい子で、賢いね。

  • 久しぶりにぐいぐい引き込まれる面白ミステリ?だった。

    絵のことはよくわからないけど、ある1つの着想から物語を拡げていったことが感じられて、興味深いものがあった。

    周りの人達がうまい具合に何かしらの専門家なのはご都合主義的かも。
    でも、このくらい気軽に読めて楽しめるのは良いことと思った。

  • たぶん。児童書にはもったいない感じのミステリーだと思う。

  • セオは、美術館の警備員をしていた画家の祖父にさまざまな美術品を見せられ育った。しかし、祖父は卵の下を探せという言葉を残して亡くなってしまう。
    数学の問題を解くことに熱中する変わり者の母。住む家こそあるものの、貧乏の極みの生活をするセオと、有名人を両親にもつお金持ちのボーディーと謎解きに挑む。

    著者紹介に好きな児童書が「アンクル・サムの遺産」と「クローディアの秘密」を挙げている理由がよくわかる。

  • ちょっとできすぎのところもあるんだけど、それを差し引いても、時間空間を越えたスケール感と、それとは対照的にきれいに小さく着地するエンディング、そして明かされる真実の重さなど、とても満足の行く読み物だった。セオの前にとつぜん現れる少女ボーディ、いいよね~。セレブな家庭に育ってるんだけど、それってある意味不自由なわけで、そこの部分でセオと意気投合するというのがとても自然。図書館の人や街の人たちも、すごく人情を感じさせていい。

    あ、あと、このお母さんはちょっと変わり者を越えちゃっててやばいよ(^_^;; 

  • 1枚の謎の絵をめぐるミステリー。
    画家だったおじいちゃんの最後の言葉から、13歳のセオはある絵の謎を解き明かしにいく。

    美術に詳しい貧乏なセオとスマホやネットを駆使するセレブのボーディのふたりがなかなかいいコンビ。本や人、インターネット等を使って自分たちでどんどん核心にせまっていく。ナチスのホロコーストやモニュメント・メンなど重くなりがちな歴史的な話も、そのなかですらすらと語られる。美術、歴史、戦争、人…それぞれがとてもうまく組み合わされて、読みやすく楽しいお話。最後のジャックの手紙が泣かせる。

  • 映画の予告なら、まずセオ家をバックに
    おじいちゃんの「卵の下を見ろ」って声→セオが絵を発見する手のアップ→ボーディがスマホ片手に「ラファエロ?」と聞く3カット、次から音楽が入ってセオ・ボーディ2人で歩くシーンの中で
    セオファミリーとマダムの紹介、おじいちゃんの警備員の経歴、美術館やNYを一通り移して「贋作? 本物? もしかして盗品?」と疑いを持たせる。セオ・ボーディ、おじいちゃん、お母さん、マダム、そして司書の俳優紹介。最後は山寺宏一の声でタイトルコール。

    映画の最初はセオのモノローグではじまり、映像はセオの足をずっと追いかけてスニーカーを拾ってつぎはぎオリジナルの洋服の背中を見せながら朝食の準備、にわとりから卵をもらっていちばんいい卵を乗せるところでモノローグが終わり、ストーリーが始まるといい。

  • セオとお母さんとおじいちゃんのジャックは、つつましくくらしていたが、ジャックが亡くなった途端、生活費が全く入らなくなってしまった。お母さんは、心を病んで自分の世界にこもりっきりだから、セオがなんとかしなくてはならない。おじいちゃんが残した一枚の絵だけが自分たちを救うのか?絵の謎を追ううちに、様々な人との出会いが孤独だったセオを変えていく…。
    絵に隠された謎が少しずつ解き明かされていく過程がとてもわくわくします。友達になったボーディは怖いもの知らずで、セオもどんどん積極的になっていきます。

  • アメリカの作家L・M・フィッツジェラルド、2014年発表のYA向け小説。祖父の遺した一枚の絵を廻っての探索の物語り。

    ニューヨークの豪邸街にある一番古いボロ屋敷に住む13歳の少女が主人公。引きこもりで生活力ゼロの母親と画家の祖父との3人暮らしでしたが生活を支えていた祖父が交通事故で亡くなり、元々貧乏暮らしだったのが更に危機的状況に陥ります。祖父の最後の言葉「卵の下を探せ」をヒントに古い絵を見つけますが、イタリアルネッサンスのラファエロ作品のように見えるその絵は何なのか・・・。

    祖父によって美術的感性を徹底的に鍛え上げられた主人公の少女のキャラが良いし、コミカルに描かれる明るい貧乏暮らしもとても良いです。美術品を廻る蘊蓄も、それほど深いわけではありませんが楽しめます。絵の謎を探求するうちに近所の超セレブの少女と出会い、孤独だった主人公少女の世界が少しずつ広がって行くストーリーにも好感が持てます。

    後半、ナチの強奪美術品の話になってからは、何処かで聞いた物語りという感がして、少々興ざめしますが・・・。

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